最強魔導士の異世界転生

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バタッ。人が倒れる音がした。元王が倒れる音が。顔は怒りに歪んでいるが動くことは無い。事切れた元王の前にトドメをさした張本人が立つ。
「...」
ノエルは黙って元王の顔を見下していた。しかしそれも一瞬で直ぐにシリルアの方に向き直す。
「ありがとう。シリルア」
「ん?なんでありがとう?」
「私のため...いやこの国のためにこの国を倒したんだろ?」
シリルアが急にこのようなことをした理由。ノエルはこの国のためにこの腐り切った王族達を倒そうとしたのだと思っていた。しかし
「え?いや?ただ腹たっただけだけど?」
シリルアにはそんな考え毛頭なく、ただノエルの話を聞いて腹が立ってやったことらしい。そのうちムシャクシャしてやったとか言いそうな雰囲気だ。
「まぁノエル話聞いてさムシャクシャしてやっただけ」
あ、言ったわ。そこにいるノエルもサーシャも呆れてしまった。
「てかそんなことより次の王はどうするの!このままだとただ王様が死んだだけだから国が混乱してしまうよ!」
「あー確かに...」
どうやらシリルアはなんにも考えていなかったようでそんなことを言い出す始末だ。
「いや次の王はきまっているよ」
ノエルがそう言った。
「え?誰だよ?」
「そりゃあシリルアしかいないよ。」
「は?」
「私は王に忠誠を誓います...」
そう言ってノエルはシリルアにむかって跪いた。
「いやーそうゆうのちょっと...」
「この世界では人間の国はもうこの国だけなのです。どうか人間を治めてください」
「いや...私以外にももっと相応しい人がいるでしょ?ノエルとかさ」
そうノエルは国民からの信頼も厚くへたをすると王より人気があった。まぁだからこそ王族には嫌われていたのだが...
「いいえ。私にはできません。」
「なんで?」
「私はあなたに忠誠を違うと決めました。私は王に忠誠を誓わなければ呪いで死んでしまいます。私が王になることは出来ないのです」
「それで私?」
「はい。それにこんなことになったのもシリルア様がムシャクシャしてやったからです。責任とってくださいね。」
笑顔でそう言葉をかけるノエル。ちょっとシリルア本人には恐怖を感じる部分があったとかなかったとか。
「...分かったよ!でも、その代わり」
「ん?」
「その敬語やめて。なんかいや。あと魔王を討伐するまでは代理を立てて欲しい。」
「あ、そう言うことでしたらちょうどいい人がいるよ」
「それと、ノエルも魔王討伐協力してくれるよね?」
「...もちろんです」
「よし、じゃあとりあえず挨拶でもするか」
騒ぎが大きくなり、城には野次馬達が押し寄せている。そこをなんとか城の兵士が止めているところだ。シリルアはそんな民衆の前に立とうと城のテラスに出る。いつも王様が国民たちにスピーチをするところだ。
「なんだ?」
「誰あいつ?」
国民たちはそれぞれ疑問に思ったことを口に出す。
「えーあーきこえますかー」
声を大きくする魔法を使ってそう言うシリルア。しかしあまりにも場違いな声の調子に人々は混乱する。
「今、国王は倒された。」
はっきりとそういうシリルア。
「え?」
「いまなんて?」
「こくおうがたおされた?」
集まっている人たちが大きく動揺する。
「いやそんなこと急に言ったらさらに混乱するだろ…」
あきれた感じでノエルがそう言いう。
「あははは…」
サーシャもあかれている。見かねたノエルはシリルアの横に歩み寄る。
「そんな言い方だと誰も納得しないよ」
「えーそう?」
「この世界では君は最強魔導士じゃないんだから」
「え?なんでそれを」
「ん?」
とぼけた感じでそう言いノエルはサーシャのほうを向く。
『ばらしたのサーシャかよ…』
そんなことを思ってるシリルアをよそに前に出るノエル。
「なんだ」
「あれ将軍様?」
「ほんとだノエル様だ!」
「どうなったんですか?」
口々にそういいだす人々。
「今言ったとおりです。ただいまこのシリルア殿によって王様は倒されました。」
「え?ほんとなの?」
「そんな…」
「これからどうなるの」
「ダダでさえきつい税金が…」
絶望を浮かべる民衆たち。
「しかし、これでよかったのです。私たちは自分のことしか考えていない王様に苦しめられていました。しかしその王様は倒されました。今から王様はこの方シリルア殿です。」
「え?確かに苦しめられてきたけど…」
「いきなり出てきた人だし…」
まだ信用できない人々。しかしさらにノエルは続ける。
「いえ。違います。この方は私も認めた方です。私からこの国の王のひどいことを聞いたらすぐ行動に移してくれました。さらに先の戦いでは自分の身も顧みず私たちを助けてくれました。この方は私たちの王に値すると思います。」
「まあ…ノエル様が言うなら…」
民衆たちは口々にそんなことを言った。
「さらにあの戦いで魔王の四天王が現れました。」
「本当に?」
「あれは伝説上の話じゃなかったのか…」
どうやら本当に四天王の存在は信じられてはいなかったようで、人々はまだ半信半疑だった。
「伝説上などではありません。私も実際にこの目で見ました。しかし力の差は歴然で、私でも到底敵うものではありませんでした。唯一彼らに対抗できたのはこのシリルア殿ただ一人」
さらに人々は不安を口に出す。あのノエル様がかなわないのかと…もう終わりだと…しかしノエルは違うと言わんばかりにさらに話す。
「私たちは確かに弱い。しかしそれが何だというのですか!弱いのなら強くなればいい!私たちには強さが必要なのです!力も心も!しかし前王では弱すぎた。自分が助かればいいと考える弱い心に自分じゃ全く戦うことのできない弱い力。そんなんじゃダメなんです。私たち人間が生き残るためには!このシリルア殿ならきっと私たちを導いてくれます。強く導いてくれるはずです!」
今までの落ち込んでいた人々は歓喜した。新たな王の誕生に。人間が本当に反撃ののろしを上げたことに。


