~案内人(ナビ)と共に!記憶探しと異世界冒険譚~

たたき

召喚

目が覚めると、椅子に座っていた。

目の前に、齢80ぐらいのおじいちゃんが立っている。
ここはどこなんだ?
記憶がない。名前も思い出せない。

そうこう考えていると、おじいちゃんが絶望したように言った。

「また失敗じゃ...」

え?失敗??
まさか目が覚めていきなり心をえぐられるような発言をされるとは...ひどい世の中だ。

おじいちゃんに文句の一つでも浴びせてやろうかと思ったが、発言しようとすると謎に力が抜ける。

不思議に思っていることを気がついたのか、おじいちゃんが答えるように言う。

「無駄じゃ。お前は今一切の行動を儂に禁じられとる。」

喋らせてくれないようだな...黙って観察するか。
暗い部屋...空間?に俺はいた。
おじいちゃんはいかにもそれらしい杖と、それらしい風貌をしている。
俺が縛られてもないのに動けないのは多分、「魔法」の力だ。
ちなみに魔法とは、空気中に含まれる「魔気マジックエア」を魔方陣を使い、集めて放つ事を言う。
単純な仕組みだが、これは数千年の歴史を持っている。
とだけおじいちゃんが教えてくれた。

すると突然、おじいちゃんが馬鹿げた事をいい始めた。

「突然ですまないが、お前は失敗作じゃ。だから、ここから遠く離れた地へ飛んでもらう。」 

またその話か...え?飛ぶ?
なに言っちゃってるのこのじいさん。

「...じゃがいきなり飛ばされるのは辛いじゃろ。お前に案内人ナビと加護をくれてやろう。」

《スキル 案内人ナビゲーターを獲得》

急展開過ぎて話が掴めない。というかナビゲーターって何だ??
飛ばす?辛い?何の話だ。こっちはもう開幕失敗とか言われて辛いんだよ!
が、じいさんは当然無視して続ける。

「では、飛ばすぞ。」

「元気でな。」

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