最強魔導士の異世界転生

Axsl

ザックは...

「ねぇノエルさん。ザックは?」
「...そうだね。サーシャには伝えなければ行けないねここで何があったのか...」



3時間前
まだシリルア達は洞窟の中にいた頃悲劇は起きた。
「ノエル殿!敵の中将を討ち取ったとの報告が!」
「うん、ありがとう。下がっていいよ」
人間軍は押していた。兵士だけではなく多くの腕利きの冒険者。そのおかげでだ。このまま行けば人間軍は勝てる。そうみんな思っていた。しかしノエル達はそう楽観視することもできなかったようで
「なんかこれだけ順調だと逆に不安だね...ジーク」
「そうだな...このまま終わればいいけどな」
「まぁもしもの事があれば俺達も出るしあ大丈夫でしょう!」
「ザック...油断するなよ」
「もちろん!」
ザック以外の本部の人たちは険しい顔をしている。そんな時だった。異変が起きたのは。本陣テントの中に1人の兵士が入ってくる。
「大変です!ノエル殿!」
「なんだ!何が起きた!」
「はっ!それが急に敵兵がひとりでに倒れていきまして。私達共にも何が起きたのか...」
「敵がひとりでに倒れていく?...」
状況が飲み込めない3人はとりあえず外に出てみることにする。外に広がっていた光景は異様だった。人間はみんな立っている。しかし魔物は誰一人として立っていないのだ。戦った形跡はあれど無傷で倒れている敵兵もいる。これだけを見れば人間が勝ったようにも見えるがみんな困惑していて喜んですらいない。
「なんだよこれ...」
その直後。大きな揺れが起きた。
「は?今度はなんなんだ!」
珍しくノエルが動揺した声を出す。そしてその一瞬後敵の本陣の上空から光が見えたかと思うと。
「ッ!危ない!」
ジークとノエルが反応しザックを連れて遠くに飛ぶ。さっきまで彼らがいた所には光線のようなものが通り黒く焦げ所々は溶けたりしている。
「なんだよ!こんな攻撃...」
今の攻撃で味方がだいぶやられた。しかしこれだけでは終わらず今度は上空に魔法陣が無数に出現した。
「今度は何?...」
そしてその魔法陣からは直径5メートルほどもある隕石が無数に落ちてきたのだ。
「くそっ!」
ノエルは刀、ジークは魔剣、ザックは盾と槍をそれぞれ構え隕石を迎撃する。ノエルが隕石を切り、ジークが魔力で浮く魔剣で砕き、ザックが盾で2人を破片から守る。3人の動きは完璧だった。しかしノエルは元々パーティーではなかったし、ジーク達も1人足りない。長く続く隕石攻撃を防いでいるうちにだんだんと綻びができてくる。
「くそ!ジーク!ノエル!このままじゃ防ぎきれないぞ!」
「ああ、分かってる!くそ!サーシャが居ればいくらかは...」
「いない人をどう言っても仕方ない!何としても生き残るんだ!」
周りの兵士も次々にやられていく。少し大きな破片なら当たるだけで即死級のダメージを受ける攻撃を防ぎきれなかったものから倒れていき最後には
ノエル達3人しか残らなかった。そこで隕石は止む。
「ハァハァハァハァ」
「くそ!こんな攻撃何度もしてきたら不味いぞ!」
「へっもう防ぎきる気がしねぇぜ...」
口々にそんな言葉が出てくる。
「もう私達しか残ってないんだね...」
ノエルがそう沈んだ声で言った。空気が重い。その空気を破るためかジークが大きな声を出す。
「と、とりあえず、サーシャに手紙を出すべきだよな!」
「そうだね。」
ノエルは指笛を吹きしつけた伝達鳥を呼び出す。
「よろしくね」
サーシャ宛に手紙をわたし伝達鳥を送り出した。そして敵がいると思われる方に向き直る3人。
「来る...」
各々自分の武器を構え、緊張した空気が走る。そしてそれは突然やってきた。ものすごいスピードで何かやってくると思ったら気づいたらそこにいたのだ。
「っ!」
「はやっ」
「誰だ!」
そこには龍のような顔に2本の角が生えていて目は鋭く全体的に黒色の色をしている。体つきもよく筋力があるように見える体は顔とは違って二本足で立っていて人間のようだ。しかし体も黒くなっていてそれはまるで魔人のようだ。
「我が名は魔人龍ゾダーグ!貴様らを殺すために生まれた」
「ゾダーグってここの将軍じゃ...はっ!もしかしてこの魔物達も」
ゾダーグと名乗った魔人龍に対して何か思ったことがあるのかノエルが少し考えしかし直ぐにその答えが見つかったようでゾダーグにそう言う。
「そうだ。この魔物達はわれが魔人龍になるために生贄になってもらった」
どうやらあの大きな力にもふくさようのようなものがあるらしい。
「そうか...が減ってよかったよっ!」
最初に仕掛けたのはジーク。大きな禍々しさまで感じる魔剣を魔力で操り攻撃する。ジークの魔剣は魔剣ファントム。最高レベルの魔剣で並の盾や剣なのは有無を言わさず破壊する。しかしそんな攻撃ゾダーグは片手で止めてしまった。
