やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

閑話 フィリアside②




  それからというもの、レオンとの毎日はとても楽しいものでした。おかげで毎朝早く出るようになってしまいました。

  入学から数日経った後、レオンが私の専属魔法教師になりました。どうやらお父様の要望らしいです。レオンに直接魔法を教えて貰えるなんて嬉しいです。

  実際に魔法を教わることになって場所はどうするか聞いたら驚くことにレオンは別の空間を作り出しました。レオンに出来ないことなんてあるんでしょうか?

  中の空間は真っ白な空間でした。そこにレオンは的を作り、全力で魔法を放つように言いました。

「風よ槍となり敵を射抜け……ウィンドランス!」

  自分で言うのも何ですが私も魔法に関しては普通の人とは比べ物にならない程の力は自負しています。

  20本の風の槍が真っ直ぐ的に向かって全て破壊しました。なかなか上手くできたと思います。そしたら

「じゃあ次はそれを無詠唱で出来るようにしよう。」

  と言いました。そもそも無詠唱を習得してるのはこの国で20人もいないはずです。それをさらりと出来るようにすると言いました。

「えっ?無詠唱ですか?いくらレオンが教えてくれるからとはいえ難しいと思うのですけど。」

  と言うとレオンは無詠唱で私よりも魔力が濃いウィンドランスが50本ほど作り出しました。

「やはりさすがですね。」

  そこからレオンに丁寧に無詠唱について教えてもらいました。最初は失敗しましたが最終的には出来るようになりました。自分でもこんなに短時間で出来るとは思ってなかったので驚きです。

「それじゃ帰ろっか。」

  そう言ってレオンは外に繋がる穴を作り出して私達はそこから出ました。

  すると外はまだ明るく日がさっきと変わらない位置にありました。レオンに聞くと

「あぁ、説明してなかったっけ。あの空間は時間の進み方が違うんだ。だからあっちで1時間練習したとしても実際には1分ぐらいしか経ってないよ。」

  ということでした。本当にレオンに出来ないことってあるのでしょうか?

  今日はそれでお開きとなりました。少し寂しいですが仕方がありません。

  あれから1日経ちました。今日はもとよりお願いししたかったことをレオンにお願いしに行きます。ですが何故でしょう。少し緊張します。

「レオン、この後何かありますか?」

「いや、特に何も無いよ?」

  とのことでした。緊張を押し殺していつも通り優雅に頼みました。

「でしたら、1度私と街を回りませんか?」

  そしたら結構驚かれてました。さしずめ魔法の練習だと思ったのでしょう。

  結果的にはレオンと一緒に行くことが出来ました。とても嬉しいです。

  レオンと学園の門を抜け大通りに向かい歩いていきました。

  目につくものの多くが目新しいものばかりです。

「レオン!あの串に刺さった物はなんですか?」

「あれは見た目通り串焼きって言うよ。串にお肉を刺してその店のタレをつけて食べるんだ。確かあのお店はボアの肉を使ってたかな
。食べてみる?」

  私は香ばしい香りに負け頼んでしまった。大食いと思われないか心配です。

  レオンが持ってきてくれた串焼きは思ってた以上に大きく食べ方に困ってしまいました。レオンの方を見ると端からかぶりついていました。少し恥ずかしいですが私も見様見真似で食べました。これではまた大食いと見られないか心配です。串焼きはとても美味しかったです。

  それからも武具屋に行ってみたり、カフェに行ってみたり、城壁に登って王都全体を見渡したりと、王城にいた時には考えられないほど充実した時間でした。

  そして1番は

「しっかり出来てるね。はい、フィリア。」

  そう言ってレオンが私に杖をプレゼントしてくれました。武具屋に行った時に合うものが無かったことを気にかけてくれたみたいです。申し訳なく思うの反面レオンからプレゼントを貰ったことに大喜びしてしまいました。

