この度魔法少女になりました

けんはる

神隠しと粉砕の乙女1

ジャンヌ達は屋敷の前に着き
「それじゃあ扉を開けます」
ジャンヌが扉を開けると緑髪の青年が立っていた
「ようこそ、お客様方、この度お相手させていただきます、〈暁の旅団〉のシェムと申します」
シェムは微笑んだ
サランがジャンヌ達の前に立ち
「〈暁の旅団〉がどうしてこんなところにいるの」
「それは命令なので」
「そう、それで私達を通していただけるのかしら」
「申し訳ないですが、通さないようにと命令をされているので」
「そうじゃあ、力づくで通してもらうわね」
次の瞬間サランはシェムを殴り飛ばした
ドカーン
シェムは壁に穴を空け、隣の部屋に飛ばされた
「ここは私が相手をするから、先に行って」
「わかりました、お姉ちゃん」
〈階段を上って、そのまま進んで〉
ジャンヌ達は階段を上がりまっすぐ進んだ
サランは穴の空いた壁を見ながら
「さてと、出てきたらどうなの?」
「ビックリしましたよ、いきなり殴ってくるんですから」
穴から無傷のシェムが現れた
「敵なんだから当たり前でしょ、それに殴られる前に避けてたでしょ、殴った感触がおかしかったし」
「当たり前じゃないですか、あなたの攻撃をまともに受けては死んでしまいますかねっ」
シェムはサランの頭上に小石を投げた
「こんな小石で私と戦うつもりなの?」
「そんなわけあるわけないじゃないですか」
シェムが指を鳴らすと小石は石像に代わり、サランへと落下した
「やるじゃない」
サランが石像を壊そうとするが体が動かない
「先ほど殴られた時に硬直の術式を発動させてもらいました、まぁ数十秒だけなんですけどね」
「ちっ」
サランは目をつむり、衝撃に備えるが何時までたっても来ないのでサランは目を開けると黒い鎖に縛られた石像が浮かんでいた
「えっなんで?」
体が動くようになったサランは鎖の出所を見ると自分の影から生えていた
「なんで私の影から?」
サランの影から朧が現れた
「朧ちゃん、どうして?」
「サラン殿の事が気になり、戻った次第、そしたら石像がサラン殿の上に落ちてきたため助けた次第、要らぬ世話だったか」
「ううん、ありがとう」
「微力ながら我も助太刀致す」
「お願いするわ、朧ちゃん」
二人はシェムを見た
「はぁ〈粉砕の乙女〉だけでも厄介なのに、もう一人増えた」
「〈粉砕の乙女〉?」
「お嬢さんは知らないのか?ありとあらゆる物を拳ひとつで粉砕することから、〈粉砕の乙女〉って呼ばれてるんだよ」
「ご丁寧に説明をありがとう、〈神隠し〉さん」
「〈神隠し〉?」
「えぇ、その男はね、目を離した隙に自分の仲間などを消すことから、そう呼ばれているのよ、朧ちゃん」
「有名人に知られているとは光栄です」
シェムは片手を胸に当て、頭を下げた
「こちらこそ、光栄よ」
シェムは頭を上げて
「それでは話はここまでにして」
「そうね、始めましょうか、こちらは二人だけど良いわよね?」
「もちろんでございます、サラン」
「それじゃあ、遠慮なく行くわよ、朧ちゃん」
「御意」

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