最強魔導士の異世界転生

Axsl

悪魔憑依

そこには一人だけ立っていた。黒色魔力を纏いおぞましい雰囲気を持っている人が。しかし見た目は人間のと全くおなじ。いや正真正銘人間だった。しかしシリルアなのかと皆疑うほど見た目は変わっていた。髪の毛は元々の眩い金色から黒色に変り、長さも伸びている。魔力も元から強大だったのにさらに膨れ上がり雰囲気もおぞましいものに変わっている。まるで悪魔・・のように...
「シリルアなの...」
サーシャは心配そうな声でそう言う。
「...サーシャか...それに他のみんなも。悪い下がってて」
「え?」
「下がって!危ない!」
「ッ!」
シリルアはそう叫ぶと同時にゾダーグが瓦礫から出てきてシリルアに襲いかかる。しかし軽々とそれを避け勢い余ったゾダーグの後頭部に蹴りを入れる。5mほど吹き飛ばされたがさすがと言うべきか体勢を立て直し立つ。よく見るとゾダーグの体には何本もの剣が刺さっていた。
「硬いな」
「ハァハァ。人間にもこれ程の奴がいるとはな。この俺がこれ程やられるとは」
「...」


それはサーシャとノエルが出会ったばっかりの時。致命傷とも見える大怪我を負ったシリルアにゾダーグの魔法が迫っていた。その瞬間シリルアは思考を巡らせる。
『この傷あれを使えば何とかなるハズ。でも終わったあと万が一の事があれば…いや、こいつは何としても私が倒さないとダメだ!』
その思考を一瞬で行い魔法が目の前に来た瞬間
悪魔憑依デモンズ・ソウル
たちまちシリルアの周りを黒い魔力が覆う。直ぐに魔法が直撃するがまるで黒色の魔力によって防がれているようにシリルアの周りだけ魔法が通らない。地面に辺り大きな振動が起こる。シリルアの方はその黒い魔力が体の中に入っていき
「アァァァァァァ」
苦痛を感じ悲鳴をあげる。だが、魔法が失敗したという訳ではなくみるみるうちに傷が治っていく。さらにシリルア自身の髪が伸び黒く染っていく。魔法で起きた砂埃の中には黒い長髪で元々赤かった目がさらに紅く光っている黒い魔力を纏ったシリルアが立っていた。
「なんだ、それは」
連鎖爆発・悪魔デモンズ・チェインエクスプロージョン
すると爆発が起こる。しかしシリルアの使う魔法連鎖爆発チェインエクスプロージョンの爆発よりさらに大きな爆発が。それは元の魔法の比にならない威力でこの魔法ひとつで街がひとつ滅ぶだろうと言われる威力。流石のゾダーグもこれにはダメージを受ける。
「グッ...何だこの魔法」
「召喚魔法 剣 多重召喚 悪魔の剣雨デーモン・レインソード
空に無数の魔法陣が出現したそれ一個一個に剣が召喚される。その数はゆうに千を超える。シリルアは片手をあげる。するとそれに反応するかのように剣の切っ先がゾダーグに向かう。そしてスっと手を下ろす。無数の剣達はそれに従いゾダーグに向けて一斉に向かい始める。
「なんだ...と......っ!はぁぁぁぁあ」
それに応戦しようと魔力を高める。最初の超高速で迫ってくる剣をなんとか交わし地面に刺さっさそれを引き抜き次の剣をそれで弾く。さらにその次の剣をと次々に弾いていくその姿は流石としか言い表せない。だが数千本の剣さすがに防ぎ切れるはずもなく徐々に切り傷が増えていくゾダーグ。そして残り100本ほどなった時一気に崩され体のあらゆうところに剣が刺さっていく。
「あ”あ”ぁぁぁ」
しかしまだ何とか倒れないゾダーグ。しかし動きは明らかに止まった。そのすきを見逃さずシリルアは直ぐに移動し殴る。数メートル吹き飛ばされたゾダーグは瓦礫の中に埋もれさせられる。そこにサーシャ達が出てきた。


