最強魔導士の異世界転生

Axsl

龍人

連鎖爆発チェインエスクプロージョン!!」
ドラゴン退治から1週間後、シリルアは依頼をこなしていた。
「これでベヒーモスも討伐っと」
ドラゴンを1人で倒したという噂はすぐに広がりシリルアの元には依頼が沢山舞い込んでくるようになった。どれも危険度は高くドラゴン程ではないにせよ手強い相手だ。しかし報酬も多くだいぶ沢山のお金を1週間で集めることも出来ている。
「これの報酬も合わせればしばらくは稼がなくていいかな。それにしても熱いなーここ。...ん?なんか...」
足音がした。そう言おうとしたシリルアは言葉を飲んだ。今いるのは火山地帯。ベヒーモスの討伐に来ていたのだ。辺りは川のようにマグマが流れていて普通の人なら近ずけない。要するに普通の人じゃないのだ。気づいたことは知らせない方がいい。そう思った。
「まぁいいか。帰ろ。」


「はいキマイラとベビードラゴン、オロチとベヒーモスの討伐を確認しました。これは報酬です。」
そう言うと受付嬢はしっかりと重みのある袋をシリルアに渡した。
「あーそれと私そろそろ街出るから依頼は打ち止めといてー」
「はい...残念ですがそう伝えておきます。」
「うんお願いね〜」
そう返すとシリルアはギルドを出ていく。大通りを歩いて街の端の方で細い道に入る。だんだん人が少なくなっていき、薄暗くなっていく。そこで立ち止まると
「いつまで着いてくるんだよ」
誰に聞くでもなくそう言うシリルア。するとその瞬間物陰から人影がシリルアに飛び掛ってくる。それをかわし魔法を使う。
氷の牢獄アイス・プリズン
すると一瞬前までシリルアがいた場所に水色の魔法陣が浮かぶ。そこに人影が来た瞬間細い氷の柱が何本も生えて囲う。さらに屋根も出来牢屋のようになった。
「ん?」
シリルアはその人影を見て衝撃を受けた。太い尻尾が生えていて耳は先がとがっていて、さらに鱗のようなものもところどころ生えている。他にもドラゴンのような特徴がある。しかし全体的には少女のような姿だ。まるで人間とドラゴンをかけあわせたよう。
「なに?その姿はっ!」
しかし、シリルアがそう言い終わらないうちに少女は動いた。少女の周りに紅いオーラのようなものが浮かび上がった。まるでシリルアの龍化のようだ。
「なっ!?」
さらに熱が発せられ氷の檻が溶けていく。
「やば。ここじゃまずいな...」
完全に檻が溶けたところで飛びかかってくる。
「グッ」
そのままシリルアにパンチがヒット。少し吹っ飛ばされる。
「くそ。強い...」
すぐ体制を建て直し逃げる。街の中で戦うのはマズいと考えての事だ。しっかりと少女もおってくる。しかし少女の方が早いらしく追いつかれそうだ。
「早っ。くそあと少し...」
しかし目的の場所まで逃げきれず方を掴まれる。
火龍の吐息ブレス・オブ・ファイアードラゴン
「は?」
聞き覚えのある魔法を少女が唱え口からブレスを吐き出す。その事に一瞬気を取られてしまったシリルアは何も対策することが出来ずものに食らってしまった。また吹き飛ばされるシリルア。しかし今度は運がよく広い草原に落ちた。
「いって」
何とか立つシリルア。直ぐに少女もシリルアの前に降り立つ。今度は右手に魔力を集中させまるで爪のように炎を纏う。
「マジか」
火龍の爪フレアドラゴンクロー
少女は右の手を振りかぶりながらジャンプし上から爪を振り下ろそうとする。
強化エンハンスメント氷龍アイスドラゴン
素早く龍化するが攻撃まで間に合わず後ろに飛び回避する。しかし少女も魔法を発動したまま追いかけてきた。
「くっ氷龍の爪フリーズドラゴンクロー!!」
今度はシリルアの右手が氷を帯び、爪のような形になる。そして少女の火の爪に向かって攻撃する。衝突する2つの竜の爪。しかし不利なのはシリルアだ。氷龍と火龍ではどちらが強いかで基本的に有利不利が決まる。しかしそれは氷龍の冷気が火に対して有効なのであって氷龍の爪フリーズドラゴンクローのように氷を物理的に使う魔法は相性が悪いのだ。現に今、氷の爪は炎の爪が接触したところから溶けだし小さくなっている。しかし、シリルアも最強魔道士。このことは予想はできていた。だから次の1手を出す。
永久氷結エターナルフリーズ
すぐシリルアは少女の左手を掴む。そこからだんだん少女の体は凍っていく。この魔法は氷龍の魔法。触れたところからあらゆるものを凍らす氷龍の能力を色濃く受け継いだ魔法だ。どんどん氷の侵食は進んでいき方のあたりまで氷が行った時少女はさすがにまずいと感じたのか後ろにジャンプして間合いを撮る。そして凍った左手に炎を纏わせる。しかしこの氷は氷龍の氷。そう簡単には溶けない。そう思ったシリルアはすぐに追撃をしようと冷気をまとった拳を打つ。しかしその予想はすぐ裏切られた。みるみるうちに氷が溶けて行ったのだ。
「なっ!」
しかしもう追撃の勢いは止められずそのまま攻撃しようとする。対する少女は完全に氷が溶けた左手で殴りかかって迎え撃つ。熱を帯びた拳がシリルアの冷たい拳とぶつかり合う。真逆の属性で拮抗すると思われたがすぐに結果は出た。突き飛ばされたのはシリルアだった。
「熱っ」
少し火傷をした右拳。しかし火傷をしたことより自分の龍化が全く歯がたってないことが気になっていた。
「くそ。私の冷気よりあいつの熱気の方が上回ってるな...」
そう完全に上回ってるのだ。能力が。このままだと完全に不利。負ける可能性だってある。
「使うしかないかな...」
シリルアは龍化を解く。少女もさすがに疲れているのかすぐ襲ってこない。
デモン
バタッ
しかし発動する前に少女が倒れた。
「なに?」
直ぐに少女の元に駆け寄るシリルア。少女を見ると先程あったドラゴンの特徴はなくなっていて普通の少女の見た目になっている。だか熱があるように苦しそうにしている。
「熱は...あるな...あとは魔力も...」
魔力欠乏症。魔法を使うものは皆魔力を持っている。しかし魔力を持つ代償として魔力が尽きると命を落とすのだ。魔力欠乏症はその1歩手前でそのままにすると命を落としてしまう状態なのだ。さらにこの少女の場合栄養失調の症状も少し出ている。よく見ると痩せ細りしばらく何も食べていないようだ。
「こんな状態でこんな強かったの...」
とりあえずシリルアは自分の魔力を少し受け渡した。こうすれば少しは長く持つ。しかし回復させるには彼女自身の魔力を回復させる必要があるのでそれ用の処置を受けなければならない。とりあえず少女を担いで街へ行き病院へ向かった。


