転生したら防御チートを手に入れたのでので死亡予定の悪役令嬢を守ってみせる
[外伝]南方 颯の物語
「急ぎなさいよ!  時間無いんだから!」
「これっ、でも、急いでるっ!!」
  ハァハァと息を切らしながら俺は走る。
  俺は南方颯。今日は母の買い物のついでに銀行に着いてきた。
「あー、47番かぁ」
  俺は足が遅い。そのせいで散々損をしてきた。
  小学校の頃、好きだった女の子に告白したら「私、足が速い人が好きなの……」と断られたり、体育祭のリレーでアンカーを走るやつがモテたり。
  俺は自分の顔はイケメンではないがブサイクでも無いと思っている。
  あーあ、足が速かったりしたらもっとモテたりしたのかな……
  そんなことを考えていた。
「はい、44番の方ー」
「動くな、大人しくしろ」
  一人の男が銀行員に銃を突きつけた。
  強盗!?  どうしよう、逃げないと!  でも動いたら殺されちゃう……
「お願いします!  お願いします!」
  オドオドしていると一人の銀行員が強盗に命乞いをしている。
「うわっ」
  男はバランスを崩し、転けた。
「今だっ!」
  凄い、あの人狙ってたんだ!
  その隙に他の銀行員達がその隙に男を捕らえようとした。
  しかし、男はすぐに立ち上がり銃を構える。
「てめぇ、狙ってやがったな……」
  男は興奮している。
「そんなことありません!」
  銀行員は必死に弁明する。
「うるせぇ! 死ね!」
バン! バン! バン!
  男は銀行員に銃を撃った。
  銀行員は3発の銃弾を受け、血を流し動かなくなった。
「うわああああああああああああああ!!」
  俺はそれを見て叫んでしまう。目の前で人が死んだのだ。無理もない。
「うるせぇ!  静かにしろ!」
  バン!  バン!
「うっ……!」
「颯!  しっかりして!  颯!」
  俺は撃たれた。意識が朦朧とする。母が必死に俺を呼ぶ。ごめん、親孝行出来なくて――――
  目を開けるとそこは何も無い真っ白の空間だった。
「ここは……どこだ……?」
「目が覚めましたか」
「!?  誰?」
「私は神です。ここはまぁ神界といったところですね」
「死んだ?  やっぱりか……で、神が俺に何の用ですか?」
「あなたが死んだのはこちらの手違いでしてお詫びとしてあなたを転生させようと思うのです」
「手違い?  どういった手違い何ですか?」
「あの強盗に2人殺される運命だったのですが、向かわせる銀行を間違えて……」
「なるほどねぇ……」
「やけに落ち着いていますね?」
「まぁね。もしかしてあの銀行員さんも転生してたりする?  手違いで死んだのはあの人と俺でしょ?」
「はい、彼は誰かを守る人生を送りたいと言って騎士の家に転生されましたよ」
「そっか。なら俺はとことん足が速くなりたいな」
「わかりました。それでは第2の人生楽しんでください」
「ああ!」
  目の前に大きな扉が現れて視界が真っ白になった。
「おぎゃー!  おぎゃー!」
  お、生まれたな。泣きながら微笑んでるのはお父さんとお母さんだな。
「あなた!  男の子よ!」
「ああ、よく頑張ったな!  マリィ!」
  そう言って2人はハグをする。
  おいおい他所でやってくれよ。俺を放ったらかしにするんじゃない。
「男の子だから名前はエインね!」
「お前は今日からエイン・ギルバードでちゅよー!」
  エイン・ギルバード……カッコイイじゃねぇか!  気に入ったぜ!
