ロワとカラス城の魔女
3
「それしきの事、俺様ともなればすぐに分かるのだよ。ロワ君」
そう言うと黒猫はまん丸の目を鋭い目つきにした。
「俺はお前を立派な魔法使いにしたいんだ。その俺様の気持ちは分かるな?」
まるで洗脳でもするかのように、黒猫は声を低くして囁くように言う。
「はい!ありがとうございます。お願いします!」
私は感動すら覚えて、そう返事をした。
「俺様の言う通りにするんだぞ。よし!!立派な魔法使いにしてやるからな」
薄暗い中で黒猫を見つけるのは困難だったけれど、時々振り返ると見える光る目を目印に追いかけた。
途中、何度か壁や机、棚にぶつかった。それは仕方のない事だった。進めば進むほど灯りはなくなっていく。
「すみません、ディアさん。電気つけませんか?これじゃあ何も見えなくて」
もうどこに黒猫がいるのかも分からなくなった。
暗闇の中で黒猫は不思議そうな声を出した。
「は?何言ってんだ?カラス城だぞ。電気なんか通ってるわけないだろ」
黒猫の大声がどこかから聞こえる。こっそりしなくていいのか。なんて、私には言えない。
「え!そうなんですか?じゃあどうやってこの暗闇を」
歩き回るのだろう。と考えていると、呆れたような声が聞こえた。
「見えないんだったら、灯りくらい自分でだせよ。さすがにそれくらいは出来るだろう?魔法学校になんか行かなくたって誰でも……」
黒猫の言葉に、私は返す言葉もなかった。
「おい、まさか」
私の沈黙に黒猫は情けない声を出した。
「はい。できません」
仕方なく認める。姿は見えないけれど、落胆している姿は想像できる。私にとって、誰かをがっかりさせる事なんていつもの事なのだ。けれど、黒猫は違った。
そう言うと黒猫はまん丸の目を鋭い目つきにした。
「俺はお前を立派な魔法使いにしたいんだ。その俺様の気持ちは分かるな?」
まるで洗脳でもするかのように、黒猫は声を低くして囁くように言う。
「はい!ありがとうございます。お願いします!」
私は感動すら覚えて、そう返事をした。
「俺様の言う通りにするんだぞ。よし!!立派な魔法使いにしてやるからな」
薄暗い中で黒猫を見つけるのは困難だったけれど、時々振り返ると見える光る目を目印に追いかけた。
途中、何度か壁や机、棚にぶつかった。それは仕方のない事だった。進めば進むほど灯りはなくなっていく。
「すみません、ディアさん。電気つけませんか?これじゃあ何も見えなくて」
もうどこに黒猫がいるのかも分からなくなった。
暗闇の中で黒猫は不思議そうな声を出した。
「は?何言ってんだ?カラス城だぞ。電気なんか通ってるわけないだろ」
黒猫の大声がどこかから聞こえる。こっそりしなくていいのか。なんて、私には言えない。
「え!そうなんですか?じゃあどうやってこの暗闇を」
歩き回るのだろう。と考えていると、呆れたような声が聞こえた。
「見えないんだったら、灯りくらい自分でだせよ。さすがにそれくらいは出来るだろう?魔法学校になんか行かなくたって誰でも……」
黒猫の言葉に、私は返す言葉もなかった。
「おい、まさか」
私の沈黙に黒猫は情けない声を出した。
「はい。できません」
仕方なく認める。姿は見えないけれど、落胆している姿は想像できる。私にとって、誰かをがっかりさせる事なんていつもの事なのだ。けれど、黒猫は違った。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
1359
-
-
125
-
-
147
-
-
59
-
-
353
-
-
52
-
-
549
-
-
24251
-
-
58
コメント