転生したら防御チートを手に入れたのでので死亡予定の悪役令嬢を守ってみせる
王国魔術師の実態
――翌朝――
  俺達は訓練用グラウンドに早朝から呼ばれた。
  そこには既に数十人魔術師らしい人達が並んでいた。
「えー、これより魔族が潜入している可能性があるので王国魔術師全員の調査をする」
  魔術師達は驚いたようにザワつく。
「静かに!  そして今回はアイギスのアルバートとフロウに調査してもらう。簡単な調査なのでそこまで怯えるでない。では頼むぞ」
「じぁ、そのままでいてくれ。探索で魔族かどうか判断するだけだから」
  俺達は既に魔力反応で全員魔族という事が分かっている。
  こうやって集まってもらったのには意味がある。
「国王陛下、残念ながら全員魔族です」
「そうか……なんて事だ……」
「待ってください!  我々は魔族等ではございません!  今まで王国のために尽くしてきたではありませんか!」
  そうだそうだ!  と、全員が抗議する。
「それは大儀であった。だが、魔王討伐の最高責任者にいる以上、魔族を野放しにしておく訳にはいくまい?」
「くそっ、こうなったら!  逃げるぞっ!」
  そう言って魔族の一人が翼に魔力を集め、逃げるために飛ぶ。
  しかし、
  ゴン!!
  魔族は何かに阻まれて落ちる。
「何だ……何故飛べない……」
「簡単さ、お前達が逃げないように結界で周りを覆っているだけさ。この状況を見てわかるだろ、諦めろ」
「状況を分かっていないのはお前達だ。こっちは30人近くいるんだぞ?  ここでお前達を倒して逃げるまでだ!  行くぞ!」
  先頭の魔族を筆頭に魔族全員がこちらに魔法を撃ってくる。
「国王陛下はお逃げ下さい!  行くぞ、フロウ!」
「ああ、分かってる!」
  俺は剣を抜き、前へ出て魔法を全て受け止める。
「やったか!?」
  それはフラグだぞ?
  こっちは全く効いてないぜ。
「ふぅ、王国魔術師ってのはこんなもんか?  全く効いてないぜ?」
「化け物め……」
「魔族に言われたくないな」
  俺は身体強化を使い、一気に魔族との距離を詰める。
「付与魔法:ブレイズ、焔剣!」
  俺は次の魔法を放とうとしている魔族を一気に薙ぎ払う。
「大回転斬りぃ!!」
  フロウは敵の中心に立ち、回転することで周りの魔族をどんどん吹き飛ばしている。
「お前達、俺に魔力を集めろ!!」
  すると魔族の一人が他の魔族から魔力を集め始める。
「フロウ、離れてろ。俺が止める」
「魔力解放!!」
  魔族は集めた全魔力を一点に集中させ、放つ。
  視界が真っ白に染まる。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、これで倒せてなければもうダメだ……」
  その魔族の前の地面は大きく抉れており、まだ砂埃が舞っていてよくは見えないが少し先で大きなクレーターが出来ている。
「お、おい。あれ……」
  息を整えていると後ろにいた仲間がクレーターの中心を指さす。
「おいおい、嘘だろ……」
  砂埃が晴れるとそこには無傷の人間がいた。
「ふー危なかった。もう少しで吹き飛ばされるとこだった」
  俺は魔力解放を真正面から受け止めたのだ。
  途中、吹き飛ばされそうになったので土魔法で足を埋めて何とか立っていた。
「よし、終わりだな」
「ま、待ってくれ!  話せばわかる!」
「ダメージ上乗せ、衝撃波」
  俺は衝撃波を前方に放つ。
  最初の魔法と魔力解放のダメージを上乗せした衝撃波は全員を倒す。
「お疲れ、アル。流石だぜ」
「フロウもな。範囲攻撃があるのはいいな。あ、国王陛下終わりましたよ」
