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紫 ヤタガラス

理人の修行成果〜1週間目〜

アワルディア帝国が研究に失敗していて、研究室強化のためにガイアランにバウラムたちを送り込もうとしていたダーランマ。ガイアランでは切り裂き魔の事件もありとてもばたばたしている状態だった。理人とガイはそんな大事なことが起きていることを知らずにずっと修行し、気づけば一週間経っていた。
 今日は理人の修行の成果をアムライに見せるために、理人はアムライと道場の前で組手の体勢をとっていた。


「いいか鏡。もしこの組手でお前が私に触れることさえできれば次の家庭に進めてやろう。私と毎日組手を行う過程にな。適度の時間も与え、ギルドの仕事をやる時間も与えよう。しかし私に触れることもできずましてや全然成長していなければお前はずっと一緒のメニューをさせるわかったな」


とアムライは理人に説明し、理人はそれを承諾した。


「わかりました。できるかはわかりませんが必ず師匠に触れて次の修行家庭に進んで見せます!」


と理人は言い、しばらくして組手はスタートした。
 組手がスタートしたはいいが両方こうちゃく状態で15分くらい経とうとしていた。動かずにずっとこっちを向いている理人にアムライは喝を入れた。


「なんでお前からせめてこんのだ。そんなんじゃ私に触れるなんて到底できんぞ。早くせめてこんか。このまま動かぬ状態が続くようであれば私は今度こそ本当にお前を見限るぞ鏡‼︎」


と理人に言った。すると理人は


「師匠。本当に私からせめていいんですね?」


と聞いた。それを聞いたアムライは自分が舐められていると思い、激怒しながら


「すごい自信だな鏡。それだけ私のことを煽っておいて触れることすらできなければ貴様はもう鍛えんからな。師匠を馬鹿にしたんだ、それくらいのリスクを追加してもいいだろう?」


アムライは理人が負ければ破門の条件も追加した。それを理人は承諾した為、アムライはかなり頭にきていた。


(こいつ私に鍛えてもらいながらなぜこんなに私を煽るほどの自信があるんだ?まぁいいやつが負ければ自分が弟子じゃなくなるだけだしな。)


 アムライは軽いノリで来いと人差し指をクィクィとした。次の瞬間理人はアムライの方を攻めてきていた。アムライは理人の攻撃を触れたらダメなために交わしまくっていた。


「どうしたどうした‼︎やっぱりお前は口だけなのか鏡‼︎」


とアムライは余裕そうに攻撃を避けながら言った。次の瞬間理人は一度攻撃をやめて謎の構えに入った。奇妙な体制だった為アムライはなんとも言えなかった。


「貴様馬鹿にするのもいい加減にしろよ。私でも本当に怒るぞ」


とアムライはかなり不機嫌になっていた。


「師匠。これで終わりです。これが決まらなければ私は師匠に触れれる気がしません。だからこれで決めます」


と理人は宣言した。アムライは理人の言葉で少し冷静さを取り戻した。


(そうか。こいつずっと俺のことなめてんだなと思ってたがこいつなりに真剣なんだな。なら私もそれに答えるのみ)


 こうして次の一撃で理人の今後が決まるのであった。

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