泡沫の国

工藤疾風

プロローグ

少女は、薄暗い道をひた走っていた。

(なんなのここ…!まるで戦国時代みたいな街並み…気持ち悪い…!)

彼女の名は藤堂流衣。私立高校、桜花学園に通う高校一年生。今日も、いつもと変わらぬ平凡な一日を過ごしていたはずだった。だが突然、彼女はこの異空間に迷いこんでしまったのだ。 

走る事に疲れ、足を止める。肩で息をする流衣。冷たい霧雨に体力を奪われ、足は棒のようだ。

少し先に、小さな灯りが見える。流衣の足は、無意識にその灯りへ向かっていった。ここは思いきって泊めて貰おう。しかし彼女の体力は限界だった。扉を叩こうとした所で、流衣の意識は途切れた。

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