最強魔導士の異世界転生

Axsl

落城

「なに?用事って」
今私はノエルに呼ばれ王都のノエルの屋敷にやって来ている。将軍の血筋と言うだけあって大きな家なのだが何故か郊外にある子の家に今私たち3人、エーリア、シリルア、そして私は泊めてもらっているのだ。たまに兵士の訓練にも付き合っていて意外と歓迎されているようだ。しかしずっとここにいる訳にもいかない。魔王を倒す。その為にも神器を探しに行かなくてはいけないのだ。あと残りは一つ。しかしその神器は全く手がかりもないのだった。
「うん。ごめんサーシャ。私は魔王を倒しに行けないんだ。みんなのと一緒にはね...」
「え?」
てっきり来るものだと思ってた。確かに将軍という地位は大きく責任が沢山ある。しかし国にとってもシリルアたちと魔王を倒すため神器を探しに行くのが最善策ではないだろうか。今はちょうど魔王側も手だしをしてきていない。今が絶好のチャンスなのだ。そこへ将軍が行けば兵士の指揮も上がるはず。それにノエルの家にはノエルの他にも将軍がいるはずだ。
「なんで?将軍はノエル以外にもいるでしょ?三将軍って言われてたぐらいだし」
「他のふたりは死んだよ。...捨て駒にされた。王家に」
「え?じゃあ...」
「そう。私も捨て駒にされる。でもこの作戦には参加しなければならない。名目上は魔王城に攻め込むってことになってるから」
確かにそんなことをするのに将軍が参加しないってなると兵士や民衆はおかしいと思うはず。
「だからって...そんなこと...」
「私の家って嫌われてるんだよ。王家に。」
「え?なんで?」
「民衆に王家より人気があるから。自己中心的な政治しかしない王家に対して私達は民衆に寄り添うようにしてきた。貧しい人がいれば食料を与え、困っている人がいれば解決する。でも王家はそれが気に入らなかったのさ。自分より人気がある。そんなことに。誰も王様には逆らえない。権力は全て王にあるんだから。」
「そんな...でもなんでクーデターみたいなことが起こってもおかしくないんじゃ?」
「私たちには無理だよ。忠誠を誓ったものには逆らえない。そんな呪いをこの一家は受けている。」
「...そんな...」
「この家は力をつけすぎた。強い戦闘力は最も恐れるべき存在。そんなのは王家が放って置くわけがないんだから...」
おかしい。こんなのは間違っている。勝手に呪いをかけてその上で囮に使ったり嫌がらせをしたり...この家が郊外なのもそういう理由なのだろう。
「だからこれ、受け取って」
「いや」
「なんで...」
だってこれを受け取ったら
「これを受け取ったら、ノエル死んじゃう気がするから」
「ごめん。お願いだからこの刀をとっ」
「他、大変です!ノエル将軍!王城が襲撃されています!」
「は!?一体誰に!」
「分かりません!しかしたった一人の模様です!」
「...一人」
一人で...そんなこと出来る人は一人しかいない。少なくても私の知っている中では。
「ねぇノエル。今の話シリルアにした?」
「?したけど?」
やっぱり。


カツカツカツ。足音がよく響く。城の中は騒然として黒い炎が上がっている。衛兵は慌て犯人を倒そうと駆け回る。そんな城内の雰囲気とはあまりにかけ離れたゆったりとした足音。これは本人が諦めてしまったからか、それとも強者たる故か。きっと後者だ。なぜならたった一人に壊滅的な被害を受けているのはこの城なのだから。
「あそこだ!魔法使いは一斉射撃!」
「「は!」」
声のした方から火や氷、雷の魔法が飛んでくる。しかし足音の元、シリルアはもうそこにはいなかった。
「おそーい」
そういい指揮官らしき者の首元に剣を突きつける。
「え?...」
「死ねよ」
それの剣は無慈悲に躊躇泣く指揮官らしき者の首を切り落とす。
「!!」
「貴様!」
黒炎ブラックフレア
黒炎魔法。この炎はあらゆるものを燃やす。そして燃やし尽くすまで消えることは無い。燃えるはずがない城の壁も燃えているのはこの魔法があるからだ。
「あぁぁぁ!熱い!」
魔法使い全てが燃えるのを見て踵を返しまた進んでいく。カツカツと足音を立てて。


「はぁはぁはぁやっと着いた」
「なんなの?あれ...」
ノエルとサーシャは屋敷の使用人に呼ばれ白にやって来た。エーリアは屋敷で寝ていたのでノエルの関係ないこの子まで連れていかなくていいとの言葉もあって置いてきた。城は黒い炎で燃え、煙が上がっている。もう正直落城しているのではないか...そんなことまで思ってしまう。
「...とりあえず王室に」
「でもどうやって...」
「あっちに転移魔法があるから」
そう言って走り出すノエルについて行くサーシャだった。


