最強魔導士の異世界転生

Axsl

最強魔導士出陣

「で?何?」
シリルアは王様に呼ばれ今王室にいる。
「...それが」
王様は言いにくそうだ。王の名はアルカナ王。いつもははっきりものを言う。このように何か言いにくそうにするのは珍しい。
「なにー?早くしてよ。」
「先程、戦に負けた。このままではこの戦争に負ける。」
「は?なんで?今までせんそうでまけたことなんてなかったんでしょ?」
「あぁ。しかし今回は違ったのだ。さっきの戦が最後の防衛戦だった。このままでは」
「なんでそんなに追い詰められてんだよ!」
「それは...」
「それは相手が今までになかった技術を持っているからです。」
そういったのはこの国の宰相だ。
「実は相手国はホムンクルスを使っているんです。」
「ホムンクルスだと?」
「ホムンクルス。生き物の遺伝子を操作し空想上の生き物や伝説上の生き物をの能力を持った人間を生み出す技術や生み出された生物のことを言う。しかしその研究のために大量の動物や人間の命を必要とする。そのためその研究が禁忌とされている。
「はい。それでもう手も足も出ずに...」
「で?私に戦って欲しいと」
「そうだ...」
今まで断られてばっかりだったのでアルカナは苦しい表情をしている。
「私は戦争はしないって言ってるでしょ?」
「...」
「でもホムンクルスは許せないな。」
「え?それでは」
「どこ?その相手軍がいるのは?」


「ホムンクルスか。」
今、シリルアは戦場に向かっている。結果的に戦争に出ることになってしまったが改造生物が出てきたのなら話は別だった。
「ホント許せない。魔道士として技術者として」
シリルアも魔道士だ。ネクロマンスなどの黒魔法も使うことが出来るしそれを使うのをためらわない。しかしホムンクルスは別だった。生きた人間をまるで実験道具のように使い苦しめ殺す。そんな何も罪のない人を殺すのが許せなかった。シリルアの魔道士としてのプライドが。
「見えてきた。」
そう言いシリルアは飛ぶスピードを上げた。


