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精霊術士の英雄譚

夢見る少年

第57話 冒険者科

僕とユーリが席に座るとティーチュ先生が授業を始めた。ぼんやり聞いていると今は身だしなみの授業だった。男子ならスーツの着方、ネクタイの付け方等といった基礎知識で女子もドレスの着方や色の選び方等だった。高校生だった僕は知らない事などが沢山あり、意外と面白い授業だった。次の授業は護身術だそうだ。一瞬あれ?っと思ったがこのクラスは将来貴族になる人だし最低限の護身能力は必要と思うと納得出来た。僕は皆が訓練所に行くのを後ろからついて行った。女子達はショウに話かけようとしたがユーリがすぐ隣にくっついていた為話しかけるのを諦めていた。
因みに高等部は、毎日4時間を週に5日となっている。1時間は50分で10分の休憩を挟む形になっている。なので昼には帰れるのだ。何故昼に終わるかというと、初等部、中等部で基礎知識は習い高等部は専門的な知識しか学ばないので単純にそこまで時間がいらないのだ。あと、人によっては昼過ぎから家の手伝いをしたり、冒険者科の人などは実際に冒険者になり、仕事をしたりしているので、昼には終わるのだ。
5分近く歩くと訓練所についた。そこは訓練所というよりかはスタジアムだった。サッカーコート2つは入りそうなグラウンドがあり、それを円状に数万席の椅子が囲っているのだ。新しい施設を見る度にびっくりさせられる。そして、この訓練所には、貴族科では無いほかのクラスがいたのだ。なので僕は、近くにいてちょこちょこ僕を見てくるレイラさんに、


「レイラさん。あの人達って貴族科の人では無いよね?」


「あっ!はい。そうですよ。彼らは冒険者科の人達で今から一緒に訓練しますよ。彼らは既に冒険者になっている人などもいるので彼らに臨時の先生になってもらって護身術を学ぶんですよ」


「ありがと!冒険者科の人と授業受けるんだ!楽しみだな!」


「そう言えばショウ様も冒険者でしたね」


「うん。そうだよそれとクラスメイトだから様って呼ばなくて普通にショウでいいよ!」


「流石にそれは無礼すぎるかと」


「ショウはそういうのを嫌うのでショウと呼んで上げてくださいレイラさん」


「分かりましたユーリさん」


「おーい!貴族科の皆ー!訓練始めるよー!」


「ショウさ、ショウ。呼ばれているので行きましょうか」


「うん。そうだね」


僕達が冒険者科の方に行くと、


「あれって【魔神】じゃね?」


「なわけないだろ。なんで【魔神】が学校に来るんだよ」


「お前聞いて来いよ」


「やだよ!なら、ジャンケンで決めよーぜ!」


「いいぜぇー!」


と、6人位の男子グループが盛り上がっていてジャンケンを始めた。その結果負けた1人がこっちに来て、


「えっと、その、貴方様?は、【魔神】ですか?」


「冒険者の中ではそう呼ばれているかな?」


「本物っすか?」


「うん。そうだよ」


「まじか!握手してください!お前ら本物だったぞ!」


「「「「ウォーーー!」」」」


この後僕は、冒険者科全員に握手する事になり握手会が始まった。そして、何故か途中から貴族科の人達も握手を求められ結果的に1人を除いでユーリ以外全員と握手する事になった。握手会が終わった後僕は、やっと終わったぁ〜と、思っているとそこから質問会に変わりまた沢山人に囲まれて質問攻めを受けた。殆どの人が魔法の質問だったので濁して答えていると、職業を聞かれたので、調教師と、言うと、ずっと後ろにいた控えめな女の子が、


「【魔神】様って調教師なんですか?」


「そうだよ。もしかして貴方も調教師?」


「はい!そうなんです!あっ、私セリーナって言います!おいで!きゅんちゃん!」


「こん!」


「可愛い!これがセリーナさんのテイムした魔物?あっ、それと僕は、ショウだからショウって呼んでね!」


「はい!セラピーフォックスです!ショウさんは何かテイムしている魔物いるんですか?」


「いるよ」


「見してください!」


「ごめんね今寮に留守番してもらっているんだ。だから今度寮においでよ!その時に紹介するよ!」


「お留守番って相当賢い魔物なんですね?もしかしてAランク位ですか?」


「さぁ〜?会ってからのお楽しみ〜」


「え〜酷いですよ」


「まぁー、僕のテイムした魔物は秘密が多いから。それと良かったら僕と友達になってくれる?」


「勿論ですよ!こちらこそよろしくお願いします!」


「うん!」


「セリーナもう大丈夫?ちょっとショウくんが来て皆興奮しちゃったから授業出来なかったからやろうか。あっ、僕は高等部冒険者科1年のリーダーをしています。ロイヤです。よろしくお願いしますショウくんユーリさん」


「よろしくお願いしますロイヤさん」


「よろしくお願いします」


「って言ってもショウくんには何も教えれないどころかこっちが教えてもらう立場になりそうだけどね」


「そうかな?」


「そうだよ!この若さでこの国初のSSSランク冒険者で竜も単独で倒せるんだよ?」


「そ、そうでしたね」


「まぁー、とりあえずやろっか。ショウくんは退屈かもしれないけど」


「「「「「よろしくお願いします」」」」」


こうして護身術の授業が始まった。









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