ある夏の怪談!
『チョコで悪霊を退治!』の怪
夕日が校舎に差し込む、ある夏の放課後のことであった。
八雲悟一は学校に出ると噂の悪霊を探していた。
悪霊退治でいちばん大切なことはその幽霊が本当に悪い霊なのかということを見極める事である。
しかし、今回はその必要が無かった。
なぜならその霊は、女子生徒の髪の毛にガムをくっ付けて楽しむ性癖がある悪霊だったからだ。
そして放課後に麗之助と悟一は、カツラをかぶり、セーラー服を着て、ゴイ子ちゃん(悟一)レイ子ちゃん(麗之助)に女装して悪霊と戦う事となった。
当然、クラスのみんなは二人の女装した姿に大爆笑であった。
もちろん作戦会議も行った。
ガムはチョコレートによって溶けてしまう、ということを利用してみんなチョコレートを買ってきた。
悪霊にチョコレートで応戦しようということだ。
「どうもぉーこんにちはぁー」
悪霊が出ると噂の二階の東階段に立って、ゴイ子(悟一)は声を上げる。
返事がない。
もう一度声を上げる。
「どうもぉーこんにちはぁー」
すると、真っ白い腕がにゅっと出てきて、噛んだガムをゴイ子(悟一)にくっ付けようとしてきた。
レイ子(麗之助)はそれを見逃さなかった。
チョコレートを悪霊に向かって投げつけた。
実際には、ちょこっとのチョコなどではガムは溶けないが、この悪霊に対しては効果は抜群のようだ。
ものすごい悲鳴をあげて、消えていった。
そして今でも麗之助たちの学校には、盛り塩ならぬ盛りチョコがあるのである。
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