傷心ヘタレが異世界無双!?~ユニークスキル【臆病者】って馬鹿にしてる?~
七大冒険者現る!
「「クラーケン!?」」
「はい、沖で見つかったのでもう時間が無いんです!参加してください!」
「あ、嫌です」
「え?」
「だから嫌です」
「えと、何故でしょう?」
「怖いんです。だから避難誘導とかがしたいんです。鋼ランクですしね」
「えぇ……ちょっとハル、良いじゃない。参加しても」
「ちょっとカードを拝見してもよろしいでしょうか?」
「まぁ……はい」
―――――――――――――――――――――――――
名前:ハル
称号:【虎殺し】
スキル:【臆病者】【スラッシュ】【明鏡止水】
ランク:鋼
―――――――――――――――――――――――――
「え、ギガントタイガーキラー?あなた鋼ランクですよね?」
「ええまぁ色々あって……」
「あのギガントタイガーを倒すなんて、やっぱり参加してもらいます!分かりましたね?」
「え、あ、はい……」
お姉さんの押しの強さに負けて結局参加することになってしまった。
「はぁー……嫌だな」
「ハルなら大丈夫だって!あんなに強いもん!」
「でもなぁ……」
僕がぐずっているとガタイのいい人がギルドの奥から現れた。
「よし!討伐隊に参加する奴らは全員集まってくれ」
僕は嫌々言われた通りに行った。
「じぁ作戦を説明する。時間が無いから1度しか言わないぞ。
まず結界魔法が使える奴らは右にいるあの女の所に行ってくれ。後衛と町の保護に回ってもらう。
そして魔法が使えるが結界は張れねぇ奴らは左にいるあの男の所に行ってくれ。中衛に行ってもらう。
そして残ったお前達は船に乗って最前線で戦ってもらう」
「「船ぇ!?」」
全員が驚きの声をあげる。
「あぁ奴は海にいるからな。陸からじゃ届かねぇ」
「……こんなとこ来なきゃ良かった……」
「さぁ!時間はないぞ、急いで準備しろ!」
――港――
港に着くとクラーケンが見えた。
それはもうデカすぎるとしか言いようがなかった。
僕は近くにいた冒険者にこう聞く。
「クラーケンって何ランクなんですか?」
「ん?クラーケンか?あいつはBだな」
「え?Bであれなんですか?」
「お前さては駆け出しだな?少しだけ説明してやろう」
彼の話をまとめるとこうだ。
モンスターのランクはEからSSまであるらしい。Eは最初の町にいたゴブリンなどだ。
SSは魔王ぐらいだ。
そしてランクはCとBの間では大きな差がある。
Cは1人で倒せるが、Bにもなるとこうやって討伐隊を組まなければならないものも多い。
まぁ七大冒険者などは1人でもサクッと倒せるらしいが。
「さぁ来たぞ……お前ら船に乗る準備をしておけ!」
「結界部隊、結界展開!魔法部隊、詠唱開始!突撃部隊、進めぇぇ!!」
「その必要は無い」
隊長が大声で指示を出した直後に声が聞こえた。
「俺に任せておけ」
「あなたは……」
「うおおおお!【鳴雷】だ!」
「七大冒険者だ!」
「【鳴雷】のユウだ!本物だ!」
あれが、七大冒険者……
あれ?前にも誰か七大冒険者に会ったような……気のせいか!
「クラーケンか……」
「暗雲よ一つとなりて地をも砕け」
「【地を砕く雷雲塊】」
ユウがスキルを発動すると空が暗くなり、雲に覆われた。そしてその雲がクラーケンの上で大きな塊を作り、クラーケン目掛けて落ちていった。
クラーケンに雲の塊が落ちると
バリバリバリ!!
