チート過ぎてチート(語彙力)な異世界転移

樹(いつき)

第29話 王と会談

 「私はフェリス王国第2王女のティファニア・フェリスです!た、助けていただきありがとうございます!」

 そう言ってきたのはさっき助けた女の子だ。

 (やっぱり王女だったか…)

 俺は面倒なことになるんじゃないかと考えたが、よく見ると綺麗な金髪で出るとこは出て締まる所は締まっているかなりの美少女だ。しかも俺のぶかぶかのローブを着ているので余計に可愛く見える。

 「人として当然のことをしたまでだ。気にするな」

 俺はそう言ってさっさと立ち去ろうと思った。しかし、

 「ま、待ってください!お礼がしたいので王城まで護衛して貰えませんか?」

 何となく予想していたがやはりこうなったか。それでも俺の返答は

 「そういうことなら分かりました。俺の名前はタイキです。これからよろしくお願いします」

 もちろんYesだ。外に出てずっと1人は寂しいからな。決して王女様が可愛いからじゃないぞ。そして、俺がそう言うとすぐに

 「本当ですか!?ありがとうございます!じゃあ一緒に馬車へ乗ってください!」

 「よろしいのですか?王女様」

 「むしろ一緒に居てくれた方が安心します!それから私のことはティファと呼んでくださいね?」

 と言ってめっちゃ可愛い笑顔を向けて来た。破壊力が凄すぎるのでドキッとするが、すぐに平常心に戻る。働け無効神。

 そして、俺達は王都に向けて馬車を走らせた。走ってる間にティファはいつの間にか着替えていて、ローブを俺に返してきた。特に魔物に襲われることも無く1時間弱で王都に到着した。フェリス王国の王都は中世のヨーロッパのような綺麗な町並みでとても活気が溢れている。そして、獣人などの他種族も居た。

 「タイキさん、王城に着きましたよ。このまま王と会談なので私に着いてきてください」

 王都を眺めているといつの間にか城に着いたみたいだ。城もまためちゃめちゃでかく、シンデレラ城みたいなので改めてティファが王女だと思わされる。

 そして、豪華な部屋に案内されて待っているとバタバタと足音が近づいてきた。そして、扉が勢いよく開けられると50くらいの王冠を被ったダンディなおじさんが入ってくる。

 「無事なのかティファ!?50体ものハイオークに襲われたと聞いたぞ!」

 そう言ってその人は物凄い形相でティファに迫っていた。するとティファは少し顔を赤くしながら

 「私は無事ですお父様・・・。こちらに居るタイキさんに助けて頂いたので。」

 やはりこの人が王様か。

 (それにしても何故ティファは顔を赤くしているんだ?)

 俺は疑問に思った。ってそういえば服を破かれた時に色々と見てしまったな…。

 『マスター、バカげたステータス持ってる癖して鈍感とか笑えませんよ』

 (マナさん、さすがにそれは辛辣すぎません?)

 マナのツッコミが心にグサグサ刺さる。頑張れ無効神。

 マナとそんなことを話していると王に話しかけられた。

 「君がティファのことを救ってくれたタイキくんだな。ほんとにありがとう。礼として報酬を渡すが何か望むものはあるか?」

 (基本的になんでもできるから報酬とか要らないんだよなぁ…)

 そう、俺はこのチート過ぎるステータスとスキルのお陰でほとんどできないことは無いので報酬が要らない。なので俺はこうした。

 「報酬ならいりませんよ。強いて言うなら僕の存在を公にしない事ですかね」

 これは俺が今後動き安くするためだ。王女を救ったと広がれば目立つのは必須だしな。

 「そんなことで良いのか?若くて強いうえに欲がないのだな。それならば絶対に君のことを公にしないと約束しよう。それから何も渡さないのは王家としてどうかと思うからこれは受け取ってくれ」

 そう言うと50枚の白金貨が入った袋を渡された。ちなみにこの世界の通貨は
銅貨=10円
銀貨=1000円
金貨=100000円
白金貨=10000000円
黒金貨=1000000000円

となっている。要するに俺は日本円で5億も貰ったのだ。

 「これは貰いすぎですよ!」

 「娘の命に比べれば安いものだ」

 日本人の感覚で行ったらダメなのか。王家半端ないっす…。そんなことを考えてると、

 「お父様!私タイキさんと結婚したいです!」





 突然ティファが爆弾発言をした。
 
 




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