カンニングを決行したおれが、隣の席で黒魔術の儀式が行われているところを目撃した件
カンニングを決行したおれが、隣の席で黒魔術の儀式が行われているところを目撃した件
……は。
……はは!
やってやる! 今日こそやってやるぜ!
高三の二学期の期末考査! つまり! 高校で最後の定期考査だ! しかも最終日のラスト! 残り十五分!
おれは悪だからな! カンニングくらい、軽くやってのけるんだ! ……今日こそは!
幸い、ここは一番後ろの席の右端で、監督教師は読書に夢中……来たぜ! 最後にして、絶好のカンニングチャンス!
……チラッと、横を向くだけだよな? 隣の席の優等生の答案をチラッと見る。何だ、簡単じゃないか! ……ケッコー成績が良い前の席の奴でも良かったんだが、恐ろしい程の巨体だからな、ぜんっぜん見えないんだ。
……よっしゃあ! やってやるぜ! やるぞ! やっちゃうからな!
……うっし! 横見た! 横見たよ! 横見ちゃったよ!
思いっきりドアが見えたぜ……! 当然だ! 右を向いたからな! ま、まあ、これは予行ってやつだ。準備は念入りにしなきゃだからな! 悪いことするんだからな!!
……よぉし、深呼吸、深呼吸だ。
……よし! 決めた! 覚悟決めたぞ!
……そらっ!
って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
優等生! 血、流しているんだけど! こんなに流れるかってくらい流れているんだけど!
え、シャーペンでやったの!? シャーペンでそんなになるものなの!? てか、なんでそんな事やってんの!? おい!?
……一旦、前向こうか。前。うん。
これはー、アレかな? あまりにも緊張しすぎて……バッカ、緊張なんてしてねーよ! とにかく、アレだ。幻覚でも見ちゃったかな? うん、そんな訳ないもんな。あの優等生がそんな事する訳ないもんな!
……そぉい!
なんか、血が集まって某ゼリー状のモンスターみたいになっているんですけど!? 解答用紙ぜんっぜん汚れていないんだけど!? ってか、何匹……匹って言っていいのかな? 何匹いるんだよ!
よし、一旦前向こうな。前。……てか、俺、思いっきりガン見しているけど、大丈夫か? ……うん、大丈夫そうだ。
……夢かな。そうだ、これは夢だな! 頬を抓ったらきっと痛くな痛いわボケ!
んー、なんなんだ? これは。……現実か? いや、でも、現実だよなぁ……
……チラッ。
なんか、血ライムが合体してキング血ライムになっているんですけど。……もう、何が起こっても動揺しないからなおれは。……ってか、優等生、目がガチなんだけど、ホント何やってんの? せっかくの美人さんが台無しよ?
うっし、前向くか。そして、安全を確認っと……なんか、この動作にも慣れてきたよ。……慣れてきちゃったよ! いいのか俺!
えーっと、優等生は何をやっているんだ? 試験と何か関係あるのか?
ってか、これ、本当に現実に起こっているんだよな……魔法? 魔術? そんなもん、存在していいモノなのか?
最後、最後にもう一回だけ……
……よっこらせ。
キング血ライムゥゥぅぅぅぅぅぅぅぅッ! キング血ライムが喰われてるぅぅぅぅぅッ! 謎の異空間から伸びている腕に喰われてるゥゥゥゥぅぅぅぅッ! ってか、謎の異空間って何だよもおぉぉぉぉぉッ! 訳分かんねえよおおぉぉぉぉぉッ!
……前を向こう。……安全確認よーし。
キング血ライム……良い奴だったのに……知らんけど。
ってか、マジで黒魔術なんじゃないか? アレ! 謎の異空間が出てきてしまったらこちらとしてはもうどうしようもないよ!
ってか、あの腕。もしかすると……
……チラッとな。
やっぱりお前が問題を解いているんかーい! なんだそのスピード! 速! 速いよ! もう解き終わっちゃったよ!
って、ことは……え? 優等生、毎回これやってたの? 毎回毎回、流血からの血ライムからのキング血ライム。そして謎の腕へ。を繰り返し続けていたのか!?
せんせーい! ここにヤバい人がいまーす! せんせぇぇぇい!
「……はぁ」
カンニングって、凄ぇな……
「……よし、終了! 集めるぞー!」
「……はあ、すっげぇ疲れた」
なんかもう、帰って寝たい。あの黒魔術の光景をさっさと忘れたい。
「……お前、今日はやけに落ち着きがなかったが、体調でも悪いのか?」
「……ええ、まあ」
少しは気づいていたのか、先生……
「それ、センターとかでは気をつけろよ。不正行為だと疑われるからな。……ま、優等生のお前のことだから、その心配はないけどな。体調が悪いときはしっかりと申し出るように!」
「はい……」
いつも、あまりにも問題が速く解けてしまうので暇で暇で仕方なかったのと、悪さへのちょっとした憧れからやってしまったカンニングだが……もう二度とやるもんか。絶対しないからな!