「ここか」
シリルアの前には大きな扉がある。
「それにしても国落としがこんな簡単なものだったとはねードラゴン倒すより簡単だったな。まぁだいぶ疲弊してるってことだったしね。」
そう言いながら扉に掌を向ける。
爆破エクスプローション
大きな爆発がおき、扉が木っ端微塵になる。
「!!」
「こんにちはー王サマ」
「チッもうきやがった」
王様は金庫を開け中の財産を部下に袋へ詰めさせている。こんな状況でも相変わらずだ。
「い、行け!悪魔!」
王様がそう言うとどこからともなく魔法陣が飛び出し、異形が出てくる。言葉で表せないような見た目、恐怖そのものだった。
「悪魔だと?」
そうそれはこの世界のものでは無いことをシリルアは感じた。まるであの世から来たような。
「そうだ!この魔法は悪魔を召喚する。こいつは強いぞ?少し制御できなくて召喚者以外皆殺しにするが」
するとその異形はシリルアではなく財産を詰めていた部下に攻撃をした。しかし物理的には全く無傷。異形通り過ぎただけだった。しかし変化はすぐ訪れる。
「エノノネノテメヘホメケヒオユ」
部下はそんな訳の分からないことを言い出し笑っているのか泣いているのかよく分からない顔をしてそのまま倒れた。笑いながらヨダレを垂らし、涙を流し目を見開いて倒れている。惨い姿だ。
「精神攻撃...」
「そうだ!こいつに触れたものは全てを失う。生きながら死ぬんだ!」
さっきの部下に目を向けると確かに息をしている。なかなか厄介な敵だ。触れることは出来ない。触れることが出来ないなら攻撃も限られてくる。
「...強化エンハンスメント光龍シャイニングドラゴン!!」
シリルアの周りにあの悪魔とは対象的な白く明るい神々しいオーラが立ち上る。
「オラァ行けや悪魔ァ」
こちらに異形が向かってくる。
「そんなの悪魔じゃない」
そう、悪魔ではないのだ。悪魔はもっと気高くもっと強い。
光龍の息吹ブレス・オブ・シャイニングドラゴン
光のブレスが異形を包み込む。闇は光に呑まれ浄化されて小さくなっていく。
「な、」
さらに小さくなり、そしてなくなる。
「これはお前自身の醜い魂だよ!」
そう言ってさっきの部下に歩み寄るシリルア。彼女の方に触れる。すると呼吸は安定し、安らかな表情になる。そして目を覚ます。
「え?私?夢?」
「いいから逃げろ。」
「え?あなたは?」
「はやく」
「え?は、はい、」
そう言って部屋を出ていく。
「貴様ァ!」
「えーなに?そんな部下を奪われたの気に入らなかった?まぁ殺そうとするくらいなんだからどうでもいいよね〜」
王様に歩み寄るシリルア。龍化は切れている。そして、召喚魔法で短剣をだし王の首元に突きつけた。
「ヒッ」
そこへ魔方陣が浮かび上がり、そこから2人の人が表れる。ノエルとサーシャだ。
「ノ、ノエル!早くワシを助けろ!」
ノエルは一瞬驚いた顔でシリルアを見た後何かを決心したような顔になり王を見る。そして
「陛下。報告です。王都が魔族の襲撃に晒された模様。多くの国民が被害を受けています。」
とあまりに場違いなことを言う。サーシャは終始慌てた様子でそれを見ていた。
「そんなことはどうでもいい!早くワシを助けろと言っている!」
「どうでもいいとおっしゃいますか。国民がどれほど死のうとも?」
「貴様はさっきから何を言っているのだ!ワシを助けるのが先決だろう!」
「ノエルそれは本当なのか?」
その言葉を発したのはシリルアだった。
「うん。だからこの城にやってきた。」
「そうか」
そう言うと王の首に突きつけていた短剣をはなしすぐ外に出て行こうとする。
「はぁはぁよくやったぞノエル。このままアイツを殺してくれ!」
シリルアが少し離れたすきにそう言い放つ王様。しかしノエルは全く動こうとしない。
「おい!早く殺せ!」
「シリルア。ごめんさっきの嘘。王都に魔族なんて来ていないよ。」
「「え?」」
「貴様ァ!どういうつもりだ!このまま国民共を助けに行くという愚策に走ったすきにこいつを殺すんじゃなかったのか!」
「陛下。お言葉ですが国民を助けに行く事を愚策と言う者に王と呼ばれる資格はないと思います。」
「うるさい。貴様は王に忠誠を誓った身!それを破れば呪いで死ぬぞ!」
「はい。私はに忠誠を誓いました。あなたに誓った訳ではありません。」
その一言の後今の王が王と呼ばれることはなくなった。

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