精霊術士の英雄譚

夢見る少年

第34話 伝説の英雄?

俺は、このスポイルの領主の、アレクだ。今の俺は、生まれて初めて激怒している。その理由は、初めて、自分の思い通りに行かなかった事と、自分の事を馬鹿にしてきたからだ。今までの俺は、怒られたことも無かったし、同い年だろうが年上だろうが自分の名前さえ言えば、全て思い通りになっていたのだ。さらに、俺の期待に応えれて光栄だ。と、いう人までいる。なのに対してあいつは、良い二つ名を持っているから調子に乗って、俺の名前を知らない。と、言って来たのだ。それだけだったら、まだ許してやったが、俺の配下なれる所だったのにそれをあいつは、断ったのだ。そして、俺に対して決闘までも言って来たのだ。俺は、生まれて初めて侮辱されたのだ。これは、死んで償って貰うしかない。


「おい、お前」


「どうしましたか?御主人様」


「暗殺術を教え込んだ亜人を連れてこい」


「分かりました」


(亜人の圧倒的なステータス差でぶっ殺してやるよ)


「御主人様、連れてきました」


「良くやった。おい、来い!亜人」


「はい」


「お前は、今から【魔法王子】と、言われるショウと、言う人を殺して来い。くれぐれも俺の命令ってバレるなよ。そして、俺の命令を逆らったらこの首輪で最悪死ぬ位分かるよな?」


と、亜人に付けている首輪を触りながら言った。これは、奴隷に付ける首輪で、所有者に逆らったりすると、首が締まり、最悪窒息してしまう危険なマジックアイテムだ。


「はい」


「分かったなら、今すぐ行け!」


「はい」


(流石に亜人なら、死ぬだろ。俺に恥をかかせた事を後悔するんだな)


因みに亜人とは、エルフ、ドワーフ、獣人などの事を指し、人が住んでいる所から遠く離れた山などに住んでいるそうだ。(詳しくは良く分かってない)そして、亜人は、それぞれの能力が人よりも秀でている。エルフは、魔力が人の3倍近くあると、言われており、ドワーフは、力が人の3倍近く、獣人は、魔力は、0だが、その他の能力が、獣人の中の種族差があるが、異常に高いと、言われている。なので亜人は、貴族から評価が高く、高値で取引される。そして、アレクが、所有している亜人は、虎の獣人なので、敏捷が異常に高く、暗殺に向いている。