「ありがとう。すぐに新しい王国魔術師を探さないとな。お前達ならないか?」
「遠慮しますよ。迷宮攻略しなければいけませんからね」
「そうだな。ではな」
  そう言って陛下は王城に帰って行った。
  俺達は今日の昼、また謁見があるらしいのでそれまで待機だ。
「アル!  フロウ!」
  セリィとナージャが心配してやって来てくれた。
  2人は王城を案内してもらっていたらしい。
「凄い音したけど大丈夫?  魔族と戦ってたんだよね?」
「まぁな。もう倒したから大丈夫だ」
「アル、フロウ、魔族を倒したんだって?」
  するとレインがパーティーの3人を連れてやって来た。
「あ、レイン様!」
「ああ、そうだ。えっと確か後ろの3人は勇者パーティーだよな?」
「レイン様、私も出来れば御一緒したかったのですが迷宮攻略がありますの……」
  セリィはさり気なくレインの腕を掴む。
  すると、後ろから出てきた女の子がその手を無理矢理レインから離す。
「レイン様に近寄らないでくださる?」
「やめなさいよ!  ……って、あなたどこかで?」
「「あー!!」」
  女の子とセリィが同時に叫ぶ。
  そこでやっと気づいた。この女の子はザラクの街で出会ったサンドラだ。
「サンドラか。久しぶりだな」
「まさか、こんな所で会うなんて思ってもなかったですわ」
「私だって会いたくなかったわよ!」
  2人は前と同じ様にまたレインを取り合って喧嘩している。
  レインはあたふたしているがどこか嬉しそうなのに腹が立つ。
「ま、私は勇者パーティーに選ばれたからこれからは一緒に行動するのであなたは地下にでも潜っていなさい!」
「何ですって!?  あなたは聖女だからって才能に頼りきりで全く努力をしてこなかったのでは?  それはあなたの実力じゃないわね!」
「何ですって!?  私だってそれなりの努力はしてきたわよ!」
「私にはかないませんわね!」
  2人はヒートアップしてとうとう杖まで出した。
  はぁ、そろそろ止めないとな。
  全くこんなんしてるから恨みを買うんだぞ?
「はいはいストップ……」
「光槍!」
「獄炎鳥!」
  2人の魔法が間に入った俺に直撃する。
「おいおい大丈夫か!?」
「アル!  ごめんなさい!」
「大変ですわ!  回復魔法をかけないと!」
「いや、その必要はない。アル、嘘ついてないで早く立ち上がったらどうだ?」
  そう言ってレインは俺の手を掴み、立ち上がらせる。
「何で無傷ですの……?」
「慌てすぎて忘れてたわ……」
「全く……俺じゃなかったら死んでたぞ?  そんな魔法を屋内で、しかも人に撃つんじゃない!  分かったか!  返事!」
「「はい……ごめんなしゃい……」」
「すまんな、アル。うちのメンバーが迷惑かけて」
「まぁセリィも色々言ってたしお互い様だな。セリィ、サンドラに謝って」
「ごめん……なさい」
「分かればいいのよ!  これでレイン様は私の、あでっ!」
「こらサンドラ。そうじゃないだろ。セリィに謝って」
「申し訳ありませんわ……」
「それよりあんた、うちのパーティーに入らねぇか!?」
  突然後ろからムキムキのおっさんが出てきた。
  確かこの人は剣王ゲーデルだったな。
「遠慮しておきますよ。迷宮攻略の途中ですからね」
「そうか。残念だな」
  すると、後ろから賢者マーリンが出てきて妖艶な笑みを浮かべてこう言った。
「遠慮なんてしなくていいのよ?  それにあなたが入ったら私があなたの面倒みてあ・げ・る」
「入ります」
「アホかー!!」
  フロウにしばかれました。
「「最低!」」
  セリィとナージャに引かれました。
  精神的ダメージが凄いです。
  止めて、そんな蔑むような目で見ないで!
