異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

ハラサの能力

 ファイアスピアが当たって煙が出る中、傷を負ったとダークルンは思っていたが無傷でハラサは現れる。


「かっこよく決めたつもりかもしれないが君の攻撃、痛くもかゆくもないし、熱くもない」


「バカな!炎の矢が当たって無傷どころか熱くもないだとそんなバカなことがあってたまるか!」


「俺が無傷だということは実際お前の攻撃が弱いということだな」


 ダークルンは驚きを隠せずにいたが、急に笑いだす。


「なんだお前らのところは変に笑う奴が多いな。頭がおかしくなると笑いだすのかガイアラン皇国出身のやつらは」


「イナハルさんに関しては知らないけど僕と姉さんはそうだね。いじめがいのあるおもちゃがいれば笑うだろうね」


 遠くからそれを聞いたイナハルはダーラスに


「お前さんそんな人をいじめるの好きな性格だっけ?」


「し、知らないわねぇ〜。気のせいじゃないかしら〜。ダークルンが世迷言を言ってるだけよ〜」


 ダーラスはそうイナハルに言うが心の中では


(あのバカ!後でお仕置きね!とっておきのをかますわ!たとえ負けて帰ってこようが)


 とダークルンの方に目を送りながら思い、ダークルンは急に寒気を感じていた。


「さーて。それじゃ簡単に壊れないでね。おもちゃのハラス君」


「ハラサだって!・・・おわぁ!」


 ハラサは急にコケだす。


「何やってるんだよハラサ!コケてる場合じゃないぞ!」


「わかってるよリーダー。でも立て・・・おわぁ!」


 またこけるハラサ。


「さぁどこまで無様な姿を晒してくれるかな〜。ちなみに今はいい感じだよハラサ君」


「お前!俺をバカにするのも・・・おわぁ!」


 またこける。ハラサは何度もたっては何度もコケてまともに立てずにいた。


「はっはっは!最高だよ!そらそらそらぁ!」


 ダークルンは呪文を唱え続ける。


「スリップ!スリップ!スリップ!」


「くそ、まじ、めに、やれ、や!」


 ツルン!ツルン!トゥルン!と何度もひっくり返るハラサ。そのザマはまさに滑稽と言えるものであった。


「あっはっはっは!」


「いい加減にしろ!」


 スパァ!


「うん?」


 何かの物体がダークルンの頰をかすめ、ダークルンは頰に手をあてる。あてた手を見ると血が付いていた。


「これは、なぜ僕の頰に切り傷が?今ハラサ君は立てないでまともに攻撃できないはず・・・」


「そう思うならもう一度その頰に傷を入れてやろうか?」


 ハラサがまた何かわからない物体をダークルンの顔めがけて投げつける。
 危険だと感じたのか流石にダークルンは顔を横にずらして避ける。


「なんだ?俺の攻撃にビビったのか?まぁ仕方ないか。当たれば死ぬしな」


「貴様まさか・・・異能力か!」


 ダークルンが言うと今度はハラサが笑っていた。

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