転生したら防御チートを手に入れたのでので死亡予定の悪役令嬢を守ってみせる
国王の後悔
「さぁ、目的を教えてもらおうか?」
「何故だ……何故人間なんぞに!  お前、何者だ!」
「だから言ってるだろ。俺はただの冒険者さ。さぁ、目的を言えよ」
  俺は更に追い込むように声を低くしてそう言う。
「ぐぐぐ……人間ごときに魔族が負けるかああ!!」
  魔族は魔力を翼に集める。
  俺はとりあえずアイギスの盾を発動する。
  すると魔族は目にも留まらぬ速度で飛び上がった。
「逃げんのかよ!?」
  魔族は一瞬で見えなくなった。
  魔力反応から考えると山脈の方に逃げていったので魔大陸に戻るのであろう。
「フロウはどうかな?」
  俺はフロウの所へ向かった。
「おいフロウ、大丈夫か!?」
  フロウは魔族を足で押さえつけていて魔族も意識が無いように見える。
「どこを見たら大丈夫じゃないんだ?  バッチリさ。アルは?」
「悪い、逃げられちまった」
「はぁ?  おいおい、それ大丈夫か?」
「魔力反応から推測するに魔大陸に帰ったと思うから多分大丈夫だ。それより、まず誰か呼んで対処してもらわないとな」
「そうだな」
  それから俺達は騎士団の人を呼び、魔族をその人達に任せた。
  そして汗をかいたので使用人さんに頼んで軽く風呂に入って着替えた。
「はぁ……宴が……」
  俺達が風呂に入ったりしている間にお開きになり、勇者パーティーを除く全員が既に王城を後にしていた。
「次の機会に期待するしかないな」
「だったら迷宮をちゃっちゃと攻略して宴しようぜ!」
「そんな簡単に攻略できたら苦労しねぇよ」
  コンコン
  フロウと話していると誰かがやって来た。
「どちら様ですか?」
  俺はドアを開ける。 
「よっ」
「えぇ!?」
  俺達の部屋に尋ねてきたのはなんと国王陛下だったのだ。
  彼はさっきの豪華な服ではなく、ゆるりとした寝巻き姿で立っている。
「ちょっと話があるからいいか?」
「も、もちろんです!  どうぞ中へ!」
  やっべぇ、凄い緊張する……
「謁見ではないからそんなに固くならんで良い。なんたってお主らはガルムの弟子だからな!」
「それでお話とは何なんでしょうか?」
「ああ、お主らが城に潜んでいた魔族を倒してくれたと聞いてな。感謝する」
「いえいえそんな」
「アルは一人逃がしたけどな」
「おい言うなよ!  これには事情があって……」
「逃がした?  そいつはどこに逃げた」
「魔力反応から推測するに魔大陸と思います。かなりダメージを与えたので被害は出ないと思われます」
「まぁそれならよい。無傷でないなら大丈夫だろう。
それで本題だが俺はこの国に潜入している魔族はまだいると思う。それどころかこのヒューマニア大陸にかなりの魔族がいると思う」
「えぇ、ほんの少しだけですがそれらしい反応はまだ王城内にいくらかあります」
「だろうな。全く、うちの魔術師はどうなっているんだ……」
「陛下、もしかしたらなのですが王国魔術師ほぼ全てが魔族なのではありませんか?」
「何だと?」
「王国魔術師に選ばれるほど魔法に長けている者が魔族の魔力反応に気づけない訳がございません。魔族の魔力反応は普通の人間とは全く異なりますから」
「確かに……よし、明日の朝に王国魔術師全員の審査をしよう。お前達、手伝ってくれるか?」
「もちろんです。王国の危機かも知れませんしね。いいよな、フロウ?」
「ああ、もちろんだぜ」
「ありがとう。ところでお前たち、ガルムがどうしていたかを教えてくれないか?」
「師匠はメルン村の近くの森の奥に住んでおられました。とても優しくて、とても面白い冒険のお話を聞かせていただきました」