と雷の音がし、クラーケンが黒焦げになっていた。
「すげぇ、これが七大冒険者……」
「あんな化け物を一撃で……」
クラーケンが倒されて歓声が上がると思ったがユウが強すぎて全員少し引いているようだ。
「よし!と、とりあえずクラーケンを回収しに行くぞ。船を出せ」
結局船乗るのかよ。
それから半日ほどクラーケンの回収作業を続けた。何百人がかりでこれだからクラーケンが本当に大きいことがわかる。
「ふぅ……やっと終わったー」
「お疲れ様、ハル」
「あ、レイナ」
「あのユウさんって方凄かったですね。クラーケンを一撃で倒しちゃって」
「うん、みんな逆に引いてたね……」
「やっぱり引かれてたか……」
「「うわっ!!」」
「いつからそこに?」
「んーとついさっきかな」
「ユウさん、でしたよね?」
「ユウでいいよ」
「あ、あのどうやったらそんなに強くなれるんですか?エルフって魔法が得意な種族なんですか?」
エルフだったのか確かに何か耳が長めだなとは思っていたが。
やっぱりエルフと言ったら女エルフだろう。
なぜ異世界に来ての初エルフが男なんだ。
「ざっくり言うと努力だね。才能があっても努力しないと無駄になっちゃうからね」
「なるほど!ありがとうございます!」
ざっくり過ぎるだろ、と思ったがレイナが納得しているので言わないでおいた。
「どうしてこの町に?」
「七大冒険者は世界中の町を代わる代わるに回って助けたりしているんだ」
「七大冒険者ってそんなことしてたんだ」
「それと君、冒険者なりたてなのにギガントタイガー倒したんだって?凄いじゃないか」
「え、なんでそれを……」
「なんでって七大冒険者だからね」
全く答えになっていないがこれ以上聞くと不味い気がするので流しておいた。
「じ、じぁ僕達はこれで……」
「話し相手になってくれてありがとうね、バイバイ」
ユウさんと別れ、僕達はギルドに向かった。
「あの今度こそ冒険者登録したいんですけど」
「あ、そうでしたね。じぁ説明はお仲間さんが既に聞いているので省いて……」
「それでいいの!?」
「説明してあげて下さいね」
お姉さんはスキルMA・RU・NA・GEを使った!
ハルは精神的ダメージを負った!
「じぁこの石版に触れて下さい」
―――――――――――――――――――――――――
名前:レイナ
称号:なし
スキル:【火魔法:初級】【水魔法:初級】【回復魔法:初級】【結界魔法:初級】
ランク:鋼
―――――――――――――――――――――――――
「はい、これで完了です。レイナさんは魔法使いタイプですね」
「ありがとうございました!」
「よし、今日はもう遅いし宿屋に行こうか」
「うん!」
レイナは冒険者登録出来たので何だが浮かれていた。
――宿屋――
「いらっしゃい!」
「こんばんわ」
「あんたたちカップルかい?なら一部屋でいいね?」
おばちゃんがニヤニヤしながらそう言ってくる。
心の奥底に閉まっていた失恋の記憶が蘇る。
「やだなぁ、やめてくださいよ。もちろん2部屋でお願いします」
レイナがメンタルがズタボロになって小さくなっている僕の代わりにそう言ってくれる。
「ハッハッハ!!冗談さ、この男がオドオドしてたから少しからかっただけさ!はい、部屋の鍵ね」
客をからかうとはどういうことだ。
心と体を休めるのが宿屋じゃないのか。
休まるどころか傷ついたぞ?えぇ?泣くぞ?
