やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

53話 お弁当




  教室に入るといつもの雰囲気とは変わって騒がしかった。そしてその渦中にいるのがフィリアだった。いやどちらかと言うとフィリアが渦中にいさせられていると言った方がいいだろうか。

  とりあえずなんの騒ぎか聞きたかったので自分もその渦中に入った。

「おはようフィリア。それでなんの騒ぎ?」

「おはようございますレオン。どうやら昨日の団体戦のことが広まったみたいで。それでみんなの質問に答えてます。」

「分かった。」

  そうしてレオンはみんなの方に向き直り少し声を大きくする。

「みんな少し休憩にしよう。そんなに一度に質問されたらフィリアも疲れるし困っちゃうでしょ?どうしてもって言うなら僕が答えてあげるから僕のところに来てね。」

  そう言うとフィリアの周りを囲んでいた人達は自分の席やクラスに戻っていった。そうしてやっといつも通りになった。

「ありがとうございます。おかげで助かりました。」

「どうってことないよ。実際一声かけただけでみんな戻っていったしね。」

  そう言ってたわいもない話をしていると先生が入ってきた。そうしていつも通りの授業が過ぎていった。

  全ての授業が終わったのは昼過ぎだった。因みに今日は選択科目はなかった。

「それじゃ今日の授業は終わりです。また明日会いましょう。それではさようなら。」

  そう言って先生に挨拶した後ホームルームが終わった。

  みんなが続々と帰宅に着く中レオンは外を見ながらぼーっとしていた。

「レオン少しいいですか?」

  後ろから少しよそよそしくフィリアが尋ねてきた。

「良いよ。どうしたフィリア?」

   するとよりよそよそしくなったフィリアが少し間を開けて言ってきた。

「あの…もしよろしければ、一緒にお昼を食べませんか?」

  何だそんなことならそんなにならなくても良いのにと思ったが少し違ったようだ。

「そんなに謙虚にならなくても大丈夫だよ。もちろん一緒に食べに行こうか。」

「いえそうではなくて…お弁当を作ってきたので食べて欲しいなと。」

  お弁当を作ってきたと今確かにフィリアが言った。つまりはフィリアの手作り弁当ということになる。レオンは驚いたと同時にとても嬉しくなった。

「本当に?!是非食べさせてもらうよ。ありがとねフィリア。」

  そうしてレオンは人気のない場所を探し出しそこへフィリアと一緒に向かった。

「城壁から見る景色もとても綺麗でしたが、ここからの景色は別の姿での王都を見れるので良いですね。」

「そうだね。確かに良い景色だね。」

  そうして2人でその景色にほおけながら時間が過ぎていった。

「あっ、お昼を食べるんでしたね。」

「そうだった。ついついこの景色に目を奪われていたよ。」

「私もです。それじゃぁ食べましょうか。」

  そう言って持ってきていた鞄の中から2つの弁当箱を取り出した。

「はいどうぞ!」

  そうして渡されたのは木の箱で出来た弁当箱だ。けれども細工が細かく素人目だが1級品だということが分かる。

「ありがとう。それじゃ早速頂こうかな。」

  お弁当の蓋を開けるとそこには色鮮やかで目を楽しませてくれるようなものばかりだった。

「これフィリアが作ったんだよね?驚いたよ。」

「えっ?私何か失敗とかしていました?!」

  そう言って焦り始めたフィリアが何か誤解をしているのですぐに言い直す。

「いや逆だよ。上手すぎて驚いた。ここまでのお弁当なんて初めて見た。さすがフィリアだね。」

  するとみるみる表情が明るくなった。

「本当ですか!ありがとうございます!」

「どういたしまして。それじゃ今度こそ食べようか。」

  そしてレオンが1口食べた。

  一つ一つの食材に手間がかけられているのがよく分かる。それに丁寧だ。食べた野菜ひとつとってもしっかりと甘みが感じられる。とても美味しい。

  レオンは勢いよく食べ始めた。野菜の次におかずをそしてパン。どれも素材が生かされているような気がする。

「とても美味しいよフィリア!」

「お口にあって良かったです!遠慮せずに食べてくださいね。」

「うん。ありがとう!」

  そうしてものの数分で食べ切ってしまった。

「レオンは食べるのが早いのですね。」

「いやフィリアのお弁当が美味しかったからついつい手が進んじゃったんだよ。」

「ありがとうございます。とても嬉しいです!」

  フィリアの料理は控えめに言ってお店で出せるレベルだ。だがこの歳でここまで上手くなるものなのか?

「フィリアってどのくらい料理やっているの?」

「そうですね…私が5歳の頃にはもう始めていたのでかれこれ3、4年ですかね。」

  3年と聞いて驚いた。他の人はどうだか分からないがレオンは短いと感じた。

「3年でここまで上手に出来るのか……。やっぱりさすがだね。」

  フィリアは多方面において才能があるようだ。とても器用なんだろう。

  「さて、お昼も食べ終わったしフィリアとも話が出来たしそろそろ帰ろうか。」

「そうですか。もう少しお話がしたかったけど残念です。」

  そう言われるとまだ残りたくなるがこの後はダンジョンが控えている。

「そうだな。じゃ明日は僕がお弁当を作ってくるよ。珍しいと思うよ。」

「本当ですか?!それじゃ楽しみにしてますね。」

  そう約束して門まで一緒に行った。

「それじゃまた明日ね。」

「はい!また明日。」

  そうしてレオンは家に帰り、その後ダンジョンに向かった。

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コメント

  • ちとせ@誤字報告遅くて|ω・`)スミマセン

    最初の方の
    「それじゃ今日の授業は終わりです。また明日会いましょう。それでらさようなら。」の
    「それでらさようなら。」は「それではさようなら。」ではないでしょか?
    違っていたらすみません…(o_ _)o

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