  新たな扉が……
「すみません。冗談です。やめて、フロウ叩くのやめて」
「あら、残念。いいことしてあげようと思ってたのに……」
「やっぱり俺……」
「「「アホかー!!」」」
  この後めっちゃ怒られた。
  ごめんなさい。
  俺達は訓練用グラウンドに早朝から呼ばれた。
  そこには既に数十人魔術師らしい人達が並んでいた。
「えー、これより魔族が潜入している可能性があるので王国魔術師全員の調査をする」
  魔術師達は驚いたようにザワつく。
「静かに!  そして今回はアイギスのアルバートとフロウに調査してもらう。簡単な調査なのでそこまで怯えるでない。では頼むぞ」
「じぁ、そのままでいてくれ。探索で魔族かどうか判断するだけだから」
  俺達は既に魔力反応で全員魔族という事が分かっている。
  こうやって集まってもらったのには意味がある。
「国王陛下、残念ながら全員魔族です」
「そうか……なんて事だ……」
「待ってください!  我々は魔族等ではございません!  今まで王国のために尽くしてきたではありませんか!」
  そうだそうだ!  と、全員が抗議する。
「それは大儀であった。だが、魔王討伐の最高責任者にいる以上、魔族を野放しにしておく訳にはいくまい?」
「くそっ、こうなったら!  逃げるぞっ!」
  そう言って魔族の一人が翼に魔力を集め、逃げるために飛ぶ。
  しかし、
  ゴン!!
  魔族は何かに阻まれて落ちる。
「何だ……何故飛べない……」
「簡単さ、お前達が逃げないように結界で周りを覆っているだけさ。この状況を見てわかるだろ、諦めろ」
「状況を分かっていないのはお前達だ。こっちは30人近くいるんだぞ?  ここでお前達を倒して逃げるまでだ!  行くぞ!」
  先頭の魔族を筆頭に魔族全員がこちらに魔法を撃ってくる。
「国王陛下はお逃げ下さい!  行くぞ、フロウ!」
「ああ、分かってる!」
  俺は剣を抜き、前へ出て魔法を全て受け止める。
「やったか!?」
  それはフラグだぞ?
  こっちは全く効いてないぜ。
「ふぅ、王国魔術師ってのはこんなもんか?  全く効いてないぜ?」
「化け物め……」
「魔族に言われたくないな」
  俺は身体強化を使い、一気に魔族との距離を詰める。
「付与魔法:ブレイズ、焔剣!」
  俺は次の魔法を放とうとしている魔族を一気に薙ぎ払う。
「大回転斬りぃ!!」
  フロウは敵の中心に立ち、回転することで周りの魔族をどんどん吹き飛ばしている。
「お前達、俺に魔力を集めろ!!」
  すると魔族の一人が他の魔族から魔力を集め始める。
「フロウ、離れてろ。俺が止める」
「魔力解放!!」
  魔族は集めた全魔力を一点に集中させ、放つ。
  視界が真っ白に染まる。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、これで倒せてなければもうダメだ……」
  その魔族の前の地面は大きく抉れており、まだ砂埃が舞っていてよくは見えないが少し先で大きなクレーターが出来ている。
「お、おい。あれ……」
  息を整えていると後ろにいた仲間がクレーターの中心を指さす。
「おいおい、嘘だろ……」
  砂埃が晴れるとそこには無傷の人間がいた。
「ふー危なかった。もう少しで吹き飛ばされるとこだった」
  俺は魔力解放を真正面から受け止めたのだ。
  途中、吹き飛ばされそうになったので土魔法で足を埋めて何とか立っていた。
「よし、終わりだな」
「ま、待ってくれ!  話せばわかる!」
「ダメージ上乗せ、衝撃波」
  俺は衝撃波を前方に放つ。
  最初の魔法と魔力解放のダメージを上乗せした衝撃波は全員を倒す。
「お疲れ、アル。流石だぜ」
「フロウもな。範囲攻撃があるのはいいな。あ、国王陛下終わりましたよ」
「ありがとう。すぐに新しい王国魔術師を探さないとな。お前達ならないか?」
