幸せになるためには

うさp主ᕱ⑅ᕱ♥

幸せになりたい(1)

人は誰もが幸せを願う。
だが、努力した全ての人が幸せになるとは限らない。
でも人間とは不思議なもので
幸せを願う心は生涯忘れたりしない。
ほんとに馬鹿なものだ。
だが、築いていないだけで夢がないっと主張している人でも密かに希望をもつ。
そんな1人の女のモノガタリ。

※この話は未来の話です。今じゃ実現できないものなどが出てきます。

私はまあ、大雑把に言うと低運だ。
私が大学を卒業してやっと憧れのネイリストになれると思ったら、ネイルのサロンで私を採用してくれる人なんていなかった。生まれつきの目つきのせいだ。
元々目が黒というか紫色で一重。
一重のせいで目には光はあまり入らず
小学生から中学までのあだ名は
「人殺しの目」
っと呼ばれていた。
高校からはいじめが始まり不登校。
2年生からは通信高校。
通信でもまだ前の高校からのパシリが続き、
遠く誰も追いかけられないような街へ引越し
そこでも臆病な私は通信高校へ行き卒業。
ネイリスト専門短大を卒業し
やっとなれると思っていたネイリストにはなれずいまでは、時給800円の居酒屋バイト。
前やっていたバイトは夜勤のガソリンスタンド。
時給は1000円。そのバイトでは、前の高校の人がいて、また、高校の時のようないじめが起こるのが嫌で、母に辞めさせられたのだ。
その2日後にストレスのせいか、母は離婚。
その後、母は自殺した。
父とは仲が悪かったので1人で生きていくことになった。
ほんとに災難だ。
月1万のボロマンション。自殺があったとされる風呂には今でも掃除しても取れない血の後が残っている。
住めるならそれでいい。
ただ時給800円で家賃が安くてもなかなかきつい生活だ。
毎日もやしに焼肉のタレをかけて食べる生活。
贅沢をしてもすき家の牛丼。
お寿司なんてここ3年ぐらい食べていない。
まあ、でもこれでもちょっとはしあわせだ。
それは、化粧だ。
学校では化粧は禁止だったためしていなかったが
二重にすると光の入らなかった薄ぐろい紫の目が光が入り100倍ぐらいマシになる。
そのため、居酒屋では多少話しかけられることはある。
連絡先をもらったり聞かれたりすることが多々ある。
いまでも、多分少しはちょっとはほんとにちょっとは幸せだと思う。多分。
そんな中、私の部屋のポストにある手紙が届いた。手書きだった。
「あなたの人生変えて差し上げましょう。」
大きな文字で書いてあった。
なんだこれはと思いつつ気になり下の方まで読んでみるとこう書いてあった。
「あなたが今抱えている苦しみを心臓の音1回につき1つ幸せにしてあげましょう。もし気が向いたら下のURLから申し込んでみませんか。あなたの不幸取り除きます。夢で逢いましょう。株式会社ココロ回収社」
この文を読んだ瞬間心臓がゾッとした。
不幸を取り除く?
そんなことは人間にできるはずかない。
誰かがイタズラで入れたのだろう。
それか、ただの詐欺だ。
そう思い携帯で調べると株式会社ココロ回収社についての記事はひとつも出てこなかった。
ありえない。そんなことありえない。あるわけない。
そう思っていた。
だが少しいいなって思ってしまった自分がいた。
「今日はもう寝よう」
気にしてちゃダメだと思い私は布団に入り目を閉じた。その眠りにつくまで考えていた言葉とは
「夢の中で逢いましょう」っと言う言葉だった。

そんな夜。私が眠りについた時一人のタキシード姿の男性が目の前にたっていた。
顔はすごく整っていた。だが薄暗い夢の中じゃ顔なんて少ししか見えなかった。
そして、タキシードを着た男性は
「あなたの闇を教えてください」
っと私に聞いた。
まさか、あの会社じゃ…。と思ったが
夢の中じゃ何故か気持ちが軽くて
自分が抱えている嫌なことを彼に伝えてしまった。
「あなたの心の闇。私が取り除きましょう」
そういい彼は笑顔を見せた。
「あなたの心臓はとても早くて元気だ。音もよく響く。とてもいい音だ。今回はあなたの闇を1つ消してあげましょう。その代わりあなたの心臓の音を1つ頂戴致します。」
そして私ははっと目が覚めた。
するといつものボロ屋だった。
なんだ、ただの夢じゃないか。
私が彼にあれほどボロ屋のことを必死に伝えていたから目が覚めると豪邸だったりとか考えていた。
でもそこで自分は彼の言葉を信じていたことに築く。
なんとも馬鹿らしくて何を考えているんだと呟いてさっとベットからでた。
そして着替え終わると冷蔵庫がカラなのに築く。
「そういえば切れてたな。買いに行かなくちゃ」
10円のもやしを買いにスーパーに私は出かけた。
そして買い物を済ませ家に帰ると
衝撃的なことになっていた。
家は燃え上がり私の部屋は跡形もなく潰れていた。
「住むとこがなくなっちゃう。」
そんなことを思って、カバンの中を見ると
1つ光るものがあった。
なんだろうと取り出すと
金色に光った鍵が入っていた。
その鍵の金具とともにある手紙も入っていた。
「驚いたかな。君自分の家に苦しんでいただろう。今日からこれ(鍵のところ)が君の新しい家だ。目を10秒閉じてはっと開いた時に出てくる紫の蝶を追いかけて。そこで着いたところが君の家だよ。」
文はここで終わっていた。
「なんで家が燃えたことを知っているの…。」
よく分からなかったけれど自分の家が燃えて、住むところがないのだからもしダメでも一度行ってみてもいいのじゃないかって思ってしまい、10秒目を閉じてはっと開けてみた。
すると目の前にはとても綺麗な紫の蝶が目の前にいた。 
突然ゆっくりと飛び出した蝶を必死に追っかけた。
すると一件の大豪邸があった。
豪邸というかお城というか。
とにかくとても綺麗な家だった。
「すごい。これが本当に私の家?おかしい。人の家なんじゃ…。」
そう思ったがスーパーに行く時にこと道を通ったがこんな家はなかった。
そして表札を見たら確かに自分の苗字だった。
本当かどうか確かめるべくドアの近くにある鍵穴にカバンの中に入っていた鍵をさすとすっと開いた。
そしてとても広い玄関があり、そこの棚の上の台にまた、カバンの中にあった手紙と同じ紙に、
「今日からあなたの家です。1つ願い事を叶えました。その分ひとつ心臓の音をもらいます。そして寝室にある本に今回の現象について書いてあります。」
と書いた手紙があり、
鳥肌が立った。
「本当だったんだ…。」
少し気味が悪くて、中に入るのが怖かった。
少し落ち着いて、靴を脱ぎ中にはいると
オーブンレンジ、ソファー、テレビ、包丁、テーブル、食器などが全て揃っていた。
「すごい」
こんな豪華な家は見た事なくて
貧乏人の私はものすごくテンションが上がっていた。
「洗濯機まである。すごいな。こんな家に住めるなんて…。」
どんどん前の家なんか忘れてきた。  
そうだそう言えば、寝室にほんがどうたらこうたらって書いてあったような。
行ってみよう。
行って見ると、そこはお城のお嬢様のベットのような感じで私には似合わないくらいの部屋だった。
そしてそこの横にあった棚の上に1冊のとても薄い本があって、そっと開くと会社の名前と私の名前が書いてあった。
その次のページに行くと、こんなことが書いてあった。
「あなたは選ばれた方なのです。あなたはとてもいい音だ。あなたの心臓は行きの良くて1度の音で大きな振動を与える。あなたは幸せになる権利があります。ぜひ私たちのココロ回収のお手伝いをして貰えませんか。」
そこにはYES・NOという文字が書いてあって、
丸をつけてくださいと下に小さく書いてあった。
私はすごく不気味で本を閉じた。
だがどうしても前の家のことなんて思い出せなくて、
ここで1晩暮らすしかないと考えたのだ。
買ったもやしを炒めて焼肉のタレをかけて食べた。
いつもはなにも感じなかったのにすごく質素に感じた。
そして夜になりお風呂に入った。
そこで置いてあるシャンプーはボタニストの1本1000円を超えるシャンプーだった。
私は今までこんなものを使ったことがなくて、石鹸で洗っていたパサパサの髪の毛もシャンプーとリンスをするだけで見違えたような艶だった。
そしてお風呂から出ると大きく綺麗なドレッサー。
コスメ、化粧水、乳液、保湿クリーム、歯ブラシ、ドライヤー、コテ、ヘアアイロン。
全て揃っていた。
そして多種の香水。タンスの中にはとても高価な服が揃っていた。
しかも、自分の好みの服ばかりだった。
いつか買ってみたかったブランドに、たまにボーナスがあった時に自分への御褒美に買っていた服。一式がタンスの中に綺麗にたたんであった。
私は前の生活なんてもうすっかり忘れていた。
だだ覚えていたことは
(心臓の音と交換してこの生活を手に入れた)
ということだけ。





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