魔女が生き残った世界で生活する俺ら、当然魔法使えるよね?

Pman

第12話 先生とルール

始業のチャイムが鳴る。
ガララ、とどこがで聞いたことのある音が、数週間ボケていた自分の体を覚ましてくれるような気がした。


横に十人、それが五列で一列ごとに段差があり後ろの席にも見えやすいよう工夫されている。


黒板の大きさは中学の時とあまり変わらず、一歩大人になった気分はない。
ドアから入ってきたスーツ姿の女性はビシッと身なりが整っており、怖いイメージがある。髪の毛はサラサラで、頬は白く、瞳は生徒を見透かす強い意思を感じる。



「よし、人数いるな。私はこのクラスの担任、
新井朝霧あらいさぎり、よろしく。皆には式が始まる前にこの学校の独自のルールについて教えておこうと思う。資料として渡したものはごく一部にすぎない。まず、クラスについて話そうか。この学校はA、B、C、の三つのクラスで成り立っており、基本、クラスの名前についてはただの物差しにしか過ぎない。授業で実践形式の魔法について習えば、週に一度の研鑽会けんさんかいに参加できる。そこで互いに魔法を使った試合を行い、ポイントを貯めてもらう。そこでのクラスの物差しとは、その人の「強さ」だ。Aクラスのやつは強く、Cクラスにいくほど弱くなる。意地の悪いAクラスだと、お前らをボコボコにするだろうな。ポイントとはより強いクラスへいくための成績みたいなものだな。普通の授業でもポイントはもらえるが少ししかもらえないのは当然のことだ。ポイントの持ちようによっては、上がることもできるし、下がることもできる。Aクラスは一万ポイントぐらいは持っておかないとな。うちは五千より上、Cクラスはそれ以下だ。何の授業も受けてない皆にはCクラスの奴と大差ない。落ちないよう頑張るんだな。お、時間か、それじゃあ、体育館へ移動しろ。」

言いたいことだけ言って、新井先生は足早に教室を去っていった。
「あの先生、怖そうだな、優」


「進こそちびったんじゃないの?お前前の席に座ってただろ」


「この学校、特に席が決まってないらしいからつい」


「真面目なところが出たんだな」


「さ、行くか」

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