「あうあう!(よろしく)」
「よろしくですって!」
「ああ、可愛いなぁ」
  何で分かるんだよ。
  それから7年、神の啓示の年だ。
  そんな儀式がこの世界にはあるらしい。
  それと家は王国に仕えるスパイの家庭らしい。
「じぁ行ってらっしゃい!」
「どんな職業でも誇りを持つんだぞ!」
「うん!  行ってきます!」
  俺は儀式の会場へと向かった。
  そういや一緒に転生した銀行員は騎士の家に行ったと聞いたがまた探してみるか。
「これより、儀式を始める!」
牧師らしき人が前に出て説明を始める。
「やり方は簡単。目の前に置かれてある用紙に自分の血を一滴垂らしてくれ」
「終わったら見せてもらう」
俺は針で指を刺し、血を垂らす。
すると用紙が光を放ち、文字が浮かび上がってくる。
―――――――――――――――――――――――――
職業:暗殺者
称号スキル:【韋駄天】
―――――――――――――――――――――――――
「ん?  称号スキル?」
「あの、この称号スキルって何ですか?  それと暗殺者って職業あんまり良いイメージ無いんですけど……」
「こんな称号スキルは初めてだな……まぁ良かったな。
それと暗殺者って名前だけどまぁそこそこいるから気にするんじゃない。盗賊とかと一緒さ」
「わかりました。ありがとうございます」
  俺は用紙を持って家に帰った。
「え……」
  家に帰って驚愕した。なんと家が燃えていたのだ。
「お父さん!  お母さん!」
  俺はドアを開け、中を覗く。
「君!  危ないから離れなさい!」
  近くにいた兵士らしき人に離れたところに連れていかれる。
「お父さん……お母さん……」
「君はあの家の子供か?」
「残念だが君の両親は王国への反逆罪で連行されることになってな。それで抵抗したため殺すことになってしまった」
「お父さんとお母さんを殺したのか!!」
  胸の奥から怒りが込み上げてくる。
  なぜお父さんとお母さんが殺されなければならない!
  あんなに優しいのに!
  王国め……許さない!!
「え、なんだお前!  うわっ!」
「邪魔ですよ。ハッ!!」
  突然空から翼の生えた人が現れて次々と兵士を倒していく。
「あなたは……?」
「私は魔王軍の幹部です。両親を殺された様ですね」
「うぅ……」
「君には凄い力が秘められている……どうです?  私と一緒に来ませんか?」
「あなたと?  ってことは魔王の配下になれと?」
「王国が嫌いなんでしょ?」
「わかりました。お世話になります!」
「元気がいいね。さ、行こうか。私に捕まって」
「転移!!」
  そいつの魔法で俺は魔王城に転移した。
  そこは少し暗かったが綺麗な部屋だった。もっと禍々しい感じがすると思ってたが案外居心地は良い。
「魔王様、ただいま戻りました」
「そうか?  それで何故人間の子供がいる?」
「この子はたまたま見かけまして。両親を王国に殺されたみたいです」
「なるほど。おい、お前。俺への忠誠を誓えるか?  無理なら送り返すが」
「誓います!  いつか両親を殺した王国に復讐をするんだ!」
「復讐……か」
「ああ!  必ずあいつらを殺してやる!」
「馬鹿野郎!」
  バシン!
  俺は一瞬で目の前に来た魔王にビンタされた。
「え……?」
「復讐なんて事を目標に生きようとするんじゃない」
「だって!」
「そういう殺すだとか復讐だとかを目標に生きると必ず道を踏み外す。だからそんな考えは止めろ。千年生きてる先輩からのアドバイスだ」
「……はい」
「さぁ、そうと決まったら歓迎会だ!」
  そう言って魔王は、いや魔王様は歓迎会の準備をしに行った。
  魔王ってもっと「この世界を我が物に!」とか言ってる悪い奴ってイメージあったんだけどなんか……違ったな。
「魔王様は良いお方だろう?」
「うん」
「彼は千年間、侵略してくる人間から同族を守ってこられたのだ」
「そう、だったのか……」
「あ、自己紹介がまだだったな。私はゲイル。お前は?」
「エイン・ギルバード」
「じぁエイン、よろしくな」
「よろしく、お願いします」
「おーい、歓迎会するぞ!」
「行くぞ、エイン」
「はい!」
  こうして俺は魔王様に仕える事になった。
  これから魔王軍として頑張るか!
