ある夏の怪談!
「禁断の僻地にて!」の怪
新幹線に揺られてしばらくたった。
「ようし、悪霊との決戦に備えて、ウノでもやるか?」
悟一が言うと、みんなは乗り気であった。
「おうよ、やってやろうじゃねぇか」
持ってきたお菓子を食いながら、しばらく勝ったり負けたりを繰り返していると、目的の地方に着いたのである。
「禁断の僻地」までは、またさらに歩いたところにある。
山道、言えるほど木々は鬱蒼と生い茂る。
草や葉の匂いは、自然の中にいる彼らに安らぎを与えた。
ほどほどに、夕日が射す頃となった。
目的の所には近づいているものの、まだ明確な場所までは、特定できない。
交霊術で徐々に足を進めていく。
三人は「妖気」を感じることができたため、確実に近づいていることが分かった。
その時だった。
おそらく、遊び半分で来たであろう数人の若者たちがふざけて禁断の僻地を探しているのである。
「こういう霊をおちょくっていると、必ず痛い目に遭うんだなこれが」
麗之助がボソッと呟いたが、少しばかり距離があったため彼らには聞こえていなかった。
だが、麗之助の見解は見事に的中した。
若者の内、一人が地べたに座り込んで口を押さえているのである。
「んん?これはお目当てのご登場かな?」
と、藤四郎。
そして三人はその遊び半分で来た若者たちの近くに駆け寄る。
「おっ!!これは…………妖気っ!」
悟一が叫ぶ。
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