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異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

義足

「どうだったのイナハルは?やはり起きてなかったでしょう?」


 イナハルの病室から出てきたアルダスに対して、病室の扉付近で待っていたダーラスは言う。


「中に入れば分かるさ。お前も少し見てきたらどうだ?イナハルの顔を」


「・・・いい。寝たきりの人間の顔を見るほど私性根は腐ってないから」


 ダーラスは病室に入るのを断るが


「まぁ入ってみろよ。意外と起きてるかもしれないぞ。今度は俺がここで待っててやるから」


 そう言ってアルダスはダーラスをイナハルの病室前の扉の前に立たせる。


「・・・仕方ないわね。あなたが言うから私は入るのよ。わかった?」


「わかったからさっさと行ってこいよ。びびってんのか?」


 アルダスがダーラスに言うと、イラっときてアルダスの頭をポカッと装備していた杖で叩く。


「別に叩かなくてもいいだろうが」


「余計なこと言うんじゃないわよ〜。全く、じゃサクッと済ませてくるわ」


 ダーラスはイナハルの病室に入り、イナハルが寝ているであろうベッドに向かう。


「イナハル〜起きてる?私よ〜。ダーラスよ〜」


 ダーラスは言うが、病室にいるであろうイナハルからの返事が返ってこない。


「やっぱり目覚めてないのね。全く、アルダスのやつ。この病室から出たら杖で後三発は殴ってやる!」


 そうダーラスが言うと


「おいおい。そんなことしてやるなよ。闘将さんが杖で叩かれるなんて恥ずかしいだろ?」


 ダーラスは声の聞こえた方を振り向く。


「そ、そんなまさか。本当に意識は戻ってるの?」


「ああ、大丈夫だ。心配をかけたなダーラスよ」


 イナハルが言うと、アルダスと同じようにダーラスも地面に手をついて号泣し始める。


「お前ら2人はワシの顔を見て泣くとはなんなんだ全く」


「だって、イナハルしばらく意識がなかったのよ。これを喜ばずしてどうするのよ」


 ダーラスは泣きながら言う。


「まぁそれについては迷惑をかけたな。ワシはアルダスから一応明日の夜のことについては聞いたのだが」


「ああ。ごめんなさいね病み上がりなのに」


「構わないさ。ワシは今まで寝たきりだったんだ。皇国の役に立てるならいくらでも使ってくれ。この老骨を」


「本当にすまない・・・。ありがとう感謝するね」


 ダーラスは深々とイナハルの前で頭を下げる。


「構わないさ。それなら退院の準備をしなくてはな」


 イナハルはベッドに腰掛けている状態から態勢変えて普通に起き上がる。


「もう大丈夫なの?」


「大丈夫だと言ったろうに。ワシのことはもういいからさっさと準備にかかりな」


 イナハルはそう言ってダーラスを病室から追い出す。

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