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僕は、今日も狩りの準備をしていた。


「翔ー、今日もダンジョン行かないの?」


「うん」


「何でダンジョン行かないの?」


「ダンジョンに行くと、最初は全く稼げないかもしれないから、3ヶ月は、余裕で暮らせる位溜めてから行きたいんだよね」


「そうなんだ。でもローザも狩りをしてくれているから大丈夫だよ」


「そうなんだ。ありがとでも明後日位までダンジョンには、行かないよ」


「そうなんだ。まぁー、決めるのは、翔だしね」


「うん。ありがと」


「うん!行ってらっしゃい、翔!」


「行ってきます」


僕は、宿屋を出た。そのままスポイルの外に出たが、ずっと跡をつけられているような気がした。しかし、特に何も無かったので放置する事にした。


「よし、ウェスタとエリアル出ていいよ」


「は〜い〜」


「おはよう、ウェスタとエリアル」


「おはよう〜」


「うん。おはよ。はぁー、エリアルも早く喋れるようにならないかな?」


「エリアルね〜もうすこしで〜しんかするよ〜」


「えっ?本当?」


「うん〜」


「ウェスタは、分かるの?」


「かぞくだからわかるよ〜」


「そうなんだ。なら、尚更頑張らないとね」


「うん〜ウェスタがんばる〜」


「あっ!リトルウルフだ!ウェスタ燃やして」


「は〜い〜 もやしたよ〜」


「お疲れ、ウェスタ」


「うん〜」


と、会話をして、リトルウルフの素材を回収しに行くと、


「すみませんが、貴方が、ショウですか?」


と、知らない声がしたので、振り向いて見ると、猫耳を生やした人がいた。えっ?獣人だ。この世界には、亜人もいるんだな。と、思ったが一応、


「どちら様ですか?」


「すみませんが、名乗る事は出来ません。貴方は、ショウさんですか?」


「はい。そうです」


「そうですか。因みにですが、貴方の周りに浮いているのは精霊ですか?」


と、聞いて来たので、えっ?精霊のこと知っているの?なら、偉い人なのかな?と、思ったので、


「えっ?僕の周りに何か浮いていますか?」


(ウェスタ、エリアル。隠れて)


「そうですか。1つ忠告していいですか?」


「はい。どうぞ」


「なら、逃げて下さい」


「何故?」


「私は、貴方を暗殺するように命令されています。そして貴方は、人族なので私たちに勝てない」


「そんな事言ってもいいんですか?」


「駄目ですよ。でも私、弱い者を殺す事はしたくないんです」


「随分と、上から目線ですね?僕の方が弱いんですか?」


「貴方は、知らないんですか?私たちは人族よりも能力が、異常に高いんですよ?」


「なら、ステータスは、どの位なのですか?」


「何故言わないといけない?」


「僕の方が高いかもしれないからだよ」


と、言い、僕は、50m位の距離を全力で走り彼女の所に行った。


「はやっ!私が反応できなった…」


「ほら、僕の方がステータス高いかもしれないよ?」


「1番高い敏捷は、4595」


「僕が1番高いのは魔力で、5965」


「はっ?嘘でしょ?」


「本当だよ?因みに1番低いのが耐久で、5500だよ」


「貴方は、何者?」


「ただの人族です」


「嘘はいらない!」


「本当だよ?ただ魔法が得意な旅人だよ」


「もしかして、貴方は、亜人族伝説の英雄と、言われている精霊術士なの?」


(へぇー亜人の中では、精霊術士は、伝説の英雄って言われているんだ。これは、自分が精霊術士って言わない方がいいな)


「精霊術士って何?」


「職業ですよ」


「僕の職業は、調教師ですよ」


「隠蔽を使っているだけですよね。それに証拠あるんですよ」


「言ってみて?」


「貴方は、禁忌魔法使えますよね?」


「使えるよ」


「それが、1番の証拠ですよ」


「何故?」


「禁忌魔法は、たとえ、エルフが、一生かけて魔法を極めようが打つことが出来ません。禁忌魔法は、中級精霊以上しか打てない魔法なのです。そして人族の人達は勝手に、禁忌魔法と、名付けていますが、私たちは精霊魔法と、読んでいます。精霊魔法は、精霊術士しか打てないのです。これ以上証拠は、必要ですか?」


「そうなんだ。知らなかった。では何故、僕が精霊術士と知っているのに、何故僕の方が弱いって言った?」


「精霊術士の事を認めるんですね」


「特に、隠す必要無いからな、それより俺の質問に答えてくれるか?」


「はい。そう言ったら、殺されなくてすむかなっと思ったので」


「なら、最初から負けると、知っていたのか?」


「ステータスが、私より高いのは予想外でしたが、精霊術士に勝てる分けないので、どのようにしたら戦わずに済むかを考えていました」


「そうか。なら、ここに来なければ良かったはずだが?」


「それは、奴隷の首輪が、あるので無理ですね」


「そうか。なら、それ破壊してもいいか?」


「えっ?出来るのですか?」


「やってみる」


(ウェスタ、あの首輪を女性が、やけどしないように溶かして)


(は〜い)


「えっ?取れた」


「取れたね」


「ありがと。本当にありがと。流石英雄さんだね」


「おう」


僕は、1度付けたら、一生取れなく、絶対に壊れないと、言われている、マジックアイテムを、一瞬で溶かした。



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