その日の夜、前の世界の夢を見て枕を濡らしたのは言うまでもないだろう。
――翌朝――
「おはよう、ハル」
「おはよう、レイナ」
「聞いてなかったけどこの町では何をする予定なの?」
「あんまり決めてないけど、とりあえずお金を貯めたいね」
「わかった!ならギルドにいってクエスト受けまくろう!」
やっぱりレイナは冒険者になれたのでテンションが高い。
僕達はギルドで適当なクエストを受け、目的地の林に向かった。
林で採取をしていると悲鳴が聞こえてくる。
「きぁぁぁ!!誰か助けてー!!」
「レイナ!」
「うん!」
声が聞こえた方へ向かうと1人の女の子が馬車に無理矢理乗せられようとしていた。
「はい、沖で見つかったのでもう時間が無いんです!参加してください!」
「あ、嫌です」
「え?」
「だから嫌です」
「えと、何故でしょう?」
「怖いんです。だから避難誘導とかがしたいんです。鋼ランクですしね」
「えぇ……ちょっとハル、良いじゃない。参加しても」
「ちょっとカードを拝見してもよろしいでしょうか?」
「まぁ……はい」
―――――――――――――――――――――――――
名前:ハル
称号:【虎殺し】
スキル:【臆病者】【スラッシュ】【明鏡止水】
ランク:鋼
―――――――――――――――――――――――――
「え、ギガントタイガーキラー?あなた鋼ランクですよね?」
「ええまぁ色々あって……」
「あのギガントタイガーを倒すなんて、やっぱり参加してもらいます!分かりましたね?」
「え、あ、はい……」
お姉さんの押しの強さに負けて結局参加することになってしまった。
「はぁー……嫌だな」
「ハルなら大丈夫だって!あんなに強いもん!」
「でもなぁ……」
僕がぐずっているとガタイのいい人がギルドの奥から現れた。
「よし!討伐隊に参加する奴らは全員集まってくれ」
僕は嫌々言われた通りに行った。
「じぁ作戦を説明する。時間が無いから1度しか言わないぞ。
まず結界魔法が使える奴らは右にいるあの女の所に行ってくれ。後衛と町の保護に回ってもらう。
そして魔法が使えるが結界は張れねぇ奴らは左にいるあの男の所に行ってくれ。中衛に行ってもらう。
そして残ったお前達は船に乗って最前線で戦ってもらう」
「「船ぇ!?」」
全員が驚きの声をあげる。
「あぁ奴は海にいるからな。陸からじゃ届かねぇ」
「……こんなとこ来なきゃ良かった……」
「さぁ!時間はないぞ、急いで準備しろ!」
――港――
港に着くとクラーケンが見えた。
それはもうデカすぎるとしか言いようがなかった。
僕は近くにいた冒険者にこう聞く。
「クラーケンって何ランクなんですか?」
「ん?クラーケンか?あいつはBだな」
「え?Bであれなんですか?」
「お前さては駆け出しだな?少しだけ説明してやろう」
彼の話をまとめるとこうだ。
モンスターのランクはEからSSまであるらしい。Eは最初の町にいたゴブリンなどだ。
SSは魔王ぐらいだ。
そしてランクはCとBの間では大きな差がある。
Cは1人で倒せるが、Bにもなるとこうやって討伐隊を組まなければならないものも多い。
まぁ七大冒険者などは1人でもサクッと倒せるらしいが。
「さぁ来たぞ……お前ら船に乗る準備をしておけ!」
「結界部隊、結界展開!魔法部隊、詠唱開始!突撃部隊、進めぇぇ!!」
「その必要は無い」
隊長が大声で指示を出した直後に声が聞こえた。
「俺に任せておけ」
「あなたは……」
「うおおおお!【鳴雷】だ!」
「七大冒険者だ!」
「【鳴雷】のユウだ!本物だ!」
あれが、七大冒険者……
あれ?前にも誰か七大冒険者に会ったような……気のせいか!
「クラーケンか……」
「暗雲よ一つとなりて地をも砕け」
「【地を砕く雷雲塊】」
ユウがスキルを発動すると空が暗くなり、雲に覆われた。そしてその雲がクラーケンの上で大きな塊を作り、クラーケン目掛けて落ちていった。
クラーケンに雲の塊が落ちると
バリバリバリ!!
