魔女が生き残った世界で生活する俺ら、当然魔法使えるよね?

Pman

第5話進路(3)

「はい」と、百音に続き返事をする。


「わかりました。では他に質問があれば」


「「ありません」」


「わかりました。もう行っていいです」


失礼しました、と言い生徒指導室から出る。ちょっと恥ずかしい。下級生とかが見たら、怒られてんじゃね?先輩。とか思ってそう。
でも、その可能性は低い。もう日は地平線に隠れそうな時間帯。
荷物を取りに教室へと帰る途中、廊下に誰も人がいないことを良いことに、
「あんたわかってたの?」
お説教が入る。その言葉には怒気が含んでおり、その額には汗が浮かんでいる。お説教回避ルート、俺が返すのは、


「え、何が?」


と素っ気なく返す。けど、言われている意味は分かります。スイマセン。


「魔法学校のことよ」


もう忘れたの?あんた、あの先生を怒らせたらどうなるかわかってるの?と百音は付け足す。


「ああ、あんな名前だったんだな」


「進道、あんたね私がなんて言ったかちゃんとわかって言ってる?私がどういう気持ちかわかって言ってる?あんた、あの先生に恐怖抱いたことある?」


ありますとも。


「だから、俺が正式名称知らなかったってことだろっ」


あんな名前だったんだな、とふざけて言うと、それがさらに百音の怒りのボルテージを上げる原因となって、百音は深い溜め息をつく。


「違うよ!私が言いたいのは、あんたは、ホントはどっちに行きたいのって話!さっきの様子を見れば、『国立(以下略)』の「こ」の字も知らないようなんだけど!」


「いやいや、それぐらいは知ってるって?魔法学校は魔法を教えてくれるところだろ?」


「やっぱり、それぐらいの知識じゃないの。あなたが知っているその情報は、異世界人でも知っている、超ごく基礎の情報よ。それを今さら言って何になるの?あのね、私が言いたいのは、どっちに行きたいのってこと!いい?私たちの国には通称魔法学校は二つあるの。一つは『国立(以下略)』』。『魔法高等学校』。ひとつめは、魔法研究発展途上国である、我ら日本の最高峰の学校なのよ。あんたそれも知らないで「はい」って言っちゃったの?もう、庶民が来るような場所じゃない、超エリート校なのに。嘘でしょ?」


「いや、そうですけど」

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