恋愛委員会!

紫 ヤタガラス

039

「さてそれじゃ私がわざわざ妹のために時間を使うんだからその男、必ず落としなさいよね」


「もちろんだよお姉ちゃん。でどうすればいいかな?」


 麻里は和美に恋愛のテクニックを教える前に相手について聞く。


「ちなみに相手はあなたにつりあう程の男でしょ?よほどのイケメンか、運動神経抜群とか、かなり知的とか。どんな系?」


 姉さん結構男に対して酷いなと和美は思いながら太の特徴について言う。


「まぁ姉さんが思ってるのとは違うかな。顔はイケメンとは言えないと思う。あっ、私から見たらイケメンだよ。で体型がふくよかなんだ」


「ふくよか?それってデブって意味か?」


 麻里がデブというと、和美は麻里に向かって部屋にあったハサミを麻里の喉元の前に突き立てる。


「お姉ちゃん?私の前で太先輩をデブっていうのはやめてね。その人ちょっとしめちゃうかもしれないから。たとえそれが姉さんでも」


「いや私は初めて聞いたから何もハサミを突き立てなくてもいいじゃないか。さっきの私より怖いぞ!」


 ハサミを突き立てられ今度は逆に麻里が涙目になっていた。


「まぁ言葉には気をつけてねってことだよ。特に太先輩ををばかにするようなこと、侮辱するようなことを言えば私はそいつには容赦しないから」


 わたしの妹ってこんなにやばいやつだったけ?と思いながら麻里は太をバカにしたらの話を聞いていた。


「で姉さん。わたしに男のおとしかた教えてくれるなら早く教えてよ!」


「今は料理でおとすきなんでしょう?ならまずその方法を試して見てダメだったらわたしに相談しなさい。その時までにわたしが色々作戦を考えておくから。間違っても犯罪行為には手を出さないでね」


「犯罪行為とは?どこまでやったら犯罪行為なの?」


 真顔で和美は麻里に聞く。
 本当に大丈夫だろうかと思いながら逆に和美の好きな相手を心配していた。


「監禁とかはダメだぞ!今のところ普通の会話と料理ぐらいにしとけ。じゃわたしは部屋に戻るからまた何かあれば」


  了解と和美は言って、麻里は自分の部屋へと戻っていく。麻里が出ていった後、和美は太をおとすことのできるご飯はなんだろうと考えていた。






 その頃家に着いた太は、珍しく早く帰宅できたことにより、久々の真っ当な夜ご飯に涙を流していた。


「や、やっぱりママの作るご飯は世界一だよ」


「あらあら嬉しいわ〜。お母さん張り切っちゃう!今から太ちゃんの大好きなレタスのちぎ・・・」


「しばらくレタスは食べたくないからやめてください」


 と太と丸山母でたわいない会話をしていると、いつ帰ってきたかわからなかった雅がリビングに来て、太に尋ねる。


「ねぇ。バカ兄貴って葵と付き合ってるの?」


 太は聞いて来たことが驚きの内容で思わず橋を地面に落とす。


「え?」

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