戦場に着くと酷い有様だった。降り立ったのは味方国の陣地。しかしほとんどけが人で戦えるものなどあまりいない。戦場に目を向けるとまるで大魔法が沢山打たれたようにある所は氷、ある所は溶けたり、またある所は燃えたりしている。そこには大量の死体があった。シリルアは状況を確認するため近くの兵士に話を聞いた。
「ねえそこのお前。」
「おい将軍に向かってどんな口を」
答えたのは話しかけた兵士じゃなく近くの兵士だった。どうやら将軍の部下らしい。しかも話しかけた人は将軍だったようだ。
「いいんだ。私はガルー。この戦場を預からせてもらっている将軍だ。貴女は?」
「私はシリルア。とりあえず状況が知りたい。教えてくれないかな。」
「!!...分かった」
少し驚いたようだが流石と言うべきか、すぐ冷静になり状況を教えてくれた。ちなみにほかの兵士はまだ固まったままだ。どうやら今はもう自軍に戦うための兵力がほとんど残っておらず残りの魔道士で壁を作り場をしのいでいるらしい。しかし魔道士もあと数十人しかいなくいつ破られるか分からないらし。
「で?ホムンクルスは何体居てどこに居るの?」
「はい。ホムンクルスは全部で三体。壁を壊している兵の後ろで待機していると思われます。」
三体。この数の少なさにシリルアは驚いた。確かに一体生み出すのにとても多くの時間や技術がいるからそんなにいないとは思っていた。しかしたった三体で戦場はひっくり返されてしまったのだ。ホムンクルスがいかに強力かわかる。
「分かった。行ってくるよ。」
「え?さすがに一人では...」
シリルアは将軍の言葉は聞かず出ていってしまった。
「よっ」
シリルアは大きく飛び上がる。そして盗賊団のアジトに入った時とおなしようにして羽を出し飛んだ。すぐ壁が見えてきてその壁を越える。
「よし見えた。」
そのまま敵陣の真ん中に降りる。
「はい皆さん。こんにちわ。せっせと壁を壊して大変ですねー。」
「なんだお前は!」
兵士が突然現れた謎の人に敵意を抱き、戦闘態勢に入る。
「その壁わたしが壊してあげよっか?まぁ」
そう言いながら魔力を増幅させていき
「お前らもぶっ壊すけどね」
そうゆうと同時に壁にそって大爆発が起きた。連鎖爆発チェインエクスプロージョン。魔力を不安定な状態で放出し漂わせる。そして1箇所の魔力の塊を爆発させその熱で次の魔力の塊へ、またその次へと連続して爆発させる魔法。しかしこの魔法は本来、魔力を充満させるのに時間がかかる。だがシリルアはその多くの魔力量と高精度の魔力操作で一瞬で準備をすることが出来るのだ。
「とりあえず雑魚は何とかなったかな。」
シリルアは倒した100人の敵兵に目もくれず敵陣の方を見る。そこには3人の人間のような生き物がいた。1人はこうもりのようなつばさが生えている。もう1人は獣のような爪が生えていたり、最後の一人は龍のような鱗があったり。所々ほかの動物の特徴を持っている。ホムンクルスだ。
「ッ!」
シリルアは魔力を端に纏わせ地面をける。一瞬で羽が生えているホムンクルスを殴りつけ遠くに飛ばす。そしてらシリルアはそれを追いかける。
「3対1は不利だからね。」
「オマエ テキ タオス」
ホムンクルスは片言でこういってくる。
「行くよ。召喚魔法」
そう言って直剣を呼び出すと上端に構え切りかかる。ホムンクルスの前で振り下ろしそのままならホムンクルスを真っ二つに出来るはずだったが
「クソ!」
ホムンクルスは自らの羽で体を守るように囲って防御した。羽は固くなかなか剣が入っていかない。シリルアは剣を使って反発し、ホムンクルスから遠ざかる。
「ほんと硬すぎるなー」
どうってことないというふうにシリルアはそう言い剣をしまう。そして魔力を体中に纏う。しかし魔力を完全に纏わせることは出来なかった。後ろから龍の鱗を持ったホムンクルスがやってきたのだ。
「っぶな。」
どうやら龍も飛べるようで魔法で浮いて移動している。
「はぁー。ちょっと本気出さないとな。」
そしてまだ魔力を纏い始める。
「そっちがそうならこっちだって。強化エンハンスメント火龍ファイアードラゴン
魔法を唱えるとシリルアが体の周りに纏っていた魔力がさらに大きくなり、紅くなった。そして少しずつ小さくなり、やがてシリルアのオーラのようになった。シリルアの戦闘状態のひとつ龍化。かつて5色の龍を倒し手に入れた力だという。身体能力が大幅に上がり、この状態しか使えない龍魔法が使えるようになる。龍魔法はそれほど魔法としては強くないが、その大幅に上がった身体能力と合わさると大きな破壊力を持つ。あまり魔道士が使わない近接技が得意な状態だ。しかし少し変化に時間がかかったせいでホムンクルスたちは魔法を打ってきた。龍のような方が炎のブレスを吐き出してきたのだ。
「龍もどき・・・。行くよ。火龍の吐息ブレス・オブ・ファイアードラゴン!」
シリルアも魔法を発動。こちらも口からブレスを吐く魔法。しかしホムンクルスの方より圧倒的に威力が高い。すぐホムンクルスノブレスを飲み込み龍みたいなやつに襲いかかる。敵は既のとこで避けたようだが左腕が燃えていた。その隙を逃さずシリルアは距離を詰める。しかし龍の方ではなくコウモリの方へ。
「はーっ!」
コウモリのホムンクルスへ回し蹴りを入れ吹き飛ばす。すかさず追いかけ
火龍の爪フレアドラゴンクロー
そう魔法を使い右手に爪の形をした炎を纏う。そしてコウモリ目掛けとて斜めに振り下ろす。
「ガ、ガ、ガ」
さっきの剣はあまり効かなかったようだが今度はしっかり聞いたようだ。しかしすぐ追い討ちはできなかった。後ろから思いっきり殴られたのだ。地面に叩きつけられた。地面はクレーターのようになり小さな隕石ならこれぐらいになるんじゃないかと言うぐらい凹んだ。
