自宅にダンジョンが出来た。

なつめ猫

VS夜刀神(1)




 砕け散り空中を舞う刀身が陽光を照らし雪のように舞う中――、仮面の男が顔の角度を佐々木から間に割って入った俺へと向けてきた。

「貴様、何者だ?」

 俺は男の言葉に一切答えず二つに分かたれた狂乱の神霊樹と佐々木の体を両腕で抱きしめると同時に跳躍して距離を取る。

 すでにスキル「神眼」で、男のステータスを確認し脅威だと認識した上の行動であったが――。



 ステータス

 神性属性:国津神 信仰力 ∞
 名前 夜刀神
 年齢 ??
 身長 ??
 体重 ??

 レベル ??
 HP ??/??
 MP ??/??

 体力9999
 敏捷9999
 腕力9999 
 魔力9999 
 幸運9999 
 魅力9999 

 ▽所有ポイント  0 



「ほう?」

 どうやら、一足飛びに距離を置いた俺に興味を引かれたようだ。

「あなたは……」
「いまはしゃべるな」

 先ほどまで無かった傷が佐々木の体――、その至る所に出来ていることに……、今さながら気が付く。
 それと同時にスキル「神眼」と――、視界内のプレートに表示されている文字列が目に入る。



 ――刀身を砕いた事と受けた衝撃により周囲に衝撃波が発生しました。
 ――半径30メートル以内にて生物の裂傷が確認されました。



 どうやら、目の前の仮面をつけている男の剣速は、想像を絶しているようだ。
 それと同時に――、近くで戦えば誰かが巻き添えになると言うことが理解出来る。
 周囲を見渡しながら他にも生きている人間がいるかどうかを調べていく。
 その間は刹那の時間であったが――。

 視界内に赤いプレートが表示されると同時に警報が鳴る。



 ――神刀の顕現を確認しました。


 
 視線を仮面をつけた男の方へと向けると同時に、斬撃が飛んでくる。

「魔法、少彦名神(スクナヒコナ)を起動!」

 佐々木を後方へと投げると同時に魔法を展開し周囲に治癒の魔法を降り注がせる。
 治癒の魔法により佐々木のHPの回復を確認。
 そして、両手を交差させながら夜刀神の刀身を受け止める。
 先ほどは、素手で粉砕できた刀身が粉砕できず腕半ばまで斬られるが――、痛みは殆どない。
 おそらく、あまりの速度で斬られた事で痛みが麻痺しているのだろう。

「この魔法……、そして先ほど――、この眼に焼き付いた緑葉の極光……、貴様――、一体……、何者だ?」
「……貴様こそ、一体何者だ?」
「ふん。こざかしい――、我が神たる権能の根源を見ておいて良く言う。まあ、よい――、それだけの力を持っているのだ。答えてやらねば無粋というものだ」

 仮面の男は、半ばまで断ち斬っていた俺の腕から日本刀を抜く。

「我が名は、夜刀神。国津神の一柱にして蛇神。――そして……【祝の器】たる一部を使い【はふりの器】と契約せし滅びの神」
「……国津神?」

 いきなり神とか言い出したぞ? こいつ……、大丈夫か?

「ふむ――、その抑揚の声。どうやら我の言っていることが嘘だとでも思っているつもりか?」
「――いいや……」

 俺は、少彦名神(スクナヒコナ)を常時展開発動しながら左右に首を振る。
 少なくとも目の前に居る男が嘘を言っているようには思えない。
 問題は……、本当に神かどうかだが……。
 スキル「神眼」とシステムを信じる限り本当のことなのだろう。
 神が居るとは思っても見なかったが……。

「近くの町を破壊したのは、貴様か?」
「それは否だ。――我は神たる権能を持つ。それゆえに、願いに応じることはすれ人間どものように己の利益の為だけに命を刈り取るような真似はせん」
「……つまり、願いに応じるなら幾らでも人間を殺すということか?」
「それが願いであるならな」
「そうか……、それで佐々木達を狙ったのも、その誰かの願いってわけか?」
「……」

 仮面の男は答えてこないが、その雰囲気と立ち振る舞いから意図的にこちらに危害を――、殺そうとしてきているのは――、度重なる戦闘の経験から察する事は用意に出来た。

 そう頭の中で理解すると同時に、スキル「神眼」で周囲を確認していく。
 
「――ッ」

 この場所に居るのは佐々木と狂乱の神霊樹だけだと思っていた。
 だが――、どうやら違うようだ。
 少し離れた位置に富田、江原、藤堂が倒れているのが見える。
 死んではいない。
 ステータス的にHPが減っている様子も状態異常も確認できない。
 本当にただ気絶しているだけのようだ。

「周りが気がかりか?」

 思考していた所で、仮面の男が俺に話かけてくる。




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