RSF

藤丸

第1話 決意

日本国 東京

世界では東西冷戦が起こり、日本もその影響を受けていた。

外に行けば赤旗があり、総決起そうけっきと書かれたヘルメットを被り、顔を隠すように布を口元に巻き、片手に鉄パイプを持った学生達がゾロゾロ歩いている。
家に帰ってもニュースでは学生達によって占拠されている大学の映像、広い公道でデモ隊と機動隊が衝突する映像が流れていた。

正直、この状況にイライラしていた。
やっと戦争も終わり、これから平和になると思っていたのに…。
人間はどうしてこうも争いが好きなのか。
民主主義なのだから、正々堂々と選挙で勝てばいいじゃないか。
なぜ革命なんか起こす必要があるのか。それがカッコイイと思っているのか。
本当にイライラする国だ。
それもこれもみんなアメリカやソ連のせいだ。
僕はどちらも嫌いだ。
右も左もない。
日本に敗戦を齎した右も許せないし、戦後復興に向けて頑張っているこの国で争いを起こそうとする左も。
みんなみんな嫌いだ。
だが、僕にはどうすることもできない。
僕には正義感や勇気を持って警察官になり、左派と戦う度胸も、理想を追い求め、国と戦う度胸も。
そう考えると、ただムカつくだけで、何もしない自分の方が醜く感じる。

そんなことを考えながら街を歩いていると、あるポスターを見つけた。

「自衛官募集…国を守ろう…か」

僕にはなぜかこれが魅力的に見えた。
日本はどうせ強い国にはなれない。
そう思っていたのに、それに惹かれたのだ。
僕の父は軍人だった。
その制服姿はとてもかっこよかった。

「僕も…父さんの様に…」

この時に僕は決意した。


日本国 内閣府

「アメリカからの要請、如何致しますか?」

「んー…しかし、我々には憲法があるし、その憲法を作ったのはアメリカで、そのアメリカから憲法を犯せと言うのか…」

「ですがこれを断れば、我々も東側諸国と繋がっていると思われかねません」

「んー…それもそうだな…」

政治家達も焦っていた。

日本で左派政治運動が盛んになると、アメリカはそれに対し危機感を抱くようになり、日本政府に左派運動を鎮圧するように要請したのだ。
日本が東側諸国なのか、西側諸国なのか、白黒ハッキリさせる必要があった。
このまま放置すれば、日本は社会主義や共産主義を容認したことになり、これを鎮圧すれば、政府が殺人を容認し、憲法違反をしてしまうことになる。
そんな時に、アメリカがこんなことを言ってきた。

「アメリカは、もし運動を鎮圧するなら、その部隊を編成するための資金や装備等を支援する。憲法を改正し、社会主義や共産主義を認めなければいい。と言ってきています。」

「彼らも焦っているのか…」

「そのようですね」

すると、首相は立ち上がり

「わかった。アメリカの支援を受け、デモを鎮圧する」

そして、日本政府は左派運動鎮圧部隊の編成を決定した。

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