最強魔導士の異世界転生

Axsl

Sレベルの実力

「早く始まらないかな?」
「おいどっちが勝つと思う?」
「そりゃあいくら新人が強いからって言ってもダイロンには勝てないだろ」
「でもステータスはSレベルだってよ」
「いくらステータスが高くても経験値がな...」
口々に聞こえるダイロン優勢という声。ここはアークスのギルド闘技場。凄い新人とギルドのSレベル冒険者ダイロンとの決闘があると知ってそれを見にたくさんの人が集まった。シリルアはその控え室に居る。
「なんでこんなもりあがるかななんでこんな盛り上がるかな...人来すぎだよ...」
「そりゃあそうだよ!噂になってるよ。凄いステータス持った新人がいるって。」
「それ流したの誰?」
「多分ギルド職員...」
ちょっと落ち込み気味なシリルアと話しているのはサーシャ。シリルアがこの世界に来て初めて会ったパーティーのメンバーだ。
「はぁー。ほんと嫌だな...」
そんなことを言いながらグダグダしていると
「おいそろそろだぞ!」
どうやら行かなければいけない時間になっていたようだ。
「そろそろ行ってくる...」
「うん死なないようにね」
「そもそもダイロンってそんな強いの?」
「一応Sレベルだからね」
「ふーん」
返事をしながらシリルアは闘技場に出ていった。