「メルン村か。突然何の連絡も無しに姿を消したと思ったらそんなところに……」
「確か陛下は師匠と冒険していたのですよね?」
「ああ、随分と前の話だけどな。俺とあいつは歳が近くてな。当時お互い無名だったときにたまたま知り合ってそっからパーティーを組んだんだ」
「歳が近いんですか!?」
  師匠は年相応な見た目をしていたが陛下は若々しすぎる。
  4、50代だと思ってた……
「年齢に対して見た目が若く見えるのは俺の職業の効果なんだ」
「確か王、でしたよね?」
「ああ、何の為かはよく分からないが50くらいから見た目が老けなくなるんだ。ヨボヨボの老人だと威厳が無いからかもしれないな」
「はは、そうかも知れませんね」
「で、続きなんだが俺達はもう一人白魔術師をパーティーに加えて3人で冒険していたんだ。冒険は順調で俺達は全員Aランク手前まで上がったんだ。ガルムはもうSランクになってた。ただ……」
  楽しそうに話していた陛下の表情が急に暗くなる。
「ただ?」
「俺達のパーティーは順調なまま、解散した……」
「それは何故かお聞きしても?」
「ああ。原因は俺にあるんだ。俺がパーティーの白魔術師と恋仲になっちまって、それから結婚することになってすぐに王国に帰って王位を継いだんだ」
「お妃様は貴族では無かったのですか!?」
「ああ、普通の農家の娘だった。それで、パーティーが解散した後ガルムはパーティーを組まずに一人で危険な依頼をクリアしていた」
「流石師匠ですね」
「だがある日、あいつは魔物の群れに出くわして重傷を負った……」 
「あの師匠が……」
「いくら強いとは言えど数には敵わない。それからすぐあいつは冒険者を辞めた。俺があいつを一人にしたからあんな怪我させちまったんだ!  
……だから、俺はガルムに謝りたい。あいつの所まで案内してくれ」
「全く、自分を責めすぎるのは昔から変わっとらんな」
「ガルム!?  いつから聞いてた?」
  陛下の話を聞いていたら何と突然師匠が部屋に現れたのだ。
  声を出そうとしたら止められた。
「ちょっと話があるからいいか?  くらいからかの」
「最初の最初じゃねぇか!」
「アラン、わしは別に怒ってなんかいない。確かに一人はしんどい時もあったが案外自由で楽しかったぞ」
  師匠は、ははっとおどけて笑う。
「俺が……結婚なんかしたせいで……」
「めでたいことじゃないか。アラン、自分を責めすぎるな。わしはお前と冒険していた頃は凄く楽しかったぞ。誰も恨んでなんかおらん。お前は大事な人のために決断をした勇気ある者だ」
「ガルム……ありがとう……」
「それと頼みだがわしを騎士団の教官として雇ってくれ。どうも暇でな」
  師匠が騎士団の教官かということはあの地獄の特訓か……
  可哀想に騎士団よ。
「もちろん大歓迎だ!  お前が指導してくれるとなるとうちの騎士団は世界最強も夢ではないな!」
「ありがとう。よろしくな!」
「ああ!」
  師匠と陛下は握手したあと強く互いを抱き締める。
  男の友情って感じでなんかいいな。
「よし、じぁ明日の朝に王国魔術師全員検査するから謁見の間に来てくれ」
「かしこまりました」
「話を聞いてくれてありがとうな。おいガルム、俺の部屋くるか?」
「そうだな。酒でも飲もうか」
「よし!  とっておきのを持ってきてやる!」
  そんな風に楽しそうに話しながら2人は部屋から出ていった。
  結局師匠はどこから湧いてでたんだろう。
  宴の時にはいなかったよなぁ。
「アル、明日も早そうだから寝ようぜ」
「ああ、そうだな。明日も大変だろうな」
「迷宮に比べたら布団とベッドがあるだけマシだろ」
「だな。おやすみ」
「おやすみー」
  そんなこんなでやっと一日が終わった。
