やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

67話 精霊女王対精霊




  目の前の精霊は常に周りの魔力を吸い続けている。それによりその精霊の持つ魔力はどんどん濃密なものになっていっている。

(これは早期戦かな)

  レオンはこのまま吸われ続けることはまずいと思いそう決めた瞬間に精霊へ斬りかかった。

  しかしその剣は手応えなく精霊をすり抜けた。

(なるほどね)

  1振りしただけで何となくは分かったが念の為数回程斬りかかる。

(うーん、確実に分かったけどどうするかな……)

  精霊は攻撃される瞬間に実体を無くして全ての攻撃を無効化していた。しかしどう攻撃するかが問題だ。

(無理やり出来ないこともないけど……うーん、あ、オリヴィア!)

  思い立ったが吉日、早速精霊女王のオリヴィアを呼んだ。

「久しぶりーレオン!」

「久しぶり。早速で悪いんだけど目の前の精霊の倒し方を教えてくれない?」

  そう言うとオリヴィアは目の前の精霊を見た。

「おぉー、何とも禍々しいねー」

  そんなことを飄々と言いながらもしっかりと相手を見据えているようだ。

「それでどうやって倒すの?」

「うーん、口で説明するの苦手だから見ててもらっていい?」

「いいよ」

「ありがと!じゃぁ見てて」

  そう言ったあと元気よくその精霊の元へ飛んで行った。

「それじゃ見ててねー!」

  オリヴィアはまず最初に相手の魔力を掻き乱すように魔力を送った。そのせいで相手は思うように自分の体を操れなくなったようだ。

(なるほどな)

  レオンは最初、その精霊ごと空気を圧縮してしまえばいいと考えたが、言わずもがなこれは力技なため効率的かといえば首をかしげる。

  しかしオリヴィアの取った方法は少量の魔力を相手に送り操ることで他の魔力の流れを妨げていた。レオンの考えと比べ効率的だ。

  その調子でオリヴィアは相手の魔力を乱し続け、仕舞いには放出させるまでに至っていた。

  するとその精霊はみるみる力を失っていき最終的には一切魔力が無くなり消滅した。

「ふぅー。終わったよーレオン」

「お疲れ様。あんな方法があるとは思わなかったな」

「まぁそれも仕方ないよ。精霊について詳しく知らなきゃ多分無理だもん」

  だが今回のオリヴィアの動作を見て、次に自分がやっても出来るぐらいには自信があった。

「それじゃ地上に戻ろうか」

「どうやって戻るの?」

  そう言えばオリヴィアに転移魔法を見せてなかった気がする。

「とりあえず僕に捕まって」

「うん、分かった」

  そしてオリヴィアの手が肩に触れた瞬間転移した。

「な、何が起きたの?!」

「転移しただけだよ」

「転移?!」

  この後少しあたふたしていたがレオンの種族のことを思い出したのか落ち着きを取り戻した。

「落ち着いた?」

「うん。何とかね。もしこれを普通の人間がやってたら分からなかったけどね」

「でもまぁ僕だからね」

「そうだね。そういえばここってどこ?」

「えっとねー」

  レオンはチセに見せてもらった地図と同じものを作り出しオリヴィアに見せた。

「オルマリアの王都がここだから、だいたいこの辺だね」

  オリヴィアに指でその場所を指し示すと、少し困惑した表情をされた。

「……ねぇレオン。確かそこ土地が枯れているよね?」

「いや、枯れているじゃなくて枯れていただよ」

「え、まさか直したの?」

「直したね」

  そしてオリヴィアが固まったと思った瞬間、驚くほど驚いていた。何を言っていたか分からないほどに。

「落ち着いてって。こんなの誰にも出来るわけないじゃん」

「当たり前だよ!誰がこんなだだっ広い枯れた土地を1人で直せるもんですか!」

  と口調も少しおかしくなってきた。その後もその調子で5分ぐらい喚いていた。

「はぁ、はぁ、……疲れた」

「はい水」

「ありがと」

  オリヴィアは人間サイズのコップの水を一気に飲み干した。

「今度こそ落ち着いた?」

「一体誰のせいだと思ってるの」

「ごめんて。でも必要なことだから許して」

「まぁいいよ。レオンは神様だし」

  神様って言葉で納得されるのは不本意だが今回ばかりはしょうがない。

「あ、それでオリヴィアに頼みがあるんだけど」

「なにー?」

「この後にもう一度別の場所で同じことするんだけど手伝ってくれない?」

「またやるの?」

「うん。まだ魔力は全然使えるしね」

  魔力は無限にあるが多少の倦怠感があるのは変わらないのでいつも程々にしている。

「分かったよ。ついてくー」

「ありがと」

  そうしてレオンはオリヴィアを空気の膜で包んだ後に上空を高速で移動した。

  そして着いた頃にはオリヴィアはダウンしていた。

  その間にレオンが恙無く土地を復活させたのでオリヴィアが来た意味があやふやになってしまった。




  皆さん平成最後をどうお過ごしでしょうか?

  もう数時間後には年号は平成から令和になります。

  私は気分を新たにまた投稿していきたいと思います!

  令和になってもよろしくお願いします!

「やはり、創造神の加護はチートでした」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • ノベルバユーザー320866

    お疲れ様です
    これが平成最後のと思うと
    なんか感慨深いな、、、
    令和の時代になっても変わらずに
    頑張ってください!!
    あとできるだけ無理をしないようにw

    0
コメントを書く