精霊術士の英雄譚

夢見る少年

第62話 敵から味方へ

俺の名前は沼水宏太。例の勇者召喚で巻き込まれた元勇者候補だった者だ。俺はは常にモブキャラだった。学力は中の下位でスポーツは出来るが人並み程度なのだ。俺は人の前に立ちたいし目立ちたい。だが、卓抜した物は何も無く常に俺はモブキャラで光輝の下っ端だった。しかし今の俺はモブキャラなんかじゃない。転移した時にステータスを皆ゲットした。そして俺は職業は剣士でステータスも特に高くは無かった。俺はこの世界に来てもモブキャラなのかと思っていたが、最強のスキルをゲットしていたのだ。その名は〔約束された勝利〕スキルの効果は、(少しでも勝つ可能性がある場合は必ず勝つ)だ。単純だが、正直職業勇者程の当たりなのではないかと考えている。だって少しでも勝つ可能性があれば必ず勝てるのだぞ?俺はこの世界に来てやっとモブキャラを卒業したのだ。俺は1番目立てる方法は英雄になる事だと思い、冒険者ギルドに来て沢山の魔物を殺した。期待の新人として色んな人から期待されていた。憎いあいつが来るまでは。俺はせっかく目立てるチャンスを手にし努力していたのにあいつに全部持って行かれたのだ。期待の新人の座もSランク冒険者の座も英雄の座も貴族の座もしかもそいつは前の世界では虐められっ子だった。そして、この世界に来ても職業は調教師でステータスは皆の中で最低でスキルすら無かった。そんなやつがSSSランク冒険者になれるわけもないし国の英雄になれるわけが無い。皆騙されているだ。俺がそんなやつを殺して俺が真の英雄になってやる。ステータスで選ばれなかった偽物の英雄なんていらない。俺こそが選ばれた真の英雄なんだ。


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【職業選択の自由】の演説をしてから1週間近く経った。僕は学校からスポイルに帰ると農家に農家の子じゃない子が農家の人に教えて貰っていたり、飲食店でも机を拭いて手伝っている子等がいて僕はとても嬉しかった。僕は上機嫌で帰るとそこには執事見習いとメイド見習いもいた。僕は町民の人が皆僕の事を信じて実行してくれるのでより一層この街を豊かにして素晴らしい街にしようと決心した。家に帰ってからはアミン等と雑談しながら皆でご飯を食べて就寝の準備をした。因みにご飯は僕の方針でできる限り皆で食べるようにしている。最初はメイド達に一緒に食べるのはご主人様に失礼です。等言われたが、説得し最近は食事の時などは皆で楽しく食べれている。就寝の準備をしていると枕元に日本語で、


「明日の昼に王都の最初に魔物を狩った所に来い。来ない場合はこの街の民を無差別に殺す」


と、紙に書いてあった。多分俺を妬んでいる奴が俺に対しての挑戦状だろう。日本人が無差別に人を殺す事は出来ないと思うがもしもの事があるから行った方がいいだろう。多分相手は俺は相手を殺すつもりで来るだろう。絶対に油断してはいけない。
次の日僕は指定された場所に行くと男が1人立っていた。


「こんにちは沼水君。僕を呼んだのは沼水君?」


「あー正解だ。なんで呼ばれたか分かるか?」


「だいたい予想はつくけど」


「そうか。何だ?言ってみろ」


「僕を殺すつもりだよね?」


「あー正解だ。自分が死ぬって分かっててノコノコと来るとは流石は虐められっ子だな」


「僕は殺し合いとか好きじゃない。正直僕は沼水君が本気なら相手になるけど本気なの?」


「当たり前だろうが!俺はお前に全て奪われた!せっかく俺はお前と違い選ばれた存在だ。お前はスキルなんか無いが俺にはある。そして、そのスキルは最強だ!お前とは格が違うんだよ!」


「それは〔約束された勝利〕ってスキルの事かい?(少しでも勝つ可能性がある場合は必ず勝つ)か。確かに凄いねでも、僕に本気で勝てると思ってるの?」


「な、なんでお前が俺のスキルを知っている。誰にも言った事が無いのに」


「僕のエクストラスキル〔魔眼〕で君の情報は全て筒抜けだよ?あっ、因みにエクストラスキルはLv100上がる事に得られるスキルだよ」


「お前がLv100?冗談にも程があるだろ」


「信じないならそれでいいよ。それでどうする?僕を本気で殺すつもりなの?」


「あー、偽物の英雄なんか殺して俺が本物の英雄って事を見せつけてやるよ」


「そうか。なら、本気出すしかないね。ウェスタ、パールよろしく」


僕はウェスタの力を纏った。そして、最近出来るようになったのだが僕は2体の精霊の力を纏う事が出来るようになったのだ。僕はパールの力を纏いウェスタの力を借りることによる耐久などが下がる欠点をパールの力を纏う事でカバー出来るようになったのだ。僕は完全に戦える状態になり、


「この僕を見ても殺す気があるなら来てもいいよ」


と言うと横から物凄いスピードで魔法が飛んできた。僕は、


「エリアル。魔法を止めて」


エリアルが風を起こし、魔法を完全にその場な止めた。


「化け物かよ。どうしたらそこまで強くなれるんだよ」


「職業に恵まれただけだよ」


「お前は調教師じゃないのか?」


「調教師じゃないよ。因みに沢山のスキルも持っているよ」


「殺そうとした俺に言っていいのか?」


「公開してるからね」


「あー、結局俺はモブキャラなのか。どうしたら強くなれるんだよ」


「そうでも無いと思うよ。僕は職業に恵まれたけど剣の能力は全然無かった。だけど今は努力してこの世界1強い自信がある」


「それは剣士である俺に対して侮辱か?」


「侮辱じゃないよ。なら、剣の力のみで戦う?」


「いいぜ。俺は職業剣士でスキルもあるから確実に負けないけどな」


こうして僕は水沼君と剣で勝負することになった。僕はウェスタ達の力を無くし、マサムネに貰った練習用の木刀を構えた。対しての水沼君は両手剣だ。


「流石に木刀は舐めてないか?」


「いいからやろうよ」


僕から攻めた。僕は木刀を縦に振った。水沼君は両手剣を構え受けようとしたが一瞬で反転し横から振った。流石に水沼君も反応しているがそれから僕が常に攻め続けた。水沼君は何度も隙をつこうとしたが僕が完璧に攻撃し続けるので何も出来なかった。それが10分近く続くと流石に水沼君が疲れ明らかに捌けなくなっていた。なので僕は木刀を喉元にあて勝負を決めた。


「1度も攻めにいけずスキルも発動しなかった」


「これが努力とLvの差だよ。水沼君人間はやり直せるんだ。今から努力して英雄を目指そうよ。僕で良かったら協力するから」


「お前を殺そうとしたのにか?」


「さっき言ったでしょ?人間はやり直せるんだよ。それに僕達は本来はただの無力な子供だよ。そんなの失敗するのは当たり前でしょ?いきなり完璧な人なんていないよ」


「宮原すまない。俺は勘違いをしていたんだな。良かったら宮原の元で特訓さしてくれないか?」


「もちろんだよ!宜しくね!水沼君」


「こうたでいいよ」


「分かったこうた。なら、僕もしょうってよんで!」


「おう!」


こうしてショウは最初は殺そうとしていたこうたを味方にすることが出来た。







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