ある夏の怪談!
心霊の怪奇
空間に見事に響き渡る風情ある玄関のチャイムの音を聞く。
麗之助の家はいつ来ても変なコダワリがある。
八雲悟一がいつも通り彼の部屋に遊びに行くと、そこには先客がいた。
「よう!悟一。今日はすげぇ奴が来ているんだよ」
その「すげぇ奴」はTシャツにジーンズという普通の格好をしていたが、麗之助と同じく妙な存在感があった。
「こんにちは。先輩、杉原藤四郎と申します」
藤四郎も彼らと同じく霊力が強かった。そのため、悟一や麗之助たちと所々で出会っていて全くの初対面ではなかった。
「ああ、こんにちは。今日はどんな用で?」
悟一が聞いた。
「実は面白い話がありましてね。久しぶりに手応えのある悪霊がいるらしいという噂が」
「ほうほう、それでその強い悪霊と戦ってみたいと」
「そうなんですよ」
すると麗之助が悪霊の話を切り出した。
「どこかに四大心霊ってのがいるんだよ。俺たちの霊力でも敵わないくらいのクソ強い奴らが……どこかに」
「俺たちでも敵わないくらい強い。か」
悟一はふっと笑って麗之助にまた話しかける。
「四大って言うからやっぱり4体いるんだろ?」
「ああ、実は俺はそのうちの1体と一戦を交えた事がある」
麗之助の言葉に、藤四郎が前のめりになった。
「強い妖力で何百年も恐れられ、滅ばぬ肉体を持つ最悪の悪霊。生きるために人を殺す『亜死』がその一体だ」
「なるほど。お前の親父か」
「ああ、俺は呪われた血統なのさ」
麗之助はいささか悲しい目をしてそう言った。
「残りの3体はどういう奴なんだ?」
と、悟一が質問する。
「1体はどっかの強いオバケ。名前は忘れましたが女の名前でした。もう1体は、邪心の具現化したものです。そして厄介なモノもいます。先輩に『病棟にて』の怪で致命傷を負わせたアイツです」
藤四郎が答えた。
そして今この瞬間。3人の彼らと4体の心霊の距離はグッと縮まったのである。
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