「何故だ……何故人間なんぞに!  お前、何者だ!」
「だから言ってるだろ。俺はただの冒険者さ。さぁ、目的を言えよ」
  俺は更に追い込むように声を低くしてそう言う。
「ぐぐぐ……人間ごときに魔族が負けるかああ!!」
  魔族は魔力を翼に集める。
  俺はとりあえずアイギスの盾を発動する。
  すると魔族は目にも留まらぬ速度で飛び上がった。
「逃げんのかよ!?」
  魔族は一瞬で見えなくなった。
  魔力反応から考えると山脈の方に逃げていったので魔大陸に戻るのであろう。
「フロウはどうかな?」
  俺はフロウの所へ向かった。
「おいフロウ、大丈夫か!?」
  フロウは魔族を足で押さえつけていて魔族も意識が無いように見える。
「どこを見たら大丈夫じゃないんだ?  バッチリさ。アルは?」
「悪い、逃げられちまった」
「はぁ?  おいおい、それ大丈夫か?」
「魔力反応から推測するに魔大陸に帰ったと思うから多分大丈夫だ。それより、まず誰か呼んで対処してもらわないとな」
「そうだな」
  それから俺達は騎士団の人を呼び、魔族をその人達に任せた。
  そして汗をかいたので使用人さんに頼んで軽く風呂に入って着替えた。
「はぁ……宴が……」
  俺達が風呂に入ったりしている間にお開きになり、勇者パーティーを除く全員が既に王城を後にしていた。
「次の機会に期待するしかないな」
「だったら迷宮をちゃっちゃと攻略して宴しようぜ!」
「そんな簡単に攻略できたら苦労しねぇよ」
  コンコン
  フロウと話していると誰かがやって来た。
「どちら様ですか?」
  俺はドアを開ける。 
「よっ」
「えぇ!?」
  俺達の部屋に尋ねてきたのはなんと国王陛下だったのだ。
  彼はさっきの豪華な服ではなく、ゆるりとした寝巻き姿で立っている。
「ちょっと話があるからいいか?」
「も、もちろんです!  どうぞ中へ!」
  やっべぇ、凄い緊張する……
「謁見ではないからそんなに固くならんで良い。なんたってお主らはガルムの弟子だからな!」
「それでお話とは何なんでしょうか?」
「ああ、お主らが城に潜んでいた魔族を倒してくれたと聞いてな。感謝する」
「いえいえそんな」
「アルは一人逃がしたけどな」
「おい言うなよ!  これには事情があって……」
「逃がした?  そいつはどこに逃げた」
「魔力反応から推測するに魔大陸と思います。かなりダメージを与えたので被害は出ないと思われます」
「まぁそれならよい。無傷でないなら大丈夫だろう。
それで本題だが俺はこの国に潜入している魔族はまだいると思う。それどころかこのヒューマニア大陸にかなりの魔族がいると思う」
「えぇ、ほんの少しだけですがそれらしい反応はまだ王城内にいくらかあります」
「だろうな。全く、うちの魔術師はどうなっているんだ……」
「陛下、もしかしたらなのですが王国魔術師ほぼ全てが魔族なのではありませんか?」
「何だと?」
「王国魔術師に選ばれるほど魔法に長けている者が魔族の魔力反応に気づけない訳がございません。魔族の魔力反応は普通の人間とは全く異なりますから」
「確かに……よし、明日の朝に王国魔術師全員の審査をしよう。お前達、手伝ってくれるか?」
「もちろんです。王国の危機かも知れませんしね。いいよな、フロウ?」
「ああ、もちろんだぜ」
「ありがとう。ところでお前たち、ガルムがどうしていたかを教えてくれないか?」
「師匠はメルン村の近くの森の奥に住んでおられました。とても優しくて、とても面白い冒険のお話を聞かせていただきました」
「メルン村か。突然何の連絡も無しに姿を消したと思ったらそんなところに……」
「確か陛下は師匠と冒険していたのですよね?」