「おい出てきたぞ!」
「あれは新人のほうね!」
シリルアが出ていくと、より一層会場が盛り上がる。そして
「ビビらずに来たじゃないか」
ダイロンも反対側から出てくる。
「まぁね。こんだけ話題になってたら逃げずらいし」
「ダイロンもでてきた!」
「おー!」
さらに会場は盛り上がる。
「それじゃあ俺は初めから本気出させてもらうぞ!ポテンジメント!」
するとダイロンの体からエネルギーが溢れ出す。向こうの世界ではなかった強化魔法。普通強化魔法は元々の身体能力をアップさせるだけなのにこれは魔力によって新たな力を付けるような感じだ。
「それじゃあ私も強化エンハンスメント火龍ファイアードラゴン!」
シリルアの体の周りにも紅いオーラが出始める。
「はは、あれはまだ本気じゃなかったってか。おもしれぇ!」
そう言い更に力を上げるダイロン。そろそろ地面が揺れてくる。
「行くぞ!オラァ!」
最初に動いたのはダイロン。地面を抉るほどの脚力でシリルアの前に一瞬で到達する。そのまま目にも止まらぬ速さで斧を振り下ろす。
「はやっ!」
間一髪で斧を避けるシリルア。しかし斧が当たった地面が砕けクレーターのようなものが出来る。
「嘘だろ?」
どうやらダイロンはスピード、パワーが何倍も上がっているらしい。
「これを避けるとはなかなかやるじゃないか」
直ぐに後ろに飛び間合いをとるシリルア。しかし油断ならないということを今の一撃で感じる。
「こっちもが欲しいね。召喚魔法炎の剣ソード・オブ・プロメテウス
シリルアの右手のそばに魔法陣がでる。そこに手を突っ込み引き抜くとそこには炎に包まれた剣があった。
「今度はこっちから!」
そう言って間合いを一気に詰める。右から左に水平切り。ダイロンは反応しきれない。直接当たった。しかし何故か剣が全くの入っていかない。
「なっ!」
「俺が強化されたのはパワーとスピードだけじゃないぞ!」
どうやら防御力も上がっているらしい。異常な程に。
「くそ!」
そのまま切れるか焼けられると思っていたシリルアはそのまま一瞬固まってしまう。その瞬間にダイロンのパンチがシリルアの脇腹に直撃する。
「ガハッ!」
その勢いのまま吹き飛ばされるシリルア。5mほど吹き飛ばされたがなんとか体制を建て直した。
「はぁはぁ。くそ...」
「お?俺の一撃を食らっても生きているとはな。」
火竜の息吹ブレス・オブ・ファイアードラゴン!!」
間髪入れずに炎の魔法を出すシリルア。
「っ!」
それはそのままダイロンに直撃する。しかし煙が晴れると斧を杖替わりにしているがダイロンは立っていた。
「...なかなかやるじゃん」
「舐めるなよ!」
直ぐにダイロンは5mの距離を詰めるとそのまま斧で切りつけてきた。それをシリルアが受け流しそのまま攻撃に転じる。しかし今度はダイロンが斧で受け跳ね返す。どちらも引かない攻防戦。ありえない速さで繰り広げられている。
「ねぇ。シリルアさんって魔法使いって言ってたよね?」
「おう...そうだな...」
この戦いを見ているザックとサーシャが言う。
「どう考えてもその辺の剣士より接近戦強いよな。」
ジークもびっくりした様子で言う。
「そもそも接近特化のダイロンと互角とか...」
3人はもう声も出ない様子だ。その間にもシリルア達の攻防戦は止まらない。しかしこの均衡を破ったのはダイロンだった。魔道士のシリルアはさすがにダイロンより接近戦は強くないようで少しずつスピードに差が出ていたのだ。そしてとうとうシリルアが追いつけなくなり斧の攻撃を受けきれずはね飛ばされる。
「くそ」
「終わりだ!」
さらに追撃をしようとしたダイロンは斧を振り上げる。それを迎撃するためにシリルアも魔法を発動する。
火龍の爪フレアドラゴンクロー!」
右手・・・が炎に包まれるシリルア。そしてその炎の爪と斧がぶつかり合う。大きな衝撃が起こり勢いがあった爪と斧はぶつかり合ったところで止まる。
「おおおぉぉ!」
「...」
吠えるダイロン。しかしシリルアは静かに口元に笑みを浮かべる。するとシリルアの左側に空から赤い炎を纏った剣が落ちてくる。
「まさか!」
「オラァ!」
吹き飛ばされた時に上に投げていたそれを左手で取りダイロンを切り付ける。いくら防御力が上がっていても攻撃に集中していないと防げないらしい。それは撃ち合いの時にちゃんとダイロンか斧で剣を受けていた所から分かっている。しかし剣はダイロンに届かなかった。代わりに大きな地鳴りがした。さらに客席からも悲鳴が聞こえ逃げ出す者もいる。
「なに?これ?」
「まさか!...」
周りを見ると皆空を見ている。空に視線をあげるとそこにはドラゴンがいた。
「くそ!ドラゴンか!」
ダイロンも何やら焦った様子だ。
「おい!他にSレベルの冒険者はいないのか!俺一人じゃとても...そうださっきジーk」
「いいよー。私がやる。そうだダイロン楽しかったよ」
「は?相手はドラゴンだぞ!いくらお前でも」
しかしシリルアはその声を聞かずにドラゴンに向かっていく。
「お、おい死にに行くようなもんだぞ!」
「なぜ新人がドラゴンに!」
そんな声もシリルアは聞いていない。瞬く間にシリルアはドラゴンの目の前に来た。
「さぁ私が相手だよー」
そう言ってドラゴンに向かっていく。そしてドラゴンの脳天にパンチをいれる。しかしもちろんドラゴンにはダメージが入っていない。そしてドラゴンはそれに対抗しようと顔を勢いよく上げようとする。しかしその寸前に
大火炎嵐フレイムテンペスト
魔法が発動しシリルアの手に魔法陣が浮かび上がる。炎が荒れ狂い炎の竜巻のようになる。火龍の炎は燃えるだけの炎ではない。全てを破壊する炎。その爆発力によりドラゴンは頭から地面に叩き落とされる。さらにシリルアは瞬間移動のような速さで落ちたドラゴンの腹の横に移動する。
強化変化チェンジ・オブ・エンハンスメント雷龍サンダードラゴン大轟雷ライジングサンダー!」
ドラゴンを蹴りつけるとそこから雷が発生し数メートル以上の巨体のドラゴンをふき飛ばす。
「嘘だろ?」
ダイロンは思った。完全に手を抜かれていたと。本領は剣技や、反射能力などの近接戦闘ではなく使える魔法の種類や威力なんだと。
「マジかよ...」
「うーん思ったより弱いな。」
『ガァァァァァ』
しかし吹き飛ばされたドラゴンは方向を上げすぐ体制を整えてブレスを吹いてくる。属性は氷。吹雪より強い冷気がシリルアを襲う。すぐ避ければ避けきれる。しかしシリルアの先にはほかの冒険者達がいるのだ。避けることは出来ないそう思った矢先彼女を呼ぶ声がした。
「シリルアさん!こっちは大丈夫です!」
サーシャはそういい炎をドーム状にしてほかの冒険者を包む。これで避けても大丈夫だと信じ横に飛ぶ。一瞬前にはシリルアがいた所に凍てつく冷気が通り過ぎた。
「属性は氷か。なんか向こうの世界のドラゴンと似てるな。まさか異質だとは思っていたけど五色のドラゴンってこの世界から来たとかじゃないだろうな」
そう言いながら龍化を変化させ雷から火になる。
「氷ならこっちの方がいいよね!火龍の尻尾フレアドラゴンテイル
距離をつめ魔法を命中させるシリルア。ブレスの後で少し気が抜けていたのかドラゴンはさらに少しだが吹き飛ばされる。そして吹きて飛ばした本人は魔法の反動を使って地面に降りる。
「サーシャ、みんな無事?」
「大丈夫だよシリルアさん」
無事を確認するとまたすぐサーシャに声をかける。
「じゃあ、ありったけ強い防御張って!すぐ仕留めるから」
「え?わ、分かった!ディフィーサ・アッソルータ」
サーシャが魔法を使うと周りに青い半透明の膜ができる。どうやらバリアのようだ。
「よしこれなら。」
「シリルアさん何する気?」
「まあ見てて。禁忌教典アカシックレコード第4項新星の禁忌」
シリルアは超しドラゴンの前に移動する。
『ギャァァァァァ』
ドラゴンも咆哮を上げながらシリルアに突進してきた。しかしそれを体を捻りかわす。勢いを止めて振り返るドラゴン。しかしもう遅かった。
超新星爆発スーパーノヴァ!!」
するとドラゴンの周りに魔法陣が囲うように現れる。そして全ての魔方陣ができた時同時に大爆発を起こした。爆風でシリルア自身も飛ばされそうになる。直接受けた訳では無いのにサーシャのバリアも少しヒビが入る。爆風と爆煙が晴れる頃にはドラゴンは地理になって消えていた。


「ふぅ終わったー」
「良かったーこんな強いなんてねびっくりしたよ!」
「あぁサーシャ。いやこっちこそサーシャがバリア貼ってくれなかったらここの人ごとぶっ飛ばしてたよ。アハハ」
「いやそれ笑い事じゃないだろ。」
「え?ダイロン。まだ居たのー」
「それより俺には手ぇ抜いてたのか!」
「いやー最初めんどくさかったんだけどやってると楽しくなってさーあの人ほどじゃないけど近接縛りしたらなかなか互角にやれるんじゃないかと思ってさー。あ、また続きやる?」
「いやいいです。死にたくありません」
「そう?」
ダイロンはそう言い残して闘技場を去っていった。

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コメント

  • ノベルバユーザー309328

    面白いです。応援しています。

    0
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