異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

ヴラドリオの目的

「ヴラドリオ様はなぜそんなに焦ってらっしゃるのですか?あなたらしくないですよ」


 カルナクはこれも失言だと思ったが言わずにはいられなかった。


「私の身を案じてくれ流のは嬉しいが今私とお前は違う組織、もとい行動内容も違う。だから私にはもうできるだけ関わるな。これは鏡理人にも伝えておいてくれ。できればあいつには稽古をつけてやりたかったがもうおそらく時間はない」


「なんの時間がないのですか?本当にらしくないですよヴラドリオ様!あなたはいつだって冷静に行動していたじゃないですか。先の襲撃だってあなたがいたからこそ私たちは無傷で済んだ。一体我らの国がなくなってから貴方に何があったのですか?よければ話してください」


 カルナクはらしくないヴラドリオを見るに耐えずに何か困っていることがあるなら相談してくれとヴラドリオに言った。


「・・・お前になら話してもいいかも知れない。それに確かに私はもう1人で戦っていけるほど強くないのも先の襲撃でわかったからな。カルナク聞いてくれるか私の目的を」


「もちろんですとも」とカルナクはヴラドリオに返答した。


「実はな私には娘がいたのだ。私の後を継がせるための1人の可愛い娘がな。我が国が滅んだ後はその娘と2人でしばらく冒険していた。楽しかったよあの頃は、娘はあまり外の世界を知らないでいたから毎日が幸せのような感じでいた。しかしある時、このガイアラン皇国の近くの小さな町、ガイゼンスという町で私たちは休んでいて私がまだ宿で寝ている時に娘に悲劇は起きたのだ」


「まさか娘さんは化け物にでも変えられたのですか!?」


「そんなわけなかろうが!大体そうなら私はその化け物になった娘と普通にいるわ!」


 カルナクはヴラドリオが悲劇とか言ったので変な生き物にでも変えられたかと思ったが全然違っていた。


「じゃその娘さんは一体どうしたんですか?そもそも私はヴラドリオ様に娘がいるなんて聞いたことありませんよ」


「それはな、我が娘があまりに可愛すぎるのでな。他のものにはバレぬようにひたすら隠し続けたのだよ」


 カルナクはヴラドリオの意外な一面を知った。


「ヴラドリオ様って意外と過保護だったんですね」


「それはお前も人の親になればわかるさ。まぁ私の娘は世界で一番可愛いがな。話がそれたな。で悲劇についてだが私が寝ている間に娘は宿の外を歩いていたらしいのだが、誰かに誘拐されてしまったのだ。それで私はある情報をたどってここまできた」


「娘さんにそんなことが。でその情報の内容は?」


 カルナクが聞いた時、ヴラドリオは言った


「ガイアラン皇国に行けばわかるとそういう情報が入ったのだ。情報源は情報をくれた奴は誰にも私のことは言うなと言うので言えないがな」

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