やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

71話 社会科見学しよう!




(予定よりも早く終わっちゃったなー)

  窓の外を見てみるとまだ日が昇っている途中だった。ついでにいえばやることも無くなっていたので正直暇だ。

(少し他の街に行ってみるか)

  レオンは今作り途中の街の参考にするために王都の周りの街を回ることにした。そのついでに今作り途中の街の宣伝もしておこうと考えた。

(まさか異世界に来てまで社会科見学するとは思わなかったな)

  そんなことを思いつつレオンは王都の外に転移した。

(とりあえずマップを起動し……っ!)

  レオンはマップを起動して目に映った光景を見てすぐさま駆け出した。

  少数の青い点が複数の赤い点に囲まれている。これは魔物か盗賊などに包囲されているということになる。

  距離はここから15kmほど。レオンは極力周りに被害が出ないようにしつつも、最大限の走りでそこまで向かう。

  すると見えてきたのは10人の盗賊に囲まれている騎士達と馬車だった。

「大丈夫ですか!今助けます!」

  大声でそう呼びかけると同時にレオンは風魔法で盗賊を討伐していく。

  1人目は首を2人目はお腹に3人目と4人目は心臓を貫いてと言ったように容赦なく蹴散らして言った。

(人殺しにもだいぶ慣れちゃったな)

  良いことか悪いことかは分からないが確実に意識が変化しているのは分かった。異世界に徐々に順応していっている証拠だろう。

  そう結論づけた時には盗賊は全員倒れていた。

「君!大丈夫かい?!」

  さっきの騎士の1人が近づいてきた。

「はい。大丈夫ですよ。そちらこそ被害はありませんか?」

「あぁこちらもさほど問題はないが何人か盗賊の相手をして重症を食らってしまったらしい。だがその程度だ」

  問題を無いと言っているあたり覚悟はしていたんだろうけどやはり見逃すのは癪だ。

「それではその人達の所へ案内願えませんか?」

  騎士の人が一瞬戸惑ったが、ついてきてくれと言って案内してくれた。

「ここだ。右にいる彼女とその反対側の彼が重症者だ。その他はかすり傷だけだ」

「分かりました」

  そうしてまず見るからに彼女の方が酷そうだったのですぐさま治す。

『ハイヒール』

  無詠唱で唱えたそれは瞬く間に彼女の傷を癒した。それに加えて疲労回復もかけておく。引き続きもう1人も治していった。彼の方も疲労回復させると呼吸が穏やかになった。

「終わりました。一応回復はさせましたが安静にさせておいてください」

  周りの人達は驚いた様子で固まっている。

  ようやく動き出したのが最初に話しかけてきた騎士だった。

「君は何者なんだい?強い魔法に回復魔法まで……」

「それは秘密でお願いします」

「そ、そうか」

  そう言って他にも何か言いたそうにしてたが結局特には追求されなかった。

「それにしても此の度は助かった。礼を言う。私はヴェルグ=ビルド、この護衛の隊長だ」

「僕はレオンと申します。大事には至らなく本当に良かったです」

「君には礼がしたい。是非私たちの街まで来てくれないか?領主様からも是非とのことだ」

「この馬車に乗っていたのは領主様でしたか」

「あぁ、今は訳あって顔を合わせることは出来ないが許して欲しい」

  理由はよく分からないがここまでの丁寧な対応を見ていたので、その領主の街に行くことに決めた。どちらにしろ遅かれ早かれ行っていたのは間違いないがこういうのはきっかけが大切だ。

  そこからはスムーズに話が進み、騎士達が盗賊たちの処理を行っている間、レオンは騎士達の回復に務め、仕舞いには馬車の馬の披露まで回復させておいた。

  そのおかげか出発はだいぶ早まった。レオンは隊長に指定の馬車に乗るように言われたのでそれに応じた。

  後からさっき助けた2人と騎士団長が乗ってきた。

「改めて今回はありがとう。本当に助かった」

「俺も助かりました。ありがとう!」

「私ももうダメかと思っていました。けれどレオン君のおかげでこうして生きながらえることが出来ました。ありがとうございます」

  と馬車に乗ってすぐに3人から頭を下げられた。

「当然のことですよ。自分の手が届くところにあるのに助けないのは嫌ですからね。結局は自分のためですから。だから皆さん頭を上げてください」

  そう言うと3人共頭を上げたがまた感謝された。こういうのに慣れないレオンは何だかむず痒く感じた。

  それからも馬車の中では普段の生活のことや趣味、得意な魔法などたわいもない話をしていた。そして話はこれから向かう街のことになった。

「今向かっている街はフィレベールと言ってこの国では比較的大きい街だ。特産品なんかも珍しいものがあると思うからぜひ楽しみにしていてくれ」

  特産品は街には必ず必要だと思っていたので良い参考になればいいと思った。

「それとこの街では冒険者ギルドが盛んなんだ。近くにダンジョンや渓谷があるから必然的にそうなった。だから冒険者やっているなら1度行ってみるのもいいと思うぞ」

  と面白そうな情報が得られた。これは1度行こうと即決意した。だがレオンがそこで無双するのはほんの少し先のお話。




  雪です!いやー、夜1時に完成させるのはさすがに明日が辛そうです。(実際には今日です)

  これからまた忙しくなるので更新できないかもしれませんがご了承ください。

  皆さん何卒気長にお待ちください……

  それではまた!


追伸

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コメント

  • アキ

    疲労が披露になってましたよ

    0
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