「くそ!めちゃくちゃかよ」
「そら。お返しだ」
さらに魔剣ファントムをジークに向かって投げ返す。
「は?クソ!」
慌てて避けるジーク。間一髪のところで避けたが一瞬前までジークがいた場所は地面がえぐれている。
「クソこんなもんに当たったらただじゃ済まないな」
「今度は俺だ!」
そう言って飛び出したのはザック。彼の片手剣と盾は聖盾剣ジャスティス。剣は全ての攻撃を切り裂き盾はすべての攻撃を防ぐと言われている。
「オラッ!」
ザックは盾を前に向け攻撃を防御できるようにしながら上段切りを決めようとする。しかしゾダーグが一瞬貯めたかと思うと盾に大きな攻撃が加わった。ゾダーグが放ったパンチは盾を貫通してザックにも直接ダメージを与える。
「クハッ」
「チッ。強すぎる...」
「ジーク!ザック!下がって!!」
ノエルは2人を下がらせる。
「ノエル!1人じゃっ!」
「うるさい!魔力の切れたお前達じゃ足でまといだって言ってんの!」
「...」
ジークとザックは冒険者。この戦場ではずっと戦ってきた。さらにジークに至っては多くの魔力を使う魔剣を使う。魔力はもう限界だった。
「ゾダーグ。覚悟しろ。この程度で人間は負けない!」
白い鞘から刀を抜く。刀身も白い。霊剣月華刀。霊双剣と同じ神器のひとつ。昔から伝わってきたサーシャの家の家宝である。唯一の国が持っている神器であり将軍が持つのが相応しいと言われる刀。鞘から刀を抜くとそこから溢れ出る魔力がこの刀の力を表している。
「はっ!」
ノエルがそう気合いと一緒に飛びだす。一瞬でゾダーグの目の前に表れ一閃。右肩から左腰まで斜めに切られた。しかし少し仰け反るだけでさほどダメージを受けた様子はない。
「化け物」
そこからさらに追撃しようと刀を振りかぶるがそれより早くゾダーグの蹴りが迫ってくる。しかしまるで瞬間移動したような速さでゾダーグの後ろに回り込み突き。だが硬い皮膚に阻まれ刃が通らない。
「うそ...」
一瞬ノエルが動揺した瞬間に振り払われ吹き飛ばされる。
「お前はまだやるようだな。だがここまで。死ね」
右手に魔力を集め始める。
「ノエル!不味い!最初の魔法だ!」
危険を察知したジークはそう叫ぶ。
「なめんなって言った!人間の力見せてやるよ!月華刀裏の型。月華水明」
「オラァ!」
技名を言った瞬間ゾダーグの手から魔力の光線が放たれる。ノエルに迫る光線。しかしノエルは刀を鞘に収め構える。そしてノエルにあたるギリギリの距離で
「セイッ!」
居合。光線を斬って行く。しかしその威力も光線の前では一歩足りなかったようだ。
「え?なんで...」
「その刀神器と見た。俺には神器は効かない。」
「え?...」
勢いが無くなった居合切り。何とか光線は防ぎきれたがノエルの居るのはゾダーグの目の前。このままだと次の攻撃は必ず当たる。そしてそんな事を予想していたかのようにもうひとつの魔法をゾダーグは用意していた。
死の一撃デス・ショット
魔力を纏った拳が目の前に迫る。
「ここまで」
「まだ!」
そこに割って入ってきたザック。盾で防御していたが...
「ダメだ!」
「おぉぉぉぉ」
直ぐに盾が割れゾダーグの拳がザックに直撃する。2人で吹き飛ばされ、地面に転がされる。
「ザック!」
当たったのは腹のようで血がとめどなく流れていて腹を抉られている。もう...
「逃げ...て...早...く」
「でも!ザックは!」
「ジークと...サーシャを頼む...」
「え?サーシャ?なんで...」
「早く...」
そう言って息絶えてしまった。もう動くことの無いザックを見てからジークに言う。
「逃げるぞ!早く!」
「え?ザックは?」
「うるさい!こいつには勝てない!」
この会話で直ぐに察したのか息を呑むジーク。
「分かった」
そう言ってゾダーグに背を向ける。
「逃げさせるわけないだろ!」
光魔法フラッシュ
一瞬の目くらまし。しかし2人の手練が逃げるのは十分だった。光が弱くなる時にはもう2人の姿はなかった。


「こうしてこの洞窟を見つけて逃げ込んだわけ。」
「そっか。やっぱりザックは...」
「うん...でも彼のおかげで私達は逃げられた。彼の死を無駄にしないためにも何としてもゾダーグを倒さないと」
「...そうだね」
「そろそろ着くよ!」
出口の光が見えてきた。この先には強敵ゾダーグが待っている。
「ジーク、魔力はどう?」
「おう。もうだいぶ回復したよ。行くぞノエル。さっきみたいにならない!」
「うんそうだね。」
士気は高い。きっと勝てる。そうみんなが思っていた。出口にはすぐそこ。...外に出る。しかしそこから見える光景はみんなが思っていたものとは違った。

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