異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

魔王将の再会

「お前まさかアスラスか?」


 カスマはアムライに尋ねる。


「下等な人間風情が何故私の名前を知っている」


「我だ!カスマだ!魔王7将が1人、炎魔王将カスマだ!」


「カスマだと?カスマの炎はもっと強いぞ。私の冷気と同様くらいにな」


「しょうがない。なら見せてやるよ我が黒炎を!」


 カスマの腕に纏っていた拳の炎の色がやがて黒く変わる。


「行くぞアスラス!黒・炎拳」


 カスマは黒の炎の拳でアスラスに殴りかかる。


「黒炎?しかしこれは奴の・・・。いやまがい物だろう」


「カスマだと言っているだろう!貴様の親友のこの黒・炎拳を放ってまでも分からぬか!」


 カスマの黒・炎拳はアスラスにあたる直前までに行く。


「アイス・ブロック!」


 アスラスは氷の塊を作り出し、黒・炎拳に向けて放つ。
 しかし、アイス・ブロックはカスマの黒・炎拳に当たった瞬間瞬時に溶け、アスラスにカスマの攻撃はクリーンヒットする。


「ごは!ま、まさか、貴様本当にカスマ・・・」


「だからそう言っているだろうが!そら!一発食らってその氷でも冷やせない頭を冷やしてくるんだな!」


 カスマの攻撃でアスラスは研究室の壁に衝突し、しばらくアスラスは動かなくなる。


「ふー、スッキリした」


「カスマ様。アスラス様はご無事なんですか?」


 カスマがアワリオの近くまで行くと、アワリオがカスマに聞く。


「軽く飛ばしただけだから平気さ。氷の魔王将なら我の攻撃くらいでくたばりはせぬだろう。それに黒炎といえど加減した方だからな」


「なら良いのですが。あ、ダーランマ様は無事ですよ。気を失っているだけです」


 アワリオはダーランマの状態を報告し、ダーランマは横に倒れて安静にしていた。


「そうか。まぁあの程度で気を失うのもどうかと思うがな。本当に帝国を納めていたものかよ」


「いや、あなた方2人はどうみても私たち以上だと思うのですが」


「い、や。カスマ様の、言う通りだ」


 横に倒れていたダーランマが起き上がりアワリオに言う。


「ダーランマ様!どこも体にお怪我は?」


「大丈夫だ、この程度。気絶していた方が恥ずかしい。みっともないところを見せてしまい申し訳ないカスマ様」


 ダーランマはカスマの前まで行き、謝る。


「全くだ。我を使うのであればあの程度で気絶されては困る。もっときたえよ」


「はい。カスマ様のご期待に応えられるよう精進いたします」

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