自宅にダンジョンが出来た。

なつめ猫

ピーナッツマン VS クーシャン・ベルニカ




「もう一度、問う。貴様は、何者だ? 上から命綱もパラシュートも無しで降りてくるということは高い身体能力を持っているんだろ? ――ということは……、アメリカ軍――ではないな。さすがのUSAの海軍でも貴様のようにふざけた格好をして、このクーシャン・ベルニカの前には姿は現すまい。――だが、素手とは……、ふっ――、この俺も舐められたものだな」

 かなり怒り心頭気味な田中は、語りながらコンクリートに突き刺さっていた槍を一本、左手で引き抜くと俺に穂先を向けてくる。
 どうやら、俺に向けて投げてくるつもりのようだ。

 ――まったく、人の話を適当に受け取って自分の中で完結させて攻撃してくるとか。

 人の話を聞かないにも程がある。
 
「やめろ。俺に手を出せば――」
「手を出せばなんだ? ボイスチェンジャーまで使って身分を隠しておいて何を取り繕う?」

 どうやら、俺のピーナッツセットには声色を自動的に変える機能がついているようだ。
 とりあえず最悪の事態に備えてステータス項目を開く。



 ステータス

 名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)
 年齢 41歳
 身長 162センチ
 体重 66キログラム

 レベル1(レベル1100)
 HP 10/10(11000/11000)
 HP 10/10(11000/11000)

 体力17+〔374〕(+)
 敏捷15+〔330〕(+)
 腕力16+〔352〕(+)
 魔力 0+〔  0〕(+)
 幸運 0+〔  0〕(+)
 魅力 3+〔 66〕(+) 

 ▼所有ポイント 905   

 
 
 相手が普通なら、ステータスにポイントを振らなくても何とでもなる。
 だが――、相手のステータスは。



 名前 田中(たなか)一郎(いちろう)
 職業 軍人 レムリア帝国所属 四聖魔刃 クーシャン・ベルニカ
 年齢 42歳
 身長 181センチ
 体重 71キログラム
 
 レベル10000

 HP100000/HP100000
 MP98000/MP100000

 体力1192(+)
 敏捷1439(+)
 腕力1220(+)
 魔力1315(+)
 幸運  6(+)
 魅力  21(+) 

 

 俺のステータスを遥かに凌駕している。
 間違いなくステータスを振らなければ勝てない。
 なら、ステータスを振るしかない。



 ステータス

 名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)
 年齢 41歳
 身長 162センチ
 体重 66キログラム

 レベル1(レベル1100)
 HP 10/10(11000/11000)
 HP 10/10(11000/11000)

 体力217+〔4774〕(+)
 敏捷215+〔4730〕(+)
 腕力216+〔4752〕(+)
 魔力100+〔2200〕(+)
 幸運100+〔2200〕(+)
 魅力103+〔2200〕(+) 

 ▽所有ポイント  5 



 よし、ステータス的にはこれで何とかなるはずだ。
 説得に移るとしよう。

「クーシャン・ベルニカ! ここは、いま危険な状態にある!」
「そうだな。貴様にとっては危険だな」
「そうじゃない! ここにいる全ての人間にとって危険だと言っている!」
「貴様には危険かも知れないが俺には危険じゃない。問題はないと思っているが? それよりも貴様は、その人を小馬鹿にしている衣装を何時、脱ぐつもりなんだ?」
「貴様には関係ない! それよりも俺の話を聞け!」
「うるさい。この俺が、貴様の言う事を聞く謂われはない!」

 くっ――、どうやら説得は難しいようだな。

「(山岸さん、海ほたるの建物内に避難していた人たちの誘導は完了しました)」
「(江原か? もう少しだけ待ってくれ)」

 俺は田中の方へ視線を向ける。

「よく聞いてくれ。この海ほたるには原爆が仕掛けられている可能性がある。そのために、海ほたるにいる無関係の人々を海底トンネル内に避難させる必要がある」
「それで?」
「お前が、此処にいると一般人が怖がってトンネルの方へ逃げることが出来ない。だから別の場所に移動してくれ」
「ふむ……、まあいいぜ」

 ふう、どうやら説得は上手くいったようだな。

「――ただし! この俺と戦って勝てた――ぐふぉ」

 田中が承諾の言葉を宣言したと同時に、俺の拳が――、田中の腹――、水月の部分に埋まる。
 それと同時に、田中の体が吹き飛び――、さらには海ほたるのコンクリートの壁をぶち抜いて――、そのまま田中は地平線の彼方まで飛んでいった。

「よし! これで問題ないな」

 まぁ、田中も戦って負けたら道を譲ると約束してくれたからな。
 これであと腐れないだろう。

「(藤堂、車の手配はどうだ?)」
「(はい! 動く車は確保できました)」
「(江原、聞いたな? すぐに避難していた人を連れて駐車場まで移動してくれ)」
「(わかりました。それで、クーシャン・ベルニカは?)」
「(きちんと話をしたら退いてくれた。急いでくれ、いつ原爆が爆発するか分からないからな)」
「(はい!)」
 


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