異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

氷と強化

「あ。く、だけ、た。す、ごい」


 オミコは遠くでカルナクの攻撃がアスラスの攻撃を無効化したのを見ていた。


「驚くのはいいから早く逃げろ!いつまでもかばいきれないぞ!」


 首を立てにふって頷いたオミコはその場から立ち上がり、アスラスから逃げようとアスラスのいる場所から反対側に歩き出す。


「ふっ。いいだろう。あいつは逃がしてやる。逃がしたところで我々にとってはやつは使えぬからな。ダーランマは必要とはしているかもしれないが仕方がなかろう」


 アスラスはカルナクを見て、嬉しそうにしていた。


「どうした氷の魔王将様よう。まさかはドSかい?」


「変な煽り方だが違うな。私はちょうどいい運動相手を探していたんだよ。君なら私を満足させられそうだからな。喜ぶといい。このアスラス様に殺されることを」


 アスラスはカルナクに言うと、次の攻撃へと転じる。


「アイス・ガン!」


 アスラスはカルナクに向けて氷の弾丸を放つ。


「ふっ。ならとことん付き合ってやるよ!靴強化!氷耐性強化」


 カルナクは自分のはいている靴の氷耐性を強化し、氷の弾丸にその靴で蹴りを入れる。


「靴をさらに強化!これで砕けろ!」


 ガンッ!
 アスラスの放った弾丸はカルナクの蹴りで砕け散る。
 その後、カルナクはそのまま強化した靴でアスラスに蹴りかかる。


「これで終いだー!」


 しかし、カルナクの攻撃はアスラスに到達する前に蹴りがその場で止まる。


「どうした?私を蹴るんじゃないのか?ほらきてみなよ!ほれほれ!」


 アスラスはカルナクを挑発するが、カルナクはその場で蹴りをくらわせようとしている態勢で止まる。


「こ、の野郎がぁぁぁ。わかってて言ってんだろぉぉぉ」


「ふっ。私がなんの策もなく君を近づけると思うか?私はたとえ羽虫が相手であろうと決して手を抜きはしない。カスマとは違うのだよ。やつは相手と心ゆくまでの戦いを望むがな」


 足からだんだん凍りついてきているカルナクにアスラスは言い、アスラスは頭を働かせ、凍るのをとめようと思うが、アスラスがそれを許さないでいた。


「まずは攻撃した足が凍りついた。そして抵抗するならば手を使うだろう。だから私はでも凍らせる」


 アスラスはカルナクに近づきカルナクの両腕に触れて凍らせる。


「や、やめて、やめてくれ!」


「やめるわけないだろうバカが!アッハッハ!」


 アスラスは笑いながらカルナクを凍らせ、もてあそんでいた。

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