巫女物語

夕飯時の癒し

「ただいま」
授業がすべて終わり、帰宅した俺とミコトを迎えたのは味噌汁のいい香りだった。味噌汁の香りは夜に香ってもいいものだ。
「おかえり、お兄ちゃん、ミコトちゃん」
花織が夕飯を作って待っていてくれる、幸せなことだ。以前、部活には入らないのか?と聞いてみたが、転校生だしめんどくさいしと入る意思はなさそうだった。
「もうできる?」
「うん、もうすぐできるよ」
着替える時間はあるか。俺とミコトはそれぞれ自室に向かい着替え、もう一度リビングに向かう。その後は夕飯の準備を手伝う。


 風呂というものは何故こんなにリラックスができるのだろうか。裸の状態でお湯の中にいるのが母親の胃袋の中にいる感覚に似ているのかもしれないな。
「はぁ……」
思わず溜息が漏れる。お風呂に入ると意味もなく溜息を吐いてしまうのは何故だろうか。そんなことを考えながら、学校生活の疲れを癒す。


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