「...」
「だがその程度の攻撃ならまだ倒せんぞ!」
「いや次の一撃で終わらせる。」
「は!まだ本気は出しておらんぞ!」
そう言うとさらに魔力が大きくなるゾダーグ。変化は直ぐに現れる。体はさらに大きくなる。そして巨大化が終わると元の体の3倍ほどのサイズに変化していた。
「これでも勝てるのか!」
そう言って右手に魔力を纏う。そして一気にその拳がシリルアに放たれた。
死の一撃デス・ショット!!」
「シリルア!それはダメ!」
ザックの防御を貫いた攻撃。恐らく彼は防御力なら群を抜いてノエル達より高かった。それを貫いたのだ。かなりの威力の魔法だ。しかしシリルアは避けようとしない。目の前まで拳が迫る。そして
「シリルア!」
直撃した。しかし全く動かないシリルア。吹き飛ばされるのでもなくそこから全く動かないのだ。異様な状況しかしシリルア以外で唯一状況が飲み込めている者がいた。ゾダーグ。彼は苦い表情をしてシリルアを見ている。拳の方を見るとなんとゾダーグの方へ押し返されているではないか。よく見るとシリルアが纏っている魔力が押し戻しているのだ。
「なんの魔法だ!」
「魔法?そんなの使ってないけど。これは悪魔の魔力普通の魔力より濃いから実体を掴むことすらできるんだ。それより今度はこっちの番。行くよ!禁忌教典アカシックレコード第7項無の禁忌暗黒時代・悪魔デモンズ・ダークエイジ
さらに黒い立方体が現れる。そこに閉じこめられる。禁忌教典アカシックレコード第7項無の禁忌。この魔法に取り込まれたものは目も耳も感触も何もかも感じない異空間に永遠に閉じ込められる魔法。悪魔の力を使っていなければシリルアも上手く使えこなせない魔力。しかし敵にはこれ以上ない苦しみを与える悪魔に相応しい魔法だ。黒色箱は初めはゾダーグの体より少し大きいくらいだったがだんだん小さくなり消えていった。そこにはゾダーグの姿もなかった。
「クッ」
シリルアからふっと力が抜け倒れ込む。髪の長さはみるみる短くなり色も元の金色に戻る。黒い魔力も空中に霧散し元の姿に戻った。しかしそのままシリルアは倒れてしまった。
「シリルア!」
「シリルアねぇ!」
サーシャとエーリアが駆けつける。
「大丈夫だって...ちょっとこれ使うと魔法がしばらく使えないだけだからさ」
そう言って笑顔を見せる。悪魔憑依デモンズ・ソウルは大きな力を発揮する変わり、変化時には苦痛を伴い、変身後にはしばらく魔法が使えなくなる。
「...あっ!傷は!?」
サーシャはそう言ってシリルアの腹を見る。しかし貫かれたはずの傷がそこにはなかった。
「あぁ。これ使うと傷も治っていくんだよ。超速再生って言うの?それが悪魔自体に着いているから」
「良かった!...」
「サーシャ!」
「え?」
しかし安堵も束の間次の脅威がやってくる。弓矢が3本飛んできたのだ。しかしそれをジークが魔剣で撃ち落とす。
「誰だ!」
ノエルが弓が飛んで来た方にそう言う。すると瓦礫の影から4人の魔人が現れた。
「はっあれは...」
「四天王...」
「してんのう?」
ノエルとサーシャ、ジークは誰か分かったようだがエーリアはいまいち分かってないようだ。
「魔王に使える直属の部下のことだよ。実力も相当なものだ。4人の相手だったらきっとゾダーグより強いね」
そうノエルが言う。
「あんな化け物と一緒にしてもらっちゃあ困るよ。さすがに私達もあんな馬鹿げた強さはないしー。ねえ?カーショア」
「ヤシャの言う通りですわ。」
ヤシャと呼ばれた魔人は女性でピンクの髪の毛をツインテールにしていて背は4人の中で低い。服は割と露出の多い服を着ていて武器も持っていない。格闘で闘うのだろうか。対してカーショアと呼ばれた魔人も女性だが魔法使いのような白いローブを着ていて指輪も沢山はめている。見た目は長い白色の髪の毛をそのままおろしており、目は垂れ目で少しおっとりした感じの印象だ。
「でもよお。その化け物を倒した化け物もいるじゃねえかよ!まぁ後ろで伸びてるんだけどなァ」
「うるさいですわよ。ジクルド。」
「でもよお。あの強さは流石に俺たちでもきついんじゃねぇか?」
「...そうだな...だが魔王様には及ばん」
「へへっ何言ってんだナージャ。そんなの当たり前じゃあねぇか」
ジクルドと呼ばれたうるさい魔人は赤い短い髪をしていて大きな斧を担いでいる。上半身は何も来ていなく下は八分丈のズボンを履いている。ナージャの方は青くて長い髪をなびかせ、青を基調としたコートとズボンを着ている。得物は直剣で柄が青い。
「まずいなこの状況」
ノエルが刀に手をかける。
「お?やるか?なぁ俺一人で4人相手していい?」
「えー私も戦いたーい」
「いいではありませんか。ヤシャ。どうせ後ろに伸びているの以外は相手にもならないでしょ?」
「うー。それもそうかー」
「つーわけだ。ほらかかってこいよ」
「ッ」
4人が魔力を高める。
火龍の鉤爪フレアドラゴンクロー
「月華刀裏の型。月華水明!!」
「ベント・ディ・スペード!」
「ゼロ・アプソデゥ」
ジクルドにエーリアの炎の鉤爪が迫りノエルの居合が抜かれ、ジークが魔剣で切りつけ、サーシャの絶対零度が襲う。しかしジクルドが斧を一振しただけで大きく空気が震え突風が吹き4人とも吹き飛ばされてしまう。
「この程度かよ?おい!」
「嘘...これじゃあゾダーグとそんなに変わらない...」
「初めに死ぬのはお前か?えぇ?!」
最初に狙われたのはノエル。吹き飛ばされた衝撃で身動きが取れない。大きくジクルドが斧を振りかぶり振り下ろす。しかし振り下ろされた先にはノエルはいなかった。代わりにサーシャの近くでノエルが転がされる。
「ハァハァ。次から次えと...でもまああんた達が長々と話してるから動けるようになったわ。」
そこには黒い魔力を纏ったシリルアが立っていた。

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