「ありがとうございます!大切にします!」

「そう言ってもらえると嬉しいよ。」

  レオンの笑顔はやはりずるいですよね。

  その後この杖の威力を確かめたら異常な威力でした。しっかり使えるようになりましたが。


  それからの毎日もとても退屈しない時間でした。レオンといる時間は気を使わないで心から楽しむことが出来ました。

  そしてレオンには他の人には感じられない何かを感じました。それが優しさなのか逞しさなのかよく分かりません。

  だけど時間を重ねる度に確信するものがありました。それを伝えようにも伝え方が分からず心に閉まったまま何日か過ぎました。

  そして1週間ぐらい過ぎました。

  私達は団体戦を勝ち抜き決勝まで行きました。最初は決勝だと意気込んでいましたが、いざ戦ってみると自分でも驚くほど簡単に勝ててしまいました。相手のリーダーは私と同じぐらいの強さだと聞いていたのに驚きでした。

  ですが考えてみればレオンに教えられていたので当然と言えば当然ですね。やはり私の中でレオンの存在はとても大きいようです。

  優勝した後は周りのみんなに祝福されました。握手を求められたりもしましたがどれも気持ちのいいものばかりでした。

  ふと周りを見るとレオンの姿が見当たらず少し心配しました。ですがすぐに見つかると思い周りの人達の声に応えていました。

  あれから何分か経ちましたが未だにレオンは戻ってこず徐々に焦りに変わりました。何故焦っているのかは私にもよく分かりません。

  しかし私は闘技場内を探し回りました。帰る人達の人混みに揉まれながら2階席に上がり私達のいた席に行きました。

  そしたら案の定レオンはいました。周りの人達は2階席にはもういないようです。

「レオン!」

  振り返ったレオンは少し驚いた顔をしていました。

「フィリアどうした?」

「レオンを探していたのです。もう皆さん帰ってしまいましたから。」

  レオンは今まで自分の世界にほおけてたのか、周りを確認し始めました。

「あっ気づかなかった。ごめん待たせて。」

「いえ大丈夫ですよ。私が勝手に待っていただけですから。」

「ありがとう。それじゃ戻ろうか。」

「はい。」

  そうして私の先を行くレオンが少し遠く感じました。ただでさえ自分よりも遥か高くにいるレオンが見えなくなってしまいそうでした。気づけば私はレオンの名前を読んでいました。

「レオン!」

「私の命を助けてくれてありがとうございます!今日までこんなに楽しくやってこれたのはレオンのおかげです!まだ短い時間しか共に過ごしていませんが、それでも私にとってはレオンと出会う前の日常よりも遥かに幸福でした!だから……」

  自分でも何を言ってるか分からなくなってしまいました。声に詰まってしまい次の言葉がなかなか出てきません。そしたらレオンから優しい声をかけられました。

「フィリア。ありがとう。ただ今日までじゃないよ。これからも楽しくやっていくんだ。そして前も言ったけどフィリアを救った報酬はこうやってフィリアという友達と一緒に楽しく会話したり、共に戦ったり、そして喜び合ったりすることだ。だから感謝の気持ちは十分受け取ってるよ。」

  そんなレオンの言葉がとても嬉しかったです。けれども……

「……友達じゃ…………ダメ……すか……」

「フィリア?」

「友達じゃなくて恋人じゃダメですか?」

  気づいたらそう言ってました。

「…えっ?」

「あっ!」

  徐々に自分の言ったことに自覚を持ち、自分でも分かるぐらいに顔が火照ってしまいました。恥ずかしいです。

「忘れてください!」

  そう言ってうずくまってしまいました。

「フィリア。」

  いつの間にか自分の目の前に回っていたレオンが私の手を取りました。

「はいっ!」

  それに驚いた私の返事は裏返ってしまいそうな程でした。

  そして私は自分が望んだ1番の言葉を貰うことが出来ました。

「こんな僕で良かったら……恋人になりませんか?」

  嬉しそうで泣きそうです。

  自分でもやっと分かりました。今まで抱いてきたものが恋心だと。

  そんな私の返事はもう決まっています。

「喜んで。」

「やはり、創造神の加護はチートでした」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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コメント

  • アキ

    名前を読んでいました

    名前を呼んでいました
    では?

    1
  • 新!おバカな死神

    続きが気になって仕方無いっス

    4
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