「これっ、でも、急いでるっ!!」
  ハァハァと息を切らしながら俺は走る。
  俺は南方颯。今日は母の買い物のついでに銀行に着いてきた。
「あー、47番かぁ」
  俺は足が遅い。そのせいで散々損をしてきた。
  小学校の頃、好きだった女の子に告白したら「私、足が速い人が好きなの……」と断られたり、体育祭のリレーでアンカーを走るやつがモテたり。
  俺は自分の顔はイケメンではないがブサイクでも無いと思っている。
  あーあ、足が速かったりしたらもっとモテたりしたのかな……
  そんなことを考えていた。
「はい、44番の方ー」
「動くな、大人しくしろ」
  一人の男が銀行員に銃を突きつけた。
  強盗!?  どうしよう、逃げないと!  でも動いたら殺されちゃう……
「お願いします!  お願いします!」
  オドオドしていると一人の銀行員が強盗に命乞いをしている。
「うわっ」
  男はバランスを崩し、転けた。
「今だっ!」
  凄い、あの人狙ってたんだ!
  その隙に他の銀行員達がその隙に男を捕らえようとした。
  しかし、男はすぐに立ち上がり銃を構える。
「てめぇ、狙ってやがったな……」
  男は興奮している。
「そんなことありません!」
  銀行員は必死に弁明する。
「うるせぇ! 死ね!」
バン! バン! バン!
  男は銀行員に銃を撃った。
  銀行員は3発の銃弾を受け、血を流し動かなくなった。
「うわああああああああああああああ!!」
  俺はそれを見て叫んでしまう。目の前で人が死んだのだ。無理もない。
「うるせぇ!  静かにしろ!」
  バン!  バン!
「うっ……!」
「颯!  しっかりして!  颯!」
  俺は撃たれた。意識が朦朧とする。母が必死に俺を呼ぶ。ごめん、親孝行出来なくて――――
  目を開けるとそこは何も無い真っ白の空間だった。
「ここは……どこだ……?」
「目が覚めましたか」
「!?  誰?」
「私は神です。ここはまぁ神界といったところですね」
「死んだ?  やっぱりか……で、神が俺に何の用ですか?」
「あなたが死んだのはこちらの手違いでしてお詫びとしてあなたを転生させようと思うのです」
「手違い?  どういった手違い何ですか?」
「あの強盗に2人殺される運命だったのですが、向かわせる銀行を間違えて……」
「なるほどねぇ……」
「やけに落ち着いていますね?」
「まぁね。もしかしてあの銀行員さんも転生してたりする?  手違いで死んだのはあの人と俺でしょ?」
「はい、彼は誰かを守る人生を送りたいと言って騎士の家に転生されましたよ」
「そっか。なら俺はとことん足が速くなりたいな」
「わかりました。それでは第2の人生楽しんでください」
「ああ!」
  目の前に大きな扉が現れて視界が真っ白になった。
「おぎゃー!  おぎゃー!」
  お、生まれたな。泣きながら微笑んでるのはお父さんとお母さんだな。
「あなた!  男の子よ!」
「ああ、よく頑張ったな!  マリィ!」
  そう言って2人はハグをする。
  おいおい他所でやってくれよ。俺を放ったらかしにするんじゃない。
「男の子だから名前はエインね!」
「お前は今日からエイン・ギルバードでちゅよー!」
  エイン・ギルバード……カッコイイじゃねぇか!  気に入ったぜ!
