異世界で目立ちたい!

紫 ヤタガラス

修行開始前夜

チリンとのデートでチリンが少しポジティブになっているのがわかった理人だった。


「ようチリンちゃん。早速顔をだしてくれたのかい」


 新しくできた城下の商店街のおっさんは言った。


「はい。早速来てみました。やっぱりおじさんの売っている野菜は新鮮そうでいいですね」


店のおじさんの出している商品を見てチリンは言った。


「お世辞でも嬉しいね〜。そうだ、野菜少し分けてあげるからそこの人と仲良く分けなさいな」
 

そう言って店のおっさんは裏から商品を取って来てチリンに渡した。もらった野菜の中には、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎが入っていた。


「おじさんありがとう。こんな分けてくれて嬉しいよ。また来るからね」


チリンはおじさんにお礼を言って理人の元へ戻った。理人は店の外で待っていたのである。


「買い物終わったか?」


理人はチリンに聞いた。チリンは


「買い物はしてないけど、野菜分けてもらったよ。理人君にも分けてあげるね」


チリンがおじさんからもらった野菜を分けようとした時


「いやいい。俺自炊できないから飯とかは作れないんだ。」


理人はチリンに言った。


「え?じゃいつもあっちでは簡単に作れる簡易食品?」


チリンは理人に聞いた。理人はそれをこくりと頷く。
 簡易食品とは、買って温めるだけや、そのまま食べると言った調理しないでも食べられる食品である。


「へぇ〜。理人君て料理しないんだ。目立つ為なら何にでもてをだすと思ってた」


チリンは笑いながら言った。


「まぁ料理関係はいいかなと思って全くしてなかったな。ところで今日の用事はもういいのか?」


理人はチリンに聞き、チリンは理人に言う。


「うん。今日の用事はもういいよ。ありがとうね。今度理人君に料理作ってあげるからね」


 理人はそれを聞いて少し照れながら


「気が向いたら食べてやるよ」


 理人はチリンに手を振って別れた。
 その日、理人は宿屋に泊まり、翌日の修行のために体を休めた。






 理人とガイを道場から返した後、アムライはアルダスと修行メニューの打ち合わせの話をしていた。


「アルダスよ。あの鏡理人のメニューどれくらい厳しくすれば一ヶ月で使えるようになる?」


 アムライはアルダスに聞いた。


「最低でも今の2、3倍は強くなってもらわないと困るな。そうしないと多分バウラムの連れてきた刺客に簡単にやられちまうぜ」


アルダスはアムライに言い、アムライは考える。


「そうか。わかった、では明日からやつはハードスケジュールだな。ガイの方はどうだ?」


 アムライはガイについて、アルダスに聞くと


「ガイは体力の向上と戦法ですね。後我流すぎて隙が多いので少し奴の剣術を直します。」


アルダスはアムライに説明し、続けてアルダスは


「私はこのバウラム戦の戦績もしくは実力がとても向上できればガイを騎士団に加入させようと思っています。ガイの戦闘センスは本当に高いので彼の実力は認めています」


アルダスはガイをべた褒めしながらアムライに言った。


「そうか。まぁ今日の試合を見ていればやつは鍛えれば伸びそうな身体能力を持っていそうだったからな。もう一人はまだわからんがな」


 アムライはアルダスに言う。
 この時、理人はまだ初日からかなりハードなメニューを言われるのをまだ知らなかった。

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