「龍人?」
いまシリルアは医者に話を聞いているところだ。見た通り魔力欠乏症と栄養失調だったそうだが少女のドラゴンのような容姿は何かわからなかった。しかしその特徴を伝えると直ぐ返ってきた返事が彼女は龍人であるということだった。
「はい。しかし龍人はこの世界ではもうほとんど居ないと言われております。この世界は昔は龍と人そして龍人が暮らしていた世界でした。しかしある時そこに魔神が現れて魔人と魔物が作り出されました。そして人はそれと相反する存在になり龍は魔物として見られるようになります。」
「え?なんで?龍と人間って元々仲良かったんじゃないの?」
「はい。しかし生み出された魔物の中に龍のような見た目をした者がいてそれと区別をしなかった人間によって普通の龍も倒されるようになってしまったのです。」
「は?なんで?」
「魔物が現れた時宗教が生まれたのです。その教えが魔物の姿をしたものは全て敵と言う教えでした。だから害のない龍も倒されてしまうようになったのです。それに腹を立てた龍達は魔物達の仲間になりました。大きな力を持っていた龍は魔神に気に入られ魔物の王とされます。ですが龍人は違いました。どちらの姿も持つ龍人は人間にも魔物扱いされ魔神には人間扱いされどちらにも属することは出来なかったのです。」
「それは...」
「はい酷い話です。さらに彼らはこの世界最強の種族でした。龍の力を持ち人の頭と素早さを持っている。だから人間にも魔神にも敵にされ両方と闘っていたのです。」
「それで絶滅したとされている?」
「はい。彼らの強さは本物でした。そんな状況でもしばらくは生き残り続けたのです。しかし人間側は異世界召喚を使い龍人族を滅ぼそうとしたのです。勇者の力と魔神後からの前では流石の龍人族もどうにも出来ず数が減っていき絶滅しました。そう思われていたのですが...」
「彼女がまだいるってことかーでもこれは彼女に話を聞かないと分からないね。」
「はいそうなんです。」
なぜ絶滅したと思われている龍人族がここに居るのか。なぜあんな所・・・・に栄養失調の状態でいたのか聞きたいことは沢山ある。ふと少女の方を見る。倒れた時よりだいぶ楽そうな顔をして寝ていた。
「まあ聞くのは起きてからだね。」
そう言い病室を出ていこうとすると
「あ、あともう1つ言わなければならないことが」
「なに?」
「教会には気おつけてください。先程言った宗教はまだ続いています。当時ほど熱心な信者はなかなか居ませんが教会の人はその限りではありませんから。それに教会は力のある組織です。彼らは奇跡を使いますから。」
「はぁまた教会か...」
すると病室のドアが向こうから開かれた。
「あの!シリルアさんはいますか!」
「ん?いるけど?」
「教会の人があなたをよんでいます!」
「は?」
まさか龍人がいるのがバレたのか?まさかそんなことは...そう思い医者の方を見るとなんのことかわかっていない様子。医者が教会に通告したとは思えない。彼はどちらかと言うと宗教の熱心な信者ってことは無いだろう。先程も昔の教会の批判のような事を言っていたし。なら何故呼ばれたのか。ここに龍人がいるのは医者とシリルアしか知らないのだ。しかし呼ばれたのなら行くしかない。そう思い玄関へ行く。出ると直ぐに教会の人らしき人に話しかけられた。
「シリルア殿あなたに龍人の疑いがかけられています。」
「は?私が?」
「はい。あなたが使用する魔法が龍魔法だと証言を受けました。」
「で?どうするの?」
「はい。疑いが晴れなければ魔物の仲間だとして処刑します。」
「は?」

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