やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

60話 ダンジョン攻略⑦




  41階層からはより一層魔物達のレベルが高くなっていた。ざっとLv5500前後だ。そして魔物の種類も多く、人形系や獣系、鳥系、虫系、アンデッドなどが混在していた。しかもそれぞれに得意の戦型があり、それが協力して自分に襲いかかって来るので厄介極まりない。

  レオンは今死角から攻撃してきたブラックオーガを避け変わりに魔法で顔を爆発させた。そして頭上から振り下ろされたスケルトンソルジャーの剣を弾き隙だらけになったところを剣で粉々にする。それと同時にブラッドスパイダーが撚糸を飛ばしてきたのでそれを後ろのダークウルフに当てそれと同時にブラッドスパイダーとダークウルフを一閃する。そしてまた……と言ったようにきりがない。

  面倒になったレオンは自分の周りに結界を張りレオンの動きに合わせて移動するようにした。そうすることで攻撃されても結界が弾いてくれるのでいちいち構わなくて済んだ。

  そして相手のレベルを確認しながら魔物達をどんどんスルーしていき少しレベル帯が上がったら戦い、慣れてきたらまたスルーする。この繰り返しを続けながらどんどん階層を下っていった。

  45階層を突破するとレオンと同じぐらいのレベルの魔物達が出てきた。と言っても以前のレオンと一緒なだけで当然ここに来るまで魔物を倒しまくってきているのでレベルは上がっている。しかもレベルは一緒でもステータスが違いすぎるのでレオンにとっては弱く見えたりたりする。

  46階層も突破し47、48階層をも突破した。

  そして49階層に入った時にレベル帯がまた上がった。やっとクライマックスといったところだろうか。

  レオンはレベル8000の相手を次々と倒して……いくことは出来ず多少は苦戦するようになった。だがそれでもまだ余裕はありそうだ。

  たまに相手の攻撃に掠りながらも着実に倒していく。そして1時間ぐらいかけてやっと50階層に続く階段を見つけた。

  恐らく次が最終階層である。レオンはそれにモチベーションを上げて階段を降りていった。すると49階層とは比べて全体的には高くなっていた。だがその中に2匹、レベルが明らかに低くなっている魔物がいた。今までそんなことは無く確実に強くなっていた。

  それらが示すことを確かめるようにレオンはその片方の魔物を鑑定した。

(……。まさか裏ステータスまであるとはね……。)

  そう進化していたのだ。

  とりあえずその2匹は動かずにこちらの様子を探っていたので先に周りの魔物達を蹴散らす。それに伴いレオンも今までの2倍ぐらいの力を出す。

  すると予想よりも遥かに強くなっていたらしく強めにファイアボールを当てただけで魔物達の顔は見事に爆破された。

  それを見ていた2匹は驚いたようで戦闘態勢を一瞬で整えた。

  そして連携して攻撃してきた。1匹は真正面から攻撃してきた。それを防ぐ瞬間にもう1匹が後ろから刺すように腕を伸ばしてきた。その時の速さは音速を超えている。

(まずい!)

  そう思った時にはその攻撃が当たるまであと10cmほどだった。そしてレオンは決意し1匹目の攻撃は食らっても仕方がないと割り切り2匹目の腕を力ずくで止め折った。その瞬間にとてつもない衝撃がレオンを襲った。

「ぐはっ」

  吹き飛ばされたレオンは壁に衝突した。

  レオンは自分に回復魔法をかけながら相手の様子を見る。するとあちらも腕を折られたせいかこちらを見続けている。

  それが魔物達にとっては悪手だった。

  その睨み合っている時間でレオンは回復しきり、また身体強化の強さを引き上げた。そしてその雰囲気に焦ったのか2匹は先程同様攻撃してきた。

  だが今のレオンにはその攻撃は届くはずなく、一瞬で躱してカウンターを当てた。

  そしてそのカウンターが決め手となり弱ったところをレオンに攻撃されてサンドバッグ状態になり絶命した。

(今回ばかりは焦ったなぁ……。初撃はしっかり警戒しよう、うん)

  そしてそれがボス前の魔物だったらしく、それからは魔物達の姿は一切見れなかった。

  そして扉の前に着いた。だが中からの威圧や殺気などは一切感じられなかった。

  不気味と言えば不気味だがここらではどうすることも出来ない。

(うーん、まぁいいか)

  そうしてレオンはおもむろにアイテムボックスから軽い食べ物を出し食べ始めた。この状況でもあれだけ戦った後の疲労には勝てなかった。

  お腹は満たされたレオンはその後眠気に襲われた。さすがに寝るのはまずいと思い、魔法で眠気を飛ばした。

《チセ今何時?》

《今は午後7時10分です。》

《分かった。ありがとう》

  思った以上に早く来れたのは良かった。この中の魔物とゆっくり時間をかけて戦える。

  息を整え深呼吸をした後、扉を開けた。

  そして中には1人いた。そしてその人からは異様な魔力を感じた。

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コメント

  • ノベルバユーザー304592

    頑張ってください!

    続き楽しみにしてます!

    0
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