異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

アスレの能力

「何故だ!何故異能力を使わない!」


「僕の異能力は使えないから。だからアスレと協力しよう」


 ガスタはダークルンに言うがダークルンは納得出来ずにいた。


「あらあら〜。何故あなた異能力を使わないのかしら〜。発動条件でもあるのかしら〜」


「・・・。黙秘させてもらう。僕の異能力は本当に使えないからもう聞かないでくれ」


 ガスタは頑なに自分の異能力について話さずにいる。
 ダークルンたちが後方で喋っている間、弓道寺、アスレ、ハラサ、タルムは強力してなんとかテイクの猛攻をやり過ごしていた。


「みんな、私から離れるなよ。かろうじてやつの能力を防げるのは私だけなんだからな」


 アスレは3人に言う。テイクはモンスター化してから常に異能力発動状態で軽い咆哮を上げるだけでも空気に亀裂が入りそうだった。


「ガァァァァァァァァ!」


「くぅぅぅ。このモンスター化といい、やつの異能力といい、相性が良すぎる。しかしやつを止めねば皇国が・・・」


「この咆哮、何故皇国には届いていないんだ?アスレさんよう」


 弓道寺はアスレに尋ねる。空気中に亀裂が入るほどの咆哮なのに確かに皇国には傷一つ入ってはいなかった。


「それはリーダーの能力だよ。リーダーは話したがらないから私も喋らないけどね」


「こいつの咆哮を皇国に届かせないくらいの能力ならあいつに対しても使えばいいじゃないか」


 弓道寺は言うが、アスレは


「ダメだ。昔人体に使ってリーダー自分の異能力がトラウマになってるんだ。だから生きている人やモンスターには使わないし、防御や町などの被害を抑えるためにしか使わない。そして誰にも自分の能力について喋らない。わかったか?」


 アスレは弓道寺に説明し、弓道寺は納得する。


「まぁ本人の意思を尊重した方がいいかもしれんしな。能力を使ってやつを助けたとしても、それで死んではかなわないしな。よし私たちでどうにかしよう」


「ああ。とりあえず3人とも私から離れないでね」


 アスレはいい、3人はアスレのもとに集まる。


「しっかしあれどうするよアスレ」


「どうするも何も私たちで考えてやるしかないわよ。リーダーも考えてくれてるだろうからこのばでは私たちが考えましょう」


「うーん。アスレがいないとうまく近づいて攻撃できないからなー。お前の能力でどうにかできないか?」


 弓道寺はハラサに聞く。


「俺の針の能力はまだ大きさを変えるくらいしかできない。それもそこまでは大きく出来ないしな。それにアスレの近くでは異能力は使えない」


「確かにそうだな・・・。しかしそうなると」


 弓道寺は残っているタルムを見て、アスレは弓道寺に言う。


「私もタルムにしかたよるしかないと思う。私がこの状態じゃあまり動けないから。タルムの能力ならテイクをもとに戻せるかもしれない」

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