最強魔導士の異世界転生

Axsl

旅立ち

シリルアがギーク達を倒してからしばらく経って、ハイル王国と、グラン帝国は休戦協定に調印した。シリルアが出るまではグラン帝国が圧倒的に有利だったが、ホムンクルスが三体倒されさらにそれを作っている魔導士もいなくなってしまった。しかし1番大きかったのはシリルアだった。彼女にその気はなかったのだがこれから戦線に出てくるのかとグラン帝国は思いかなり焦ったらしい。そうやって結果的にハイル王国を救ったシリルアだったが今は今は追われていた。
「なんでみんな揃いも揃って追ってくるのよー!」
「シリルア様。お願いします!神様がお呼びになっているんです!」
「そもそも神様は忙しくて私に構っている暇がありません!」
「いや、そんなことないです!神様もあなたに一目置いてるんです!」
「いや、一目どころか二目も三目も置いてるわ!」
「は?」
と訳の分からない言い合いを神官達としながら逃げている。さすがの彼女も本気で走ることは街中ではできないがそれでも神官よりは速い。では何故まけないのか。それは神官達は30人で追ってくるからだ。
「ほんとめんどくさいんだよ!神様に祈るとか!なんでそんな必死なんだよ!」
「だから別に祈れとかじゃなくて、神様に会いに行ってくださいって言ってるんです!今神様が門を開けているんですよ!」
「嘘つけ!またそんな事言ってお祈りさせる気だ!」
「違いますって。」
「ふーんだ!闇隠密ダークハイド
「あー!きったね!」
「お、おい早く探せ!」
とうとう魔法を使ったシリルアだった。


「ふぅ。」
昔、こんなことがあってノコノコ着いて行ったら1日かけて神様にお祈りをされたことがあるシリルアは割と必死だった。
「ここなら誰にも見つからないよね…」
今いるのは路地裏。隠れる場所がありきたりすぎる。隠密系の任務とかに着いた時も敵の陣地に隠れずに正面突破してきてこなしてきたシリルアは割と本気で隠れるのが苦手だった。
「おい。いたぞ!」
「追え!」
「はぁー?」
ほら見つかった。
「くそー!...ん?王様から連絡?...ラッキー」
「何だ?立ち止まったぞ?」
「今だ!とり抑えろ!」
「残念。王様から呼び出しだよー。お祈りはまた300年後くらいにねー瞬間移動テレポート
「あ...」
神官たちの声が虚しく路地裏に響いた。


厳かな王室。そこにはハイル王国の王、ハイル・ジャグラズが玉座に座っていた。その隣には宰相がいる。きらびやかな金を多くあしらった柱や装飾。滑らかな大理石の床。王室に相応しい上品な雰囲気が漂っている。...そこへ彼女は突然現れた。
「うわわわ!」
急に現れ勝手に尻もちを着いた女性の名前はシリルア。ショートの金髪で目は少し猫目。幼い顔立ちなのに目だけはどこまでも見透かしているような澄んだ赤い目をしている。そんな彼女は立ち上がり
「あー痛った。急いでテレポートしたせいで...あ!王様こんにちわー」
「お、おう。随分と慌てていたようだな...」
「そうなんだよー王様。なんか神官が私をおって来てさ、丁度いいタイミングで王国から連絡きたから逃げてきた。」
そう王様に話すにはだいぶ無礼な砕けた感じで話すシリルア。しかしそれに異を唱える物はいなかった。
「あ、そ、そうか...」
「ほんとそう言うことかやめて欲しいよ。あ!それなんか法律的なので禁止しといてよ!」
「そうだな...確かに誰かの迷惑になるのだったら遠慮するように言っておくよ。」
「ありがと!それで?要件は何?」
「あ、...ち、ちょっと言い難いんだが...君に教会へ行って欲しいんだ。」
「なるほど。教会ね。...ん?キョウカイ...えー!」
それからしばらく駄々をこねるシリルア。王様に向かってそんなに私に神様にお祈りさせたいのか!とかそんな神に頼って政治したら神じゃない方の髪が王様に愛想つかしてなくなるよ!とか訳の分からないことを言い挙句の果てに王様のバカ!アホ!わからず屋!ハゲ予備軍!とか子供の言うセリフまで出てくる始末だ。それを何とか王様と宰相達となだめ1時間ほどしてやっと教会へ向かった。シリルアがいなくなった王室には酷くやつれた王と宰相がただ残っていたのだった。


「ほんとなんなんだよ。どいつもこいつもわたしを教会に生かせやがって」
どうやらシリルアは1時間、王様達に説得されたのにも関わらず納得していないようだ。文句をブツブツ言いながら教会へ向かう。教会に着くと神官が出迎えてきた。
「あ!シリルア様!やっとお越しくださいましたか!」
「あー来たよ。で?どこでお祈りすんの?」
「え?何も聞かされてないんですか?」
「あ?なんか神様が呼んでいるとかのは聞いたけど?あれ嘘だろ?」
「い、いやほんとですよ!」
「え?神様忙しくて私に構ってる暇なんてないだろ?」
「そんなことないですって!早く来てください。」
「...わかったよ...」
そうしてシリルアが案内されたところには最高司祭のサイオスがおり、その隣にはワープホールのような穴が空いていた。さらにそれはシリルアは見たことがあったのだ。
「あれは神界への門。あれホントだったんだ...」
そう言いながら近づくとそれに気づいたサイオスは
「お!シリルア殿。ようやくお越しで。」
「あーなんか悪かったね…私が勘違いしてたから...」
「ん?まぁいいです。神様がお待ちです早く神界へ。」
サイオスは知らない。街でシリルアと神官達が鬼ごっこを繰り広げていたのを...
「う、うん。分かった。」
そう言ってシリルアはワープホールに入っていった。
「それで?随分遅くなったようだが、どうしたんだ?」
サイオスは神官たちにそう聞く。
「それがサイオス殿...」
神官はシリルアが逃げ回ってなかなか捕まえれず。最終的に王様まで協力してもらってやっと連れてこれたということを話した。
「はぁー。さすが神殺しだな...」
「?サイオス殿。シリルア様は神様など殺しておりませんよ。」
「知らんのか?シリルアは神に勝っているんだぞ?それでいつでも殺せるから、神を殺せる唯一の存在としてそう呼ばれておるのだ。」
「神を殺せる...」
今更ながら神官達はとんでもないやつを追いかけ回していたんだと思い知ったのだった。


