地の底から這い上がる

海月 結城(旧チコ)

○○の覚醒

投稿期間が空いて申し訳ない。ちょっとポケモンにハマってしまった。


「う、ここは、どこだ?」

 俺が転移したのは、何処かのダンジョンの最下層のようだ。

「なんで、俺はいつもこうも裏切られるんだよ。まさか、にゃぽにも裏切られるなんて思ってなかったよ。あはは、もう、ダメだな」

 一つの決心をして、立ち上がった。周りを見てみると、そこには池が存在していた。

「水があるなら、なんとか生きては行けるな。後は、食料と住みかなんだよな」
『住みかなら、我が造ってやってもいいぞ』

 それは聞き覚えのない声だった。

「誰?」
『そうか、初めましてになるのか。我はルガーノ。お前が何処かの部屋から持ち出した、魔道書だ』
「……え? あの魔道書? 今まで存在を忘れてたあの魔道書?」
『おい、お主。今のは聞き捨てならないぞ。忘れてたとはどういうことだ?』
「え、あ、そ、それは、なんと言いますか、あはは」
『はぁ、まぁ良い。で、どうする? 住みか造ってやるぞ』
「それは、ありがたいんだけど、なんで今になって出てきたの? てか、なんで喋れるなの?」

 ルガーノはバックの中から出て来て、空中に浮き、喋り始めた。

『それはだな、お主の魔力が覚醒したからだ』
「魔力が、覚醒?」
『そうだ。今までお主は魔力が全く使えなかっただろ? それが、魔力が物凄く濃い場所に来て、強制的に目覚めさせられたんじゃよ。ストッパーが取れたと言ってもいいだろう。そして、我を持っている生物が魔力が一定以上行くと、眠りから目覚めさせられ、こうして喋れるようになるんじゃよ』
「なるほど。それで、ルガーノは何が出来るんだ?」
『ふっふっふっ、聞いて驚け。我の能力は、魔法を自在に作ることが出来る。そして、お主は我を媒体として使う事が出来るのじゃ」

 その言葉に俺は、息をすることを忘れ口を開けていた。

『どうじゃ? 驚いたか?』
「なんで、そんな凄い魔道書が誰にも使われずに埃を被ってたんだよ」
『あぁ、それはだな。誰も我が使えるほどの魔力を持っている奴が居なかっただけじゃな』
「え? それは、あそこにいた魔術長もダメだったのか?」
『我が起きなかったのであれば、ダメだったのだろうな』
「あ、そうだ。お前は今まで人を裏切ったことはあるか?」
『ふむ、そうだな。あるぞ』
「そうか。じゃ、さらばだ」

 俺は、ルガーノをその辺に置いて、その場を去った。

『待たんか、まだ話は終わっておらん』
「裏切った事がある奴は、裏切ることに慣れてるからな、信用なんて出来るものか」
『裏切ったのは、ちゃんとした理由があるんじゃ』
「なんだそれは? 言ってみろ」
『我は昔人間じゃった。母と父、姉が一人いた。四人家族で幸せに暮らしておった。じゃがある時、我以外の家族みんな流行病で死んでしまったのじゃ。その時はまだ子供で真実を理解することは出来ていなかった。いつかまた、何処かで会えると心の底からそう思っておった。そして、一人になった我は、街の定食屋に転がり込んだ。そこはとても酷いところだった。接客も料理も分からない時から、暴言や暴行は当たり前、三日ご飯抜きだった事もあった。でも、それでも、まだ信じておった、ちゃんと仕事が出来るようになった時、褒めてもらえるとそう思っておった。じゃが、そうはならなっか。お客の前で我を殴るから店の評判はガタ落ち、お店は潰れかけておった。それでも潰れなかったのは、お客が我を一緒に殴るために来るそんな奴らだけになっておった。そして、お店が潰れるとなった時、奴らは我を奴隷として売ったのじゃ。我の容姿は比較的良かったからな、それは高く売れたそうじゃ。あいつらは大量の金貨を持って嬉しそうに笑っておったな。まだまだあるが、聞くか?』

 俺はルガーノの話を聞いて、どんな顔をしたらいいか分からなかった。

「……いや、もう十分だよ。あれだな、上には上が居るんだな」
『……そうか、お主もそんな感じなのじゃな。もしかしたら我よりも酷い扱いを受けた人がおるかもしれんぞ』

 俺はそこで、一つの誓いを立てた。

「なぁ、ルガーノ」
『なんじゃ?』
「お前は俺と来てくれるか?」
『もちろんじゃ、我を起こした時からお主は我の主人だからな』
「そうか。なら、手伝ってもらうぞ。やっぱりこんな世界間違ってる。人を簡単に裏切るそんな世界は俺が消してやる」
『そうか、そう来たか。良いであろう。我もお主と共に戦おうぞ』
「なら、そうだな。お前の一つ目の仕事はこれだな」

 そう言って俺は、ルガーノを開き、一つのページに手を置き、こう唱えた。

「ファントム」

 そう唱えると、今までの容姿とはかけ離れた姿に変わっていった。

『その姿は?』
「どうだ、いいだろう? 如何にも暗殺者見たいだろ? 俺はこの姿で見にくいこの世界を消してやる」

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