あれから一週間がたった。ノエルの演説から二日くらいはシリルアも王様になるための儀式などがあった。しかしまだ代理ではなくシリルアが政治を動かしている。しかし軍事のことについてだけだが。そのほかのことは代理(と言っても実はノエルの父親だったりする)がやっている。シリルアは今魔王軍が攻めてきても何とかなるように国の守備を固めているところだ。まず『冒険家』として徴兵されていた人々を『軍隊』に入れ給与も報酬制ではなくしっかり給付されるようにする。さらに訓練を冒険者にもさせ、軍の兵士と冒険者で意見交換してもらう。いくら冒険者が強くても、対人戦の経験が多いのは軍隊なので底を改善させるためだ。またシリルア自身も魔法の研究をした。シリルアの元居た世界とこの世界では魔法のシステムが違うようなのだ。それに気づいたのはこの世界にきてすぐで、シリルアなら向こうの世界でもっと威力が出るはずの魔法が普通の一般人と同じ威力になってしまっていたのだ。しかしシリルアしか使えない魔法(例えば、禁忌経典魔法など)配力がそれほど変わらなかった(それでも下がっていたがまぁ違う理由だろう)。しかしそれも一つ結論が出、今日は今からシリルアが最後の実験をするところだった。
「もうだいぶ軍事も乗ってきたし、とりあえずは四天王が攻めてこない限りはなんとかなるでしょ。」
「そんなこと言って本当に大丈夫?」
「大丈夫だって。」
「うんシリルアねぇが言うなら大丈夫」
「ほんとかなぁ…」
シリルア、サーシャそしてエーリアはそんなことを実験場で話していた。なんとこの実験場はシリルアが魔法で作ったものらしい。外からは見えなく特殊な魔法でしか入れない場所。シリルア曰く小さな世界を作ったらしい。二人はもうそこで考えるのをやめた。
「じゃあ」
そういってシリルアがおもむろに魔力を練りだした。
「私がいたった結論を発表するよっ」

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