「...遅かったな。シリルア。」
「遅かったも何も急に呼ばないでよーカミサマーびっくりしたじゃん」
「まあそう言うなシリルア。今回は急だったんじゃ」
シリルアは今神界にいる。周りは真っ白い空間でどこまでも続いているような感覚におちいる。しかしどうやら地形はあるらしく歩いているとたまに坂になっていたり下っていたりするのは分かる。そしてその空間のシリルアの前にいるのがこの世界の神だ。白い髭を蓄えた老人のような見た目をしている。その通りで年齢はゆうに1000歳を超えている。しかしその年に反して体は筋肉質でとてもごつく実際闘いは未だシリルア以外の人間は誰一人勝つことは出来ないのだ。その老人はシリルアの前に腰を下ろした。それに続いてシリルアも座る。
「で?急な話って何?」
「それが世界がピンチなんじゃよ」
「は?戦争も終わったし平和じゃん」
「いやこの世界じゃなくて」
と神様が言ってもシリルアはキョトンとしている。この世界が平和なら一体どこがピンチなのか?
「別の世界じゃ!」
「は?」
「まぁ見るがよい」
するとよっこらせと言いながら立ち上がった神様はモニターのようなものを持ってきた。
「ここじゃ」
そこに映っていたのは何の変哲もない風景。今居た世界とほとんど違いがなかった。しかしすぐシリルアは異世界だと分かった。
「空が...」
そう。空が赤いのだ。夕方だからだとかそうゆう赤さじゃない。真っ赤に染った空は明らかな違和感なのだ。
「そうじゃ。これがこの世界の終焉の前兆。この世界には悪魔がいるのじゃが、今の代の魔王がずば抜けて強くてな。今まで均衡を保っていたパワーバランスが崩れてしまってな」
「それで私が魔王を倒してこいと?」
「そうじゃ」
「嫌だねー。だって私に関係ないし人間が負けるって悪魔側の気持ちも考えてやりなよ。いいの?神様が人間側に肩入れして。」
「そうじゃな...確かに勝手に魔王が勝つだけならいいじゃが...」
「なに?違うの?」
「あぁ。そうなんじゃよ。実はな、個の世界には異世界召喚という魔法があるのだ」
「へー。やっぱ異世界の魔法は凄いねー。でも呼ばれた人はたまったもんじゃないな。」
回りくどくめんどくさいといいってきたシリルア。しかし気付かないふりをして話を続ける。
「問題は悪魔が異世界召喚を行ったことなんじゃ」
「なんか悪いの?」
「元々悪魔の方が魔力も戦闘力も上だった。だから人間はずっと負け続ける歴史を辿って行ったのじゃ。しかし異世界召喚という技術が編み出された。異世界召喚を使うと召喚された人は加護を受けて強くなるんじゃ。それこそ魔王より強くな。だから均衡を保つことが出来た。しかし悪魔が異世界召喚をしてしまった。しかも悪魔は悪魔を召喚したんじゃ。元々強い悪魔がさらに強化された状態で召喚されたから人間は手も足も出なくなって行ったんじゃ」
「ふーん。元々人間しか使ってなかったずるを悪魔もしてきたってことかー。でもそれはそれで仕方ないんじゃないの?」
「いやちがう。実は異世界召喚の技術はあまりにも理不尽だった人間に対して神が与えたものなのじゃよ。わしの同僚じゃ」
神様に同僚とかいたんだと思いながらシリルアは聞く。
「で?なんで私が?」
「仕方ないじゃろ...シリルアしか頼れないんじゃよ...こんな強いヤツの相手できる人なんてこの世界にはシリルアしかおらん」
「はぁーそうかっー。...仕方ないかなーそれじゃぁ成功して帰ってきたら神官達に私はもうお祈りしなくていいって言っといて。」
「てことは行ってくれるのか?」
「まぁね。異世界の魔法もちょっと興味あるし。...で、約束は?」
「も、もちろんその通りにするぞい。そもそもシリルアにお祈りされるとかこっちが嫌だし...」
「まぁ自分より強いやつにお祈りされてもねー」
「う、うるさいわい。このワシは一応神様の間では武神として通っておるのだ!」
「へー武神ねー」
どうやら戦いにおいて優れた神だったようだ。それをシリルアが倒したということは...
「黙れ!黙れ!ほら早く行った行った。」
触れないでおこう。
「悪かったって。で?どこに行けばいいの?」
「あ?えーとそこの今来たところじゃないゲートに入れば行けるぞ」
神が指をさしたところを見ると確かに今来たゲートとは別のゲートが空いている。ワープホールのような。
「あれに入ればいいんだ。分かった。行ってくるねー」
「はぁ...気をつけて言ってくるのじゃぞー」
「はーい」
そう言ってシリルアは来た道とは違うゲートに入って行った。

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