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女勇者様が弱すぎるんだが

ふつ

1章 3〜ロレンと最弱女勇者


 ロレンは扉から数歩離れ、それと同時に女勇者はさらに後ろへ下がった。ロレンはそれを確認すると剣を抜き、振りかぶる。

「必殺!、岩斬り!!」

ドカッ!

「うわっ!!」

「キャッ!?」

 扉に向かいその剣を振り下ろりしたが、またしても鈍い音をし、吹き飛ばされるロレンとそれに驚いた女勇者。

「はね返ってきた!」

「えーっ!? 今の必殺技で壊れないなんて、硬すぎるよっ!!」

「なら次はこの技だ! 必殺、炎の一閃斬り!!」

 キーーーーーーン!

 「あ!」

 剣を振り、扉にはなった炎。相性が良かったみたいだ。扉を覆っている氷はみるみるうちに溶けていった。そこには赤い扉が露わになった。それを見て喜び、声をあげる女勇者であったが、次の瞬間。

 カチカチカチカチ

 どことなく凍り始める赤い扉は、瞬く間に全身を氷で纏った。

「一度は壊れたのに、すぐ、また凍り始めちゃった……!」

「どうすればいいんだろう……この辺の人に聞いてみようか。」

 女勇者はこくんと頷いて、2人は魔王を後にして聞き込みに行く。古びた階段を降り、少し歩くとポツンと置かれた1つの墓石を中心とする、数人の人がいる広場に着いた。そこで女勇者は、鉄の甲冑を被った鋼の鎧を身に纏うクールな男に聞くことにした。

「魔王城の扉を突破する方法を知りませんか?」

「……む。もしや君達が言ってるのは『氷鏡の扉』のことか?」

「ひかがみのとびら……?」

 女勇者は、首を傾げながら返答を反復する。

「魔王城の入り口にある最初の扉のことだろう?」

「はいっ! そうです!!」

「あの扉は、氷で出来た鏡。全ての攻撃をはね返してしまう。だが……唯一はね返せないものがある。」

「はね返せないもの?」

「氷鏡の扉が唯一はね返せないもの……それは『強い炎』だ。」

「たしかに……炎の攻撃ははね返らなかった。」

 と、ロレン。

「でもすぐに戻っちゃったよ? どうすればいいんだろう?」

「……む、氷鏡の扉は一気に蒸発させねば何度でも再生してしまうのだ。大切なのは、強い光が発する超高温……灼熱のパワーが必要だ。『マグマジェイル』という宝石をつかうといい。」

「ま、マグマジェイル!? すっごく貴重な宝石だよ!? ロレンくん持ってる?」

「持ってるわけないだろ!? それどこで手に入るんだ?」

「今は亡き、遠く離れた灼熱の国で手に入るものだ。世界中を旅する勇者ならば、どこかでお目にかかることもあるだろう。」

「それにしても……魔王城のことも世界のこともずいぶん詳しいんですね。」

「当然だ。私はもともと『勇者』だったからな。」

 と、女勇者に対してかえってきた言葉を聞いた2人は驚嘆する。

「「えっ!?」」 

「そ、そうだったんですか?」

「そういえば……この人も昔、教会に来たような気がする!」

 独り言のように、ブツブツ言うロレンにクールな勇者は目を向け、ん?と悩むように凝視していると、はっ、となにかを思い出したかのような顔をし、問う。

「……む! キミはあの時の教会にいた少年か?」

「……そうです」

「……立派になったな。また会えてうれしいよ。ときにキミはこのあたりにいる人々を見て何か思い出さないか?」

「え?」

「……わからないか。あの時キミはまだ小さな子供だったものな。ならば私が教えよう。このあたりにいるのはみな……魔王に戦いを挑み、敗れ去った『元勇者』たちなのだよ。」

「えーーーーーーーーーっ!?」

 横で話を聞いていた女勇者は突然飛び跳ね、聞いたこともないような大きな声で驚く。

「そうか! だからどこかで見たことあるような気がしてたんだ……」

「勇者たちの中にはマグマジェイルを持ってる者がいるかもしれない。話を聞いてみるといい。」

「わかりました! ありがとうございます!」

「……む。お礼などいいのだ。頑張ってくれたまえ。」

 女勇者がお礼言い、2人でペコリと丁寧にお辞儀をし、その場を離れる。少し歩くとロレンは立ち止まり、考えに没頭している。

「……ロレンくん、どうしたの?」

「ここにいる人たちは、みんな『勇者様』なんだろ? どうしてみんな魔王城の目の前にいるのに戦おうとしないのかなって……」

「たしかにそうだよね……見た感じ、ケガもしてないのに戦う気がなさそう。なにか『事情』があるのかな?」

 2人は、再び聞き込み始める。









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