「遠慮しますよ。迷宮攻略しなければいけませんからね」
「そうだな。ではな」
  そう言って陛下は王城に帰って行った。
  俺達は今日の昼、また謁見があるらしいのでそれまで待機だ。
「アル!  フロウ!」
  セリィとナージャが心配してやって来てくれた。
  2人は王城を案内してもらっていたらしい。
「凄い音したけど大丈夫?  魔族と戦ってたんだよね?」
「まぁな。もう倒したから大丈夫だ」
「アル、フロウ、魔族を倒したんだって?」
  するとレインがパーティーの3人を連れてやって来た。
「あ、レイン様!」
「ああ、そうだ。えっと確か後ろの3人は勇者パーティーだよな?」
「レイン様、私も出来れば御一緒したかったのですが迷宮攻略がありますの……」
  セリィはさり気なくレインの腕を掴む。
  すると、後ろから出てきた女の子がその手を無理矢理レインから離す。
「レイン様に近寄らないでくださる?」
「やめなさいよ!  ……って、あなたどこかで?」
「「あー!!」」
  女の子とセリィが同時に叫ぶ。
  そこでやっと気づいた。この女の子はザラクの街で出会ったサンドラだ。
「サンドラか。久しぶりだな」
「まさか、こんな所で会うなんて思ってもなかったですわ」
「私だって会いたくなかったわよ!」
  2人は前と同じ様にまたレインを取り合って喧嘩している。
  レインはあたふたしているがどこか嬉しそうなのに腹が立つ。
「ま、私は勇者パーティーに選ばれたからこれからは一緒に行動するのであなたは地下にでも潜っていなさい!」
「何ですって!?  あなたは聖女だからって才能に頼りきりで全く努力をしてこなかったのでは?  それはあなたの実力じゃないわね!」
「何ですって!?  私だってそれなりの努力はしてきたわよ!」
「私にはかないませんわね!」
  2人はヒートアップしてとうとう杖まで出した。
  はぁ、そろそろ止めないとな。
  全くこんなんしてるから恨みを買うんだぞ?
「はいはいストップ……」
「光槍!」
「獄炎鳥!」
  2人の魔法が間に入った俺に直撃する。
「おいおい大丈夫か!?」
「アル!  ごめんなさい!」
「大変ですわ!  回復魔法をかけないと!」
「いや、その必要はない。アル、嘘ついてないで早く立ち上がったらどうだ?」
  そう言ってレインは俺の手を掴み、立ち上がらせる。
「何で無傷ですの……?」
「慌てすぎて忘れてたわ……」
「全く……俺じゃなかったら死んでたぞ?  そんな魔法を屋内で、しかも人に撃つんじゃない!  分かったか!  返事!」
「「はい……ごめんなしゃい……」」
「すまんな、アル。うちのメンバーが迷惑かけて」
「まぁセリィも色々言ってたしお互い様だな。セリィ、サンドラに謝って」
「ごめん……なさい」
「分かればいいのよ!  これでレイン様は私の、あでっ!」
「こらサンドラ。そうじゃないだろ。セリィに謝って」
「申し訳ありませんわ……」
「それよりあんた、うちのパーティーに入らねぇか!?」
  突然後ろからムキムキのおっさんが出てきた。
  確かこの人は剣王ゲーデルだったな。
「遠慮しておきますよ。迷宮攻略の途中ですからね」
「そうか。残念だな」
  すると、後ろから賢者マーリンが出てきて妖艶な笑みを浮かべてこう言った。
「遠慮なんてしなくていいのよ?  それにあなたが入ったら私があなたの面倒みてあ・げ・る」
「入ります」
「アホかー!!」
  フロウにしばかれました。
「「最低!」」
  セリィとナージャに引かれました。
  精神的ダメージが凄いです。
  止めて、そんな蔑むような目で見ないで!
  新たな扉が……
「すみません。冗談です。やめて、フロウ叩くのやめて」
「あら、残念。いいことしてあげようと思ってたのに……」
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