「っ痛」
どうやら獣のホムンクルスがやってきたようだ。
「はー結局三対一か...いや200対1だな...」
どうやら敵兵も集まってきたようだ。
「おいあそこだ!れいのシリルアだぞ!」
ゆうに200人はいるだろう。壁を壊していたのは1部だったらしい。そもそも見方がほとんど動けないのに飛び出してきたのだから1人で軍隊を相手にしているようなものだ。
「ちょっとこの数はきついかな。強化変化チェンジ・オブ・エンハンスメント黒龍ダークドラゴン
そう唱えるとシリルアが今まで纏っていた紅いオーラが黒く染っていく。5つの色の龍を変えることで使える龍魔法が変わるのだ。さっき使っていた火龍ファイアードラゴンは炎であらゆるものを破壊する龍だったのに対し、黒龍ダークドラゴンはアンデットの龍。死体を甦らせ、ゾンビ兵として戦う龍だった。
「いくよ。龍魔法死者転生ネクロマンス
魔法を使うと戦場で倒れていた死体が起き上がる。ネクロマンス。それは死者を兵隊として使う魔法。高度な魔法で術者が操作しなければ行けない分それほど死者を操れない。しかし死んだ人の身体能力、魔法、その他もろもろが使える。さらに龍魔法の死者転生ネクロマンス黒龍ダークドラゴンが使った魔法で、術者が最初に命令をすればそれに従い自律的に動く死体兵が出来る。よって本来ネクロマンスでは二三体が限界のところを魔力の余る限り増やすことが出来る。シリルアは戦場にある死体約150体を使ってそのネクロマンスを行った。これによってシリルア側151、ホムンクルス側約200プラス3の兵力差になった。
「とりあえずこれで雑魚どもはいいとして...」
そう言ってホムンクルスたちの方へ向き直す。龍、獣、コウモリ。三体別々の能力を持ったホムンクルスたち。シリルアはそれぞれの能力を分析し始める。
「龍は魔法で、獣が近距離戦闘、それでコウモリが空中戦か。やっぱ叩くんなら」
すぐ分析を終え飛び出したシリルア。真っ先に攻撃をしたのは龍のホムンクルス。しかしすんでのところでコウモリの羽に阻まれてしまった。
「くそ!」
そして止まったシリルアに対して獣の拳が近づく。
「今度は当たらないよ。黒龍の逆鱗ダークドラゴンスケール!」
シリルアは呪文を発動する。その瞬間シリルアの体に鱗のようなものができる。
「グァー」
龍魔法、逆鱗は防御力を上げ、さらに体に触れたものに傷をおわせる魔法だ。獣のホムンクルスの右拳は皮が剥がれ大量に出血している。そしてシリルアは攻撃を阻んでいたコウモリの羽を掴んだ。
「こんな何度も防げると思うなよー!黒龍の吐息ブレス・オブ・ダークドラゴン
魔法を発動。口から黒いブレスを吐き出す。しかしさっきのファイアードラゴンとは違いまとわりつくような闇だ。それがコウモリにまとわりつきコウモリは力を失ったように座り込んでしまった。
「黒龍は死を司る龍。この龍の吐息に巻き込まれたら生きるエネルギーは消えてしまうよ。」
コウモリが居なくなりあとは龍だけになってしまった。しかし龍はこのほかのホムンクルスが戦っている時に魔法を作っていた。
「オマエ コロス 流星メテオ
「っ!流星メテオ...」
空から隕石が降ってくる。しかしに向けて。
「あー黒龍解いちゃったらネクロマンスも解けちゃうけど仕方ないか...強化変化チェンジ・オブ・エンハンスメント火龍ファイアードラゴン
さっきと同じように黒のオーラから紅のオーラに変わる。そしてネクロマンス兵も同時に倒れてしまう。
「いくよ龍魔法火焔放流フレイムトリテント
シリルアの周りの地面が割れる。マグマのような熱が立ち上りそしてひび割れた地面から火柱が立つ。それが一斉に隕石に向かって伸びていき衝突した。一瞬でそのまま隕石が落ちてきたがすぐ隕石はヒビが入り割れた。しかし落ちてきた隕石の欠片はシリルアの周りに落ちてきて囲まれてしまった。
「チッ」
そしてシリルアは龍化を解く。
禁忌教典アカシックレコード第3項太陽噴火アトミックフレア
呪文を唱える。禁忌教典アカシックレコードとは読むことさえ禁忌とされ世界の果てに封印された教典のこと。そこには10個の魔法が記されており一つ一つが大きな力を持つ。しかしその強さゆえにそれに値する者のみが扱うことを許され力に値しないものは読むことさえままならない。世界の果てはそこにたどり着くまでにいくつもの試練を突破しなければならない秘境。今人類が使える禁忌教典アカシックレコードの魔法は九つありそのうちの7つはシリルアが持っている。そして今まさに使おうとしてる魔法がその3番目、太陽の禁忌。太陽噴火アトミックフレアだ。やはり禁忌の魔法なだけあって魔力量も相当必要なようだ。シリルアは魔力を極限まで高めていく。この時ばかりはシリルアも無防備になるがメテオの残骸がシリルアを囲むようにあるおかげでシリルアは守られている。そして高めていた魔力が徐々に熱を帯び始める。周りのメテオの残骸が溶け、シリルアが姿を表す。すかさずホムンクルス達が攻撃しようとするが異常な熱量に近ずけない。
「燃え尽きろ」
シリルアが魔法を放った。ホムンクルスや敵兵達の地面から紅い魔法陣が出現し何層にも空中に浮かび上がる。しかもとても大きくホムンクルスや敵兵達をすっぽりとおおった。そして1番上の遥か上空の魔法陣から太陽をかたどった熱の塊の球体が現れた。そしてそこから一番下の魔法陣まで火柱のような噴火のような熱が突き抜けた。光で真っ白に染まる視界。それはシリルアも同じのようで手で顔を覆う。そしてやっと見えるようになると魔法が発動した所は地面は黒く焦げ敵の死体は溶けたのか蒸発したのかあとかたもなく消えていた。

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