ある夏の怪談!

内野あきたけ

そして、彼らの深淵は地獄の底まで普照する。

悟一、麗之助、藤四郎の三人は部屋で作戦会議を開くのであった。


麗之助の家の中には線香の香りが漂っている。


「少し……影が強くなってきているようだね」
悟一が静かに声を発した。


「奴か?」
麗之助は顔色一つの変えずに、呟く。


「俺の生き霊だからな。俺の霊力が強ければそれだけ奴も強くなる。非常に厄介だ」


「さあ、どうしましょう?蹴りを……つけますか」
藤四郎は業丸を手に取り、立ち上がった。


「ありがたいね、藤四郎。だが、俺から出た雑魚は俺にしか潰せない」


「手伝うことなら、できますよ」


「行こう」
「ああ、行こう」


そうして、三人は悟一の生き霊である四大心霊の最後の一体と決着をつけにいくのである。


決戦の場はできるだけ広い方がよいとのことで、ほとんど人が立ち入らない中央公園の僻地であった。


降霊術により、奴を呼び出す。
藤四郎は何も言わず、座り込み、呪文を唱え始めた。


いままで、聴いたことのない邪悪な呪文だ。
素人がしてよい降霊術ではないだろう。




と、その時。
辺りは妙な緊張感に包まれ、悪臭が漂った。


目の前に…………モノスゴイ何か、がいた。


奴は黒い。人間の原型を留めてはいなかった。




「悟一、お前。冷や汗か?」
みると彼は額から一筋の汗を流している。


「悪い、強いものに出会うと、ワクワクするタチでね。血液が循環して発汗してしまっているようだ」


彼は汗を拭った手をズボンで拭くと
「藤四郎!業丸を!」


と、叫び、藤四郎の腰に指してあった業丸を抜刀、
次の瞬間、奴と刀が入り交じった。


衝撃波が地面を撫でて悟一の立っている場所の土壌が大きく凹んだ。


彼はすぐさま回り込み、業丸を降りおろす。
が、奴はするりと攻撃をかわして、蹴りを入れる。


そのまま、彼は地面に叩きつけられた。


「…まだだ」
転んだ反動を利用して起き上がり、そのまま業丸を降りあげる。


しかし悟一の攻撃は奴の手のひらで止められた。



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