「ああ、随分と前の話だけどな。俺とあいつは歳が近くてな。当時お互い無名だったときにたまたま知り合ってそっからパーティーを組んだんだ」
「歳が近いんですか!?」
  師匠は年相応な見た目をしていたが陛下は若々しすぎる。
  4、50代だと思ってた……
「年齢に対して見た目が若く見えるのは俺の職業の効果なんだ」
「確か王、でしたよね?」
「ああ、何の為かはよく分からないが50くらいから見た目が老けなくなるんだ。ヨボヨボの老人だと威厳が無いからかもしれないな」
「はは、そうかも知れませんね」
「で、続きなんだが俺達はもう一人白魔術師をパーティーに加えて3人で冒険していたんだ。冒険は順調で俺達は全員Aランク手前まで上がったんだ。ガルムはもうSランクになってた。ただ……」
  楽しそうに話していた陛下の表情が急に暗くなる。
「ただ?」
「俺達のパーティーは順調なまま、解散した……」
「それは何故かお聞きしても?」
「ああ。原因は俺にあるんだ。俺がパーティーの白魔術師と恋仲になっちまって、それから結婚することになってすぐに王国に帰って王位を継いだんだ」
「お妃様は貴族では無かったのですか!?」
「ああ、普通の農家の娘だった。それで、パーティーが解散した後ガルムはパーティーを組まずに一人で危険な依頼をクリアしていた」
「流石師匠ですね」
「だがある日、あいつは魔物の群れに出くわして重傷を負った……」 
「あの師匠が……」
「いくら強いとは言えど数には敵わない。それからすぐあいつは冒険者を辞めた。俺があいつを一人にしたからあんな怪我させちまったんだ!  
……だから、俺はガルムに謝りたい。あいつの所まで案内してくれ」
「全く、自分を責めすぎるのは昔から変わっとらんな」
「ガルム!?  いつから聞いてた?」
  陛下の話を聞いていたら何と突然師匠が部屋に現れたのだ。
  声を出そうとしたら止められた。
「ちょっと話があるからいいか?  くらいからかの」
「最初の最初じゃねぇか!」
「アラン、わしは別に怒ってなんかいない。確かに一人はしんどい時もあったが案外自由で楽しかったぞ」
  師匠は、ははっとおどけて笑う。
「俺が……結婚なんかしたせいで……」
「めでたいことじゃないか。アラン、自分を責めすぎるな。わしはお前と冒険していた頃は凄く楽しかったぞ。誰も恨んでなんかおらん。お前は大事な人のために決断をした勇気ある者だ」
「ガルム……ありがとう……」
「それと頼みだがわしを騎士団の教官として雇ってくれ。どうも暇でな」
  師匠が騎士団の教官かということはあの地獄の特訓か……
  可哀想に騎士団よ。
「もちろん大歓迎だ!  お前が指導してくれるとなるとうちの騎士団は世界最強も夢ではないな!」
「ありがとう。よろしくな!」
「ああ!」
  師匠と陛下は握手したあと強く互いを抱き締める。
  男の友情って感じでなんかいいな。
「よし、じぁ明日の朝に王国魔術師全員検査するから謁見の間に来てくれ」
「かしこまりました」
「話を聞いてくれてありがとうな。おいガルム、俺の部屋くるか?」
「そうだな。酒でも飲もうか」
「よし!  とっておきのを持ってきてやる!」
  そんな風に楽しそうに話しながら2人は部屋から出ていった。
  結局師匠はどこから湧いてでたんだろう。
  宴の時にはいなかったよなぁ。
「アル、明日も早そうだから寝ようぜ」
「ああ、そうだな。明日も大変だろうな」
「迷宮に比べたら布団とベッドがあるだけマシだろ」
「だな。おやすみ」
「おやすみー」
  そんなこんなでやっと一日が終わった。
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