と雷の音がし、クラーケンが黒焦げになっていた。
「すげぇ、これが七大冒険者……」
「あんな化け物を一撃で……」
クラーケンが倒されて歓声が上がると思ったがユウが強すぎて全員少し引いているようだ。
「よし!と、とりあえずクラーケンを回収しに行くぞ。船を出せ」
結局船乗るのかよ。
それから半日ほどクラーケンの回収作業を続けた。何百人がかりでこれだからクラーケンが本当に大きいことがわかる。
「ふぅ……やっと終わったー」
「お疲れ様、ハル」
「あ、レイナ」
「あのユウさんって方凄かったですね。クラーケンを一撃で倒しちゃって」
「うん、みんな逆に引いてたね……」
「やっぱり引かれてたか……」
「「うわっ!!」」
「いつからそこに?」
「んーとついさっきかな」
「ユウさん、でしたよね?」
「ユウでいいよ」
「あ、あのどうやったらそんなに強くなれるんですか?エルフって魔法が得意な種族なんですか?」
エルフだったのか確かに何か耳が長めだなとは思っていたが。
やっぱりエルフと言ったら女エルフだろう。
なぜ異世界に来ての初エルフが男なんだ。
「ざっくり言うと努力だね。才能があっても努力しないと無駄になっちゃうからね」
「なるほど!ありがとうございます!」
ざっくり過ぎるだろ、と思ったがレイナが納得しているので言わないでおいた。
「どうしてこの町に?」
「七大冒険者は世界中の町を代わる代わるに回って助けたりしているんだ」
「七大冒険者ってそんなことしてたんだ」
「それと君、冒険者なりたてなのにギガントタイガー倒したんだって?凄いじゃないか」
「え、なんでそれを……」
「なんでって七大冒険者だからね」
全く答えになっていないがこれ以上聞くと不味い気がするので流しておいた。
「じ、じぁ僕達はこれで……」
「話し相手になってくれてありがとうね、バイバイ」
ユウさんと別れ、僕達はギルドに向かった。
「あの今度こそ冒険者登録したいんですけど」
「あ、そうでしたね。じぁ説明はお仲間さんが既に聞いているので省いて……」
「それでいいの!?」
「説明してあげて下さいね」
お姉さんはスキルMA・RU・NA・GEを使った!
ハルは精神的ダメージを負った!
「じぁこの石版に触れて下さい」
―――――――――――――――――――――――――
名前:レイナ
称号:なし
スキル:【火魔法:初級】【水魔法:初級】【回復魔法:初級】【結界魔法:初級】
ランク:鋼
―――――――――――――――――――――――――
「はい、これで完了です。レイナさんは魔法使いタイプですね」
「ありがとうございました!」
「よし、今日はもう遅いし宿屋に行こうか」
「うん!」
レイナは冒険者登録出来たので何だが浮かれていた。
――宿屋――
「いらっしゃい!」
「こんばんわ」
「あんたたちカップルかい?なら一部屋でいいね?」
おばちゃんがニヤニヤしながらそう言ってくる。
心の奥底に閉まっていた失恋の記憶が蘇る。
「やだなぁ、やめてくださいよ。もちろん2部屋でお願いします」
レイナがメンタルがズタボロになって小さくなっている僕の代わりにそう言ってくれる。
「ハッハッハ!!冗談さ、この男がオドオドしてたから少しからかっただけさ!はい、部屋の鍵ね」
客をからかうとはどういうことだ。
心と体を休めるのが宿屋じゃないのか。
休まるどころか傷ついたぞ?えぇ?泣くぞ?
その日の夜、前の世界の夢を見て枕を濡らしたのは言うまでもないだろう。
――翌朝――
「おはよう、ハル」
「おはよう、レイナ」
「聞いてなかったけどこの町では何をする予定なの?」
「あんまり決めてないけど、とりあえずお金を貯めたいね」
「わかった!ならギルドにいってクエスト受けまくろう!」
やっぱりレイナは冒険者になれたのでテンションが高い。
僕達はギルドで適当なクエストを受け、目的地の林に向かった。
林で採取をしていると悲鳴が聞こえてくる。
「きぁぁぁ!!誰か助けてー!!」
「レイナ!」
「うん!」
声が聞こえた方へ向かうと1人の女の子が馬車に無理矢理乗せられようとしていた。
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