「あうあう!(よろしく)」
「よろしくですって!」
「ああ、可愛いなぁ」
  何で分かるんだよ。
  それから7年、神の啓示の年だ。
  そんな儀式がこの世界にはあるらしい。
  それと家は王国に仕えるスパイの家庭らしい。
「じぁ行ってらっしゃい!」
「どんな職業でも誇りを持つんだぞ!」
「うん!  行ってきます!」
  俺は儀式の会場へと向かった。
  そういや一緒に転生した銀行員は騎士の家に行ったと聞いたがまた探してみるか。
「これより、儀式を始める!」
牧師らしき人が前に出て説明を始める。
「やり方は簡単。目の前に置かれてある用紙に自分の血を一滴垂らしてくれ」
「終わったら見せてもらう」
俺は針で指を刺し、血を垂らす。
すると用紙が光を放ち、文字が浮かび上がってくる。
―――――――――――――――――――――――――
職業:暗殺者
称号スキル:【韋駄天】
―――――――――――――――――――――――――
「ん?  称号スキル?」
「あの、この称号スキルって何ですか?  それと暗殺者って職業あんまり良いイメージ無いんですけど……」
「こんな称号スキルは初めてだな……まぁ良かったな。
それと暗殺者って名前だけどまぁそこそこいるから気にするんじゃない。盗賊とかと一緒さ」
「わかりました。ありがとうございます」
  俺は用紙を持って家に帰った。
「え……」
  家に帰って驚愕した。なんと家が燃えていたのだ。
「お父さん!  お母さん!」
  俺はドアを開け、中を覗く。
「君!  危ないから離れなさい!」
  近くにいた兵士らしき人に離れたところに連れていかれる。
「お父さん……お母さん……」
「君はあの家の子供か?」
「残念だが君の両親は王国への反逆罪で連行されることになってな。それで抵抗したため殺すことになってしまった」
「お父さんとお母さんを殺したのか!!」
  胸の奥から怒りが込み上げてくる。
  なぜお父さんとお母さんが殺されなければならない!
  あんなに優しいのに!
  王国め……許さない!!
「え、なんだお前!  うわっ!」
「邪魔ですよ。ハッ!!」
  突然空から翼の生えた人が現れて次々と兵士を倒していく。
「あなたは……?」
「私は魔王軍の幹部です。両親を殺された様ですね」
「うぅ……」
「君には凄い力が秘められている……どうです?  私と一緒に来ませんか?」
「あなたと?  ってことは魔王の配下になれと?」
「王国が嫌いなんでしょ?」
「わかりました。お世話になります!」
「元気がいいね。さ、行こうか。私に捕まって」
「転移!!」
  そいつの魔法で俺は魔王城に転移した。
  そこは少し暗かったが綺麗な部屋だった。もっと禍々しい感じがすると思ってたが案外居心地は良い。
「魔王様、ただいま戻りました」
「そうか?  それで何故人間の子供がいる?」
「この子はたまたま見かけまして。両親を王国に殺されたみたいです」
「なるほど。おい、お前。俺への忠誠を誓えるか?  無理なら送り返すが」
「誓います!  いつか両親を殺した王国に復讐をするんだ!」
「復讐……か」
「ああ!  必ずあいつらを殺してやる!」
「馬鹿野郎!」
  バシン!
  俺は一瞬で目の前に来た魔王にビンタされた。
「え……?」
「復讐なんて事を目標に生きようとするんじゃない」
「だって!」
「そういう殺すだとか復讐だとかを目標に生きると必ず道を踏み外す。だからそんな考えは止めろ。千年生きてる先輩からのアドバイスだ」
「……はい」
「さぁ、そうと決まったら歓迎会だ!」
  そう言って魔王は、いや魔王様は歓迎会の準備をしに行った。
  魔王ってもっと「この世界を我が物に!」とか言ってる悪い奴ってイメージあったんだけどなんか……違ったな。
「魔王様は良いお方だろう?」
「うん」
「彼は千年間、侵略してくる人間から同族を守ってこられたのだ」
「そう、だったのか……」
「あ、自己紹介がまだだったな。私はゲイル。お前は?」
「エイン・ギルバード」
「じぁエイン、よろしくな」
「よろしく、お願いします」
「おーい、歓迎会するぞ!」
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