異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

反射

理人の能力は鏡を使った。反射である。鏡ならば普通は物理攻撃などははね返せないが、理人の能力ではそれがなぜか跳ね返すことが可能なのである。


「ウゴァァァァァ」


 化け物は踏みつぶそうとした足をはね返され、コケるかと思ったが、何とか態勢を立て直していた。


「これが俺の能力、、、。これならあいつに勝てるか、、、」


「ウゴァァァァァ‼︎」


 化け物は糸で理人に攻撃してきた。理人はそれを自分の能力、鏡のパネルを出現させて糸攻撃を反射させ何もない方向へ糸攻撃をはねかえした。


「こいつなら勝てるかもしれないが、、、跳ね返すことしかできないなら決め手にかけるな。だがミノとアルダスは今とてもじゃないが戦える状態ではないしな、、、」


 理人の能力は今のところ防御か会費にしか使えなかった。なので決め手がなくジリ貧状態が続いた。アルダスは気を失っており、実里は起きてはいるが自分の異能力の反動で足が動かずまともに立てないでいた。


「おい鏡、俺がいるぞ。忘れてないか?」


そう言って隣にはガイがいた。理人は休んでいたガイのことをすっかり忘れていた。


「すまん。忘れていた。ところで普通にお前アピールしてきたけどあいつを倒せるほどの一撃あんのかよ?」


 理人はガイに聞いた。ガイは


「あるさ。俺はアルダス様のところで修行している時、必殺技を考えるように言われていたんだ。それならきっとあいつを倒せると思う」


 ガイは理人にそう言った。


「どうすればいい?俺はあいつの攻撃を能力でそらすのが精一杯だぞ?」


「あいつに向かってはね返すことはできないのか?」


「そこまでのコントロールはできてないから跳ね返したとしてもやつのところへ行くかは分からんぞ。それでもいいならやってやる‼︎」


 頼むとガイは言って、理人は化け物が次の攻撃がくるのに備えた。


「ウゴァァァァァ‼︎」


 また糸攻撃を理人の方に向けて化け物は放った。


「行くぞ‼︎ガイ上手くいったらあいつのこと仕留めてくれよ」


 おうよとガイは言った。そして理人は糸攻撃をはね返した。集中し、化け物の方へ向かうようにしてみたがうまくいかず城下の建物に糸が突き刺さった。


「すまん‼︎無理だった。だが何とかしてみてくれガイ‼︎」


 理人はしくじり、変な方向へ糸攻撃をはね返してしまった。だが、次の瞬間幸運なことが起きた。


 横から謎の攻撃が飛んできてその攻撃で化け物は一瞬ひるんだ。


「ウガァァァァァ⁉︎」


 その隙をガイは見逃さなかった。


「くらえ‼︎剣術一刀、、、真空斬‼︎」


 スパァン‼︎
 ガイの攻撃で化け物は倒せたかと思ったが、化け物はまだ普通に動けていた。ガイの攻撃は腹部を思いっきり両断したが、化け物は瞬く間に糸でつなぎ合わせた。


「クソ‼︎治療速度が早すぎるこれじゃ切っても意味がない」


「いやガイに鏡‼︎俺が気を失っている間によくやった。今俺がトドメを刺すからお前ら2人はもう休んでいろ」


 ガイは攻撃が終わりアルダスたちのもとへ戻るとアルダスは目を覚ましていた。



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