……はは!
やってやる! 今日こそやってやるぜ!
高三の二学期の期末考査! つまり! 高校で最後の定期考査だ! しかも最終日のラスト! 残り十五分!
おれは悪だからな! カンニングくらい、軽くやってのけるんだ! ……今日こそは!
幸い、ここは一番後ろの席の右端で、監督教師は読書に夢中……来たぜ! 最後にして、絶好のカンニングチャンス!
……チラッと、横を向くだけだよな? 隣の席の優等生の答案をチラッと見る。何だ、簡単じゃないか! ……ケッコー成績が良い前の席の奴でも良かったんだが、恐ろしい程の巨体だからな、ぜんっぜん見えないんだ。
……よっしゃあ! やってやるぜ! やるぞ! やっちゃうからな!
……うっし! 横見た! 横見たよ! 横見ちゃったよ!
思いっきりドアが見えたぜ……! 当然だ! 右を向いたからな! ま、まあ、これは予行ってやつだ。準備は念入りにしなきゃだからな! 悪いことするんだからな!!
……よぉし、深呼吸、深呼吸だ。
……よし! 決めた! 覚悟決めたぞ!
……そらっ!
って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
優等生! 血、流しているんだけど! こんなに流れるかってくらい流れているんだけど!
え、シャーペンでやったの!? シャーペンでそんなになるものなの!? てか、なんでそんな事やってんの!? おい!?
……一旦、前向こうか。前。うん。
これはー、アレかな? あまりにも緊張しすぎて……バッカ、緊張なんてしてねーよ! とにかく、アレだ。幻覚でも見ちゃったかな? うん、そんな訳ないもんな。あの優等生がそんな事する訳ないもんな!
……そぉい!
なんか、血が集まって某ゼリー状のモンスターみたいになっているんですけど!? 解答用紙ぜんっぜん汚れていないんだけど!? ってか、何匹……匹って言っていいのかな? 何匹いるんだよ!
よし、一旦前向こうな。前。……てか、俺、思いっきりガン見しているけど、大丈夫か? ……うん、大丈夫そうだ。
……夢かな。そうだ、これは夢だな! 頬を抓ったらきっと痛くな痛いわボケ!
んー、なんなんだ? これは。……現実か? いや、でも、現実だよなぁ……
……チラッ。
なんか、血ライムが合体してキング血ライムになっているんですけど。……もう、何が起こっても動揺しないからなおれは。……ってか、優等生、目がガチなんだけど、ホント何やってんの? せっかくの美人さんが台無しよ?
うっし、前向くか。そして、安全を確認っと……なんか、この動作にも慣れてきたよ。……慣れてきちゃったよ! いいのか俺!
えーっと、優等生は何をやっているんだ? 試験と何か関係あるのか?
ってか、これ、本当に現実に起こっているんだよな……魔法? 魔術? そんなもん、存在していいモノなのか?
最後、最後にもう一回だけ……
……よっこらせ。
キング血ライムゥゥぅぅぅぅぅぅぅぅッ! キング血ライムが喰われてるぅぅぅぅぅッ! 謎の異空間から伸びている腕に喰われてるゥゥゥゥぅぅぅぅッ! ってか、謎の異空間って何だよもおぉぉぉぉぉッ! 訳分かんねえよおおぉぉぉぉぉッ!
……前を向こう。……安全確認よーし。
キング血ライム……良い奴だったのに……知らんけど。
ってか、マジで黒魔術なんじゃないか? アレ! 謎の異空間が出てきてしまったらこちらとしてはもうどうしようもないよ!
ってか、あの腕。もしかすると……
……チラッとな。
やっぱりお前が問題を解いているんかーい! なんだそのスピード! 速! 速いよ! もう解き終わっちゃったよ!
って、ことは……え? 優等生、毎回これやってたの? 毎回毎回、流血からの血ライムからのキング血ライム。そして謎の腕へ。を繰り返し続けていたのか!?
せんせーい! ここにヤバい人がいまーす! せんせぇぇぇい!
「……はぁ」
カンニングって、凄ぇな……
「……よし、終了! 集めるぞー!」
「……はあ、すっげぇ疲れた」
なんかもう、帰って寝たい。あの黒魔術の光景をさっさと忘れたい。
「……お前、今日はやけに落ち着きがなかったが、体調でも悪いのか?」
「……ええ、まあ」
少しは気づいていたのか、先生……
「それ、センターとかでは気をつけろよ。不正行為だと疑われるからな。……ま、優等生のお前のことだから、その心配はないけどな。体調が悪いときはしっかりと申し出るように!」
「はい……」
いつも、あまりにも問題が速く解けてしまうので暇で暇で仕方なかったのと、悪さへのちょっとした憧れからやってしまったカンニングだが……もう二度とやるもんか。絶対しないからな!
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