暑い夏の日

ノベルバユーザー299032

暑い夏の日

『幻想郷』にも暑い季節がやってきた


『─と言う事で、熱中症には
充分、お気を付けください。』
と、テレビに映っている文がそう言っていた


「気温39℃ねぇ~…
どうりで暑いわけだわ」
と、冷房の効いた部屋で、
ゴロゴロしている霊夢はそう呟いた


「あらあら、だらしないわよ」
と、頭上からそんな声が聞こえた


「あら、紫。
よくこんな辺鄙な所に来るわね、あんたは」
と、霊夢は呆れ口調でそう言った


「まぁまぁ。
…別に博麗神社ここは辺鄙な所じゃ
ないと…私は思うのだけどね~」
と、ちゃぶ台の前に腰掛け、
勝手に冷えたお茶を湯呑みに入れていく紫


「そう…」
霊夢はそう呟きながら、
ゴロッと紫とは反対方向に向いてしまった


─すると


いきなり上に紫が覆いかぶさるように
上に半身だけを乗りだしてきたのだ


「ちょっと紫。暑いんだけど」
と、霊夢はゴロッと紫の方へ向き
少しムスッとした顔でそう言った


「あらあらあら…酷いわね。
こんな巫女服を着ているから、
体が冷えてるじゃないの。」
と、紫はスリスリとしながらそう言った


「ちょっと…!こしょばいって…!」
と、少しクスクスと笑って
霊夢は擽ったそうにそう言った


「うふふ…」
と、紫は少し微笑んだ


「何よ、その笑い方。
ちょっと怖いんだけど」
と、霊夢はそう言った


「あらまぁ~霊夢ったら酷いわ。
私、貴方をこんな子に育てた
覚えはないというのに~」
と、紫はムスッとしながらそう言った


「…?紫が育てたっけ?」
と、霊夢はあっけらかんとそう言った


「あら…酷いわ、霊夢。」
と、紫は今にも泣きそうな顔でそう言った


「ご…ごめんって!」
と、霊夢は焦りながらそう言った


「……」
紫はムスッとしている


「…なら、紫。
どうしたら機嫌を直してくれるの?」
と、霊夢はそう言った


「…!そうねぇ~……
私にキスをしてくれれば…かしらね?」
と、紫はニヤニヤと
微笑みながらそう言った


「は…?」
と、霊夢はポケーっとした声でそう言った


「あら何よぉ~?
出来ないとか言わないでちょうだいよ?
普段からしてるじゃないの」
と、紫はそう言った


「?普段からしてたかしら?」
と、霊夢はそう言った


「まぁ酷い」
と、紫はそう言った


「うーん。その他で!」
と、霊夢は紫にそう言った


「え~。キスは嫌なのぉ~?霊夢ぅ?」
と、紫は拗ねながらそう言った


「なんで拗ねるのよ…。」
霊夢は少し困った顔でそう言った


「何よぉ~。してくれないんですもの…」
と、紫は拗ねながらまたそう言った


「…。(´Д`)ハァ…」
と、霊夢はため息をついて。


──そして、紫に顔を近づけた…。


「?!」
紫は驚いた表情をしている


「全くもう…そんな事で、
拗ねられたら困るでしょ」
と、霊夢は少し照れくさそうにそう言った


「もう…。やっぱり霊夢はズルいわ。」
と、紫はそう言った


「何でよ?(^^;」
と、霊夢は焦り気味にそう言った


「…。ふふっ、やっぱり可愛いわね」
と、紫は霊夢に抱きついた


「ぬわっ?!紫、離れなさいよ」
と、霊夢はバタバタとしている


「嫌よ。だって、
貴方はすぐにどっか行ってしまうもの」
と、紫は悲しげにそう言った


「どっか行くって…。
今日は何処にも行く予定はないわよ?」
と、霊夢ははて?とした顔でそう言った


「もう!どうして分からないのよ~」
と、紫はまたまた拗ねだした


「へっ?え?あっ、ちょっと。
何で拗ねるのよ?私何か変な事言ったの?!」
と、霊夢はアワアワとしてそう言った


「……。言ったわ。」
と、紫はそう言った


「?何か言ったかしら…」
と、霊夢はウームと考え込んでいる


「うふふ、当ててみなさいな」
と、紫は霊夢に擦り寄りながらそう言った


「へ?ちょ、ちょっと紫!
こしょばいってば!」
と、霊夢はクスクス笑いながらそう言った




──やっぱり私はこの子が好きだわ。


と、暑い暑い真夏日の中、
紫